ソング・オブ・ザ・シー 海のうたのレビュー・感想・評価
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アイルランド神話ベースの長編アニメ作品。絵本のようなキャラクターだ...
アイルランド神話ベースの長編アニメ作品。絵本のようなキャラクターだけど映像はとても綺麗。独特の雰囲気あるし、お母さんがとる行動に説明がなさ過ぎてちょっと入り込みにくいところもあるけれど映画作品としてはとても良かった。
前半は兄ちゃんのベンがシアーシャに意地悪くていちいちムカつく。すごく雑に書くと色々あって兄妹で冒険することになり、母から教えられていた伝説のことや歌の力で困難を乗り越えていくみたいな話。シアーシャもブロナーも妖精セルキーだったからというのが理屈なしに物語の全て。
日本人の感覚で観ると伝わってこない部分もあるけれど、神話好きの人ならはまると思う。
エンディング曲を歌う中納良恵が兄妹の母親ブロナーの声を演じていて、親父の声がリリーフランキー。
スコットランドの神話族セルキーを基にした絵本のようなアニメ
アイルランドの神話からマクリル
そのほかにも妖精や魔女の使いフクロウ
感情を吸い取り瓶に閉じ込める
おかあさんに習った歌が魔法を解いてくれる
神話を基にしているが現代劇
母の死は妹のせいだとつらく当たるお兄ちゃん
喋ることが出来ない妹
大きな犬
灯台守のお父さん
絵柄は大きな目が特徴的でチェブラーシカを思わせる
海の声が聞こえる巻貝の笛
劇場で観たらもっと感動しそうな素朴なアニメーション
絵の力! 一度は観よう!
ストーリーは童話というか伝説的であり、手に汗握る、二転三転というものではない。前半部分は、やや退屈で眠たいくらい。
しかし、見終わった後の清涼感はハンパなかった!
それは、ストーリーの純粋さももちろんだが、絵の力が大きいと感じる。円を基調としたデザインが、人間、動物、背景の全てに、見事にはまっていて、それらが流れるように曲線的に動き続ける展開には、感動という言葉は陳腐だが心を揺さぶられる。この映画には、アニメーションという言葉よりも、動く「絵巻物」という言葉が似合うように思う。
最近の日本アニメは、光を含めた背景を精緻に描写することを進化させてきているが、この映画は、極端にデフォルメしたデザインを楽しむ映画だ。
この絵は、みんな一度は観た方がいいと思う。観て、清涼感を味わいましょう!
歌と話は伝承を継ぐ
ベンの家の壁の壁画のようなイメージや、母から習う歌によってこの物語が文化の継承にテーマを置いていること、そして伝統の尊重が、時間と空間、世界のすべてとの豊かで健康的な関係を叶えるのだというメッセージが窺える。伝承はただの迷信ではなく、現実をより豊かに生きるための叡智なのだ。伝承と現実の密接さは、ベンの父とマクリス巨人、巨人の犬とペットのクー、祖母とマカのように、妖精と人間が相似形で対をなしていることからも、明白である。
そのテーマを詰めた、ベンの母の最後の言葉
「息子よ、忘れないで、あなたの歌や話の中にわたしはいるわ」
は印象的かつ感動的だった。
近代を経て大幅に神道文化を失った日本人の心にも、海を超えて響くだろう、美しい物語だ。
「北欧」が日本人にウケるわけも、なんとなくのぞき見える気がする。
壁画のイメージに合わせてか、ムーブメントや感情の変化が記号的ではっきりしているため、分かりやすく、万人向け。だが歌の歌詞の意味などを考えると決して深みがないわけでもなく、じっくり味わうこともできる。
絵とアニメーションは抽象度が強い。この手の抽象化、整理された表現は、記号的で冷たくなりがちと思う人も多いかもしれない。だが、グラフィカルなデフォルメとレイアウト、ブルーやオレンジの一貫したドミナントトーンがカッコ良くて見飽きないと共に、複雑な装飾的ディテールも豊かで、チープさ、単調さは全くない。手描き感を残したアニメが好きな日本人にも抵抗なく受け入れられるだろう。光の効果も良い。キャラはデフォルメされているにも関わらず、丁寧な人間味ある動きや表情で、温かみがある。大きい目がクリクリ動くなど、愛らしい。
さらに、神話を元にしたキャラクターたちが面白い。特に超長髪・髭のシャナキー(語り部の精霊)は個人的に好きだ。毛に記憶が詰まっているだなんて面白いし、毛に満たされた洞窟なんて見たことがなかった。グワングワン動く魔女のマカも迫力があり、盛り上がる。
メジャーな感想かもしれないが、要は、とてもキレイで整っていて有意義なメッセージのある、良質なアニメーションだ。
アニメ好きには、同じくセルキーのお話『Among The Black Waves』も合わせて観ることを勧めたい。表現がかなり異なるので、より豊かに作品を味わえると思う。
子供と見てほしい
愛知県春日井市市役所前の屋外、夕涼みシネマにて鑑賞。
最近ジブリが個人的に低迷と思っていて、細田守派になりつつあったが、海外長編アニメもいいねと思わせた作品。鑑賞場所もよかったのかな?
