劇場公開日 2016年8月20日

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「【あざらしの妖精、セルキーの歌が齎した者。アイルランド民謡のような旋律と素朴な絵柄が素敵なファンタジーアニメーション作品。】」ソング・オブ・ザ・シー 海のうた NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5【あざらしの妖精、セルキーの歌が齎した者。アイルランド民謡のような旋律と素朴な絵柄が素敵なファンタジーアニメーション作品。】

2024年11月6日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

知的

幸せ

■海ではアザラシ、陸では女性の姿の妖精・セルキーである母と、人間の父の間に生まれた幼い兄ベンと妹とシアーシャ。
 一家は幸せに暮らしていたが、突然母が“許して”という言葉と共に、姿を消してしまう。そんなある日、妹のシアーシャがフクロウの魔女マカに連れ去られ、兄のベンは魔法世界へ不思議な旅に出る。

◆感想

・海に面した国では、今作の様な”妖精”物語が必ずある。日本で言えば、人魚に纏わる様々な話であろう。
 人魚の場合は、恋物語であったり、人魚の肉を食うと不老不死になるという言い伝えから、ホラー要素であったりする。

・今作は、セルキーというあざらしから人間の形に返信する神話上の種族を母に持つ、二人の兄妹の物語である。

・どことなく、懐かしく、残酷ではないが兄妹が居なくなった母を求める姿や、兄ベンが妹シアーシャに最初は意地悪をするのが、徐々に旅の過程で成長し、優しく接するようになる姿や、シアーシャが口が利けなかったのが、徐々に美しい調べを奏でる辺りは幻想的である。

<妖精物語は、残酷なモノもあるが、今作は家族の物語として描かれている所が良かったと思った作品である。
 母親とは、いつでも子供の事を大切に思う生き物なのだよなあ。>

NOBU