所々、ジブリリスペクトを感じました。
映画全体の雰囲気(トーン)やテンポも良かった。
吹替の声の方たち、本上まなみさん、エゴラッピンさんらも良かったです。
シアーシャ
アニメの表現力の多様性を改めて突きつける一作。ヨーロッパ作品らしい絵画的な表現で物語にどっぷり浸れる。シアーシャの愛らしさに心が洗われる。苦しみも楽しさもあっての人生。幾度となく思い起こされる作品になるだろう。
見た目も話も最高
シーンは複雑に展開するけれど、物語自体が単純明快なので、素直に泣いてしまった。
色んなアニメの影響を感じるけれど、確固たる世界観か構築されていて、独特のアニメーションを体感した気がした。世界観は独特でも、その絵的なオリジナリティにとらわれることなく、自然と意識が物語に向いていた。細かな表現力で感情豊かに見る者の心を揺さぶってくるように感じた。
今回のテーマは歌かとタイトルだけで分かるわけだが、歌の持つ魅力をこれほど見事に表現しきっている作品は、そうそう無いだろう。
出てくる動物も魅力的だったし、終始あきることなく楽しませてもらった。
バランス感覚
トム・ムーア監督の第2作。前作に引き続きアカデミー賞長編アニメーション部門ノミネート。観ながら賛否が分かれるだろうとは思った。
話自体は本当にひねりのないファンタジーものだ。千と千尋の世界観をもっと子供向けにしたような感じ。お母さんの下りが明かされるシーンがサラッと語られたのは少し拍子抜けした。だったら語らず最後まで想像に委ねてもよかったのに。
だがしかしこの作品の焦点はそこではなく、アニメーションの部分だ。リアリティを残しつつも2Dアートにしかできない表現が、作品のもつ神話感、アイルランドの空気感と調和して美しい画面を作り出す。ディズニーにもジブリにもないオリジナリティが、表現の世界に可能性を感じさせてくれる。だからストーリーはシンプルでいいのだ。その方が世界に入っていきやすい。そのバランス感覚が非常に優れているなと思った。ブレンダンよりも万人にオススメしやすい1本。
ザンネン
今日、河川敷での星空の下、開かれた上映会で鑑賞しました。
正直なところ最後迄観ましたけど苦行でした。
5分置きくらいにあと何分で終えるだろうと、
スマホを取り出しては時間を確認してました。
なぜこんなにも皆さんの評価が高いのか不思議です。
世界的な賞にノミネートされた事にも不思議です。
生きてる此の世での時間を90分強無駄にした様な気分です。
星空上映会と云う非日常的な素敵な場で無ければ途中退席してました。
風の谷のナウシカ、火垂るの墓が星5だとして、
大学や専門学校のアニメ科の卒業作品を星0.5とするなら、
この作品は星1.5
アマチュアが同好会仲間向けに作る作品としてなら星4とか5かもしれません(90分を超えるアニメーション制作には膨大な努力が必要だから努力賞的な評価として星4とか5)が、
一般公開作品としてならお金を払ってでも鑑賞したいとは思いません。
6歳の誕生日は一生に1回だけだよ
映画「ソング・オブ・ザ・シー 海のうた」(トム・ムーア監督)から。
アニメと言えば、ディズニー、ジブリを中心に、
そして、最近では新海誠作品ばかり観ていた私にとって、
外国のアニメは、予想以上に面白かった。
それも「製作国」が「アイルランド・ルクセンブルク・ベルギー・
フランス・デンマーク合作」と知り、興味が沸いた。
ヨーロッパ5つの国の合作の意味を考えながら、
最初のナレーションをメモして読み直した。
「人間の子よ 行きなさい。海と自然の中へ
妖精と手を取り合って この世界は涙で満ちあふれているから・・」
さらに、母親から伝えられる「海のうた」の一節。
「この場所からこの瞬間にかけて 北から南にかけて」
「東から西にかけて 時間から空間にかけて」
このあたりに、ヨーロッパ諸国の親が子どもたちに伝えたい、
子育てのヒントが隠されている気がした。
それは「親子愛」「兄弟愛」の大切さを中心に、
「冒険」のドキドキ感、「涙・苦しみ」に対する考え方など、
「絵本の読み聞かせ」に近い形で、伝えられているのだろう。
しかし、私が今回選んだのは、ちょっと違う。(汗)
孫の誕生日を祝う、おばあさんの台詞。
「誕生日にそんな格好じゃみっともないよ。
6歳の誕生日は一生に1回だけだよ。きちんとした服を着なきゃね」
この考え方、日本でも伝えていかなくちゃ・・と感じたから。
作品全体を包み込む、リズムとトーンが心地よかったなぁ。
絵本の世界に夢中になったあの頃の感覚。
小さいときに読んだ絵本。
登場するこどもが大人の監視下から離れて体験していく冒険。
不思議な動物や不思議な出来事。
ぎょろっとした目の不気味なおばあさんや老魔女。
自分自身が絵本の中の世界に入っていくような、
自分の世界の延長でその世界を体験してわくわくどきどきするような、
そんな頃の気持ちを思い出しながら夢中になって観た。
静かで、不思議で、時々不気味で少し怖くて、でもとても美しいアニメーション作品だった。
個人的にはフクロウ(特に窓を壊そうとするシーン)とフクロウの魔女がほんと怖かった・・。
巨人が泣いて海ができた話、髪の長い妖精、海の描写、かわいいアザラシも印象的。
絵本の雰囲気
なのに、重い雰囲気が全体を包んでいる。
小さい子どもだと、この雰囲気に馴染めるかどうかが鑑賞の価値を変えると思う。
演出は日本のアニメのようにカットインや過剰なエフェクトは一切ない。
あとキャラクターが画面内でやけに小さく感じる。場面を歩く主人公たちはか弱い子どもであることを主張されてる感じ。
冒頭に話される昔話、巨人マクウェル?が悲しみに固まってしまったように、家族も皆が固まってしまっている。
母親を失った悲しみを様々な形で避けている。
ベンと父親、祖母などは見ていてイライラするほどだが、物語を終わりまで見続けさせる魅力があったと思う。
ラストが幸せの大盤振る舞いとはいかないがあれでよい。
今時のなぁなぁで済ますアニメよりは映画らしいと思う。
吹替しか選択出来なかったのが残念。
優しい絵柄の骨太アニメ
まるで絵本のようなアニメで、キャラクターの表情がとても豊かで魅力的。切り絵のような背景も素晴らしかった。
音楽も極上で、シアーシャの歌もエンディングテーマも胸に染み入る旋律でグッときました。
そんな優しい絵柄の本作ですが、内容はかなり骨太。悲しみ・苦しさと逃げずに真っ向勝負して乗り越える、とても勇敢な物語だと感じました。
ブロナーが海に還ってしまった悲しみと向かい合えず、酒に逃げるコナーと妹のせいにして悲しみを麻痺させようとするベン。おばあちゃんも息子の悲しみに耐えられない。一家の時間は止まってしまっている。ベンは妹をいじめ、おばあちゃんも強引になんとかしようとする。
でも、そんなことをしても何の解決にもならないんですよね。
ずっと恐ろしくて逃げている悲しみに向かい合わないと前に進めない。
マカに至っては、魔法で苦しみから逃れている。まるでドラッグに依存する人のよう。勇気を持って妹を探すベンの前に、優しくて甘い態度で現れるマカはなんとも恐ろしい。
そして、苦しさから逃げるのを止め、向かい合うきっかけになるのは、やはり気持ちが他者に向くこと。シアーシャを守ろう、取り戻そうという気持ちが生まれると、ベンもコナーも自然と勇敢になっていく。そして、その結果、悲しみと向かい合い乗り越えるのだ。
マカと息子の物語は、おばあちゃんとコナーの関係とパラレルですね。同じ顔だし(声も同じだった)。ずっとビンの中に入れてなかったことにしていた苦しさを解放して味わうことで、石化の魔法が解けていく。止まっていた時間が動き出すかのよう。ラストの団らんシーンは感動しました。
また、犬のクーがとってもいい!心理的に大きな問題と向かい合うにはあんな伴奏者が不可欠ですね。クーのような存在に人は支えられて、傷つきから回復していく勇気を得るのではないでしょうか。
可愛らしいタッチの絵で、ゆっくりとしたリズムながら絵本のページをめ...
可愛らしいタッチの絵で、ゆっくりとしたリズムながら絵本のページをめくっていくわくわく感があり、お子さんはもちろん大人でも楽しめる作品です。
アイルランドの伝承が軸になっているそうですが、日本の昔話にもなんかこんな話あるよなぁ〜という不思議な感覚を覚えます(パクリとかそういうのではなく)。浦島太郎のようなかぐや姫のような天女の羽衣のような……
妖精と人間、あちらの世界とこちらの世界、対立しているようですぐそこにあるというのが面白いです。あとアザラシのデザインがすごくかわいい
夢を見ているみたいな
わかりやすいストーリーが音楽や映像の美しさ、キャラクターを引き立ててくれる。
神秘的で惚れ惚れしてしまう、夢を見ているような気分にひたれる。
きっとどんな世代が観てもそれぞれの楽しみ方があっておもしろいと思う。
地元で上映してくれてありがとうって感じ。
アザラシが可愛かった……
全54件中、21~40件目を表示