ソング・オブ・ザ・シー 海のうたのレビュー・感想・評価
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【あざらしの妖精、セルキーの歌が齎した者。アイルランド民謡のような旋律と素朴な絵柄が素敵なファンタジーアニメーション作品。】
■海ではアザラシ、陸では女性の姿の妖精・セルキーである母と、人間の父の間に生まれた幼い兄ベンと妹とシアーシャ。
一家は幸せに暮らしていたが、突然母が“許して”という言葉と共に、姿を消してしまう。そんなある日、妹のシアーシャがフクロウの魔女マカに連れ去られ、兄のベンは魔法世界へ不思議な旅に出る。
◆感想
・海に面した国では、今作の様な”妖精”物語が必ずある。日本で言えば、人魚に纏わる様々な話であろう。
人魚の場合は、恋物語であったり、人魚の肉を食うと不老不死になるという言い伝えから、ホラー要素であったりする。
・今作は、セルキーというあざらしから人間の形に返信する神話上の種族を母に持つ、二人の兄妹の物語である。
・どことなく、懐かしく、残酷ではないが兄妹が居なくなった母を求める姿や、兄ベンが妹シアーシャに最初は意地悪をするのが、徐々に旅の過程で成長し、優しく接するようになる姿や、シアーシャが口が利けなかったのが、徐々に美しい調べを奏でる辺りは幻想的である。
<妖精物語は、残酷なモノもあるが、今作は家族の物語として描かれている所が良かったと思った作品である。
母親とは、いつでも子供の事を大切に思う生き物なのだよなあ。>
北欧をテーマにした映画は一つは観るのをお勧め。
今年343本目(合計1,435本目/今月(2024年9月度)29本目)。
※ (前期)今年237本目(合計1,329本目/今月(2024年6月度)37本目)。
基本的にアニメ作品は見てもレビューしないほうなのですが、先に公開された「SONG OF EARTH ソング・オブ・アース」との関係があるのでレビューします(アニメも北欧フェアでもやってるのかな…)。
こちらはアイルランドなどケルト文化が残る地域のアニメ作品で、先の参考になるかもという作品はノルウェーだったかでまぁ場所は違いますが、「森の精霊」などの語が共通して出てくる点については同じです。この点、ドルイド系・シャーマン系の文化がこのような地では程度の差はあっても残っているものと思います。
本作品と「SONG OF EARTH ソング・オブ・アース」では国も違いますが、同じ北欧の国ということ、またこちらはアニメ作品でもあり見やすいという事情から、日本国内で年に数本公開される北欧映画のために本作品(かなり古い作品のため多少安かった。もっとも身障者手帳割なら1000円)を見ておく、あるいはVODでも見ることができるようですが、それがおすすめかなといったところです。
作品としても北欧神話・ケルト神話をメインとしているためミステリアスな部分が結構あり、北欧神話やシャーマン・ドルイド文化に慣れていない方には入門編ということでおすすめの作品です。
特段アニメとして気になった点までないので(アニメの個別の行動にまで民法がどうだのいっても仕方がないので)フルスコアにしています。このように北欧なりイスラム系なりの作品は数が少ないので、3連休等で大作が多い日でも意識的に行くことをお勧めします。
アイリッシュ・ジブリ
ネコバスがいたり、湯婆婆がいたり、木魂がいたり、デイダラボッチがいたりと、アイルランドのジブリっぽい。
とにかく作画がキレイで配色とか絵の動きとか、かなりの高水準。美術作品見てるみたいな陶酔感がある。精霊と人が共存する世界観が面白い。キャラもかわいくて、家族愛のストーリーも良し。
美しいアニメーションの平凡な物語
アニメーションはとにかく美しかったですが、さすがに2時間も観ていられるほどではなかったです。
よくありがちで結果が想像できるストーリーで子供のころに絵本で読んだお話と同じレベル。2時間はもたないです。
正に絵本を読んでいるかのような
現在の日本のアニメはとてもリアルな表現だったり、あるいはアニメならではの派手な表現が多くとて見応えがある。
この作品は日本のアニメとはまた違う絵本的な表現で、ゆったり平和に楽しむ事が出来ました。
君の声が聞こえる
ジブリ in Irelandみたいな映画。
息を飲むほど美しく、思わず圧倒されてしまうとんでも世界観。ジブリ映画を初めて見た時の感覚に、ものすごく似ている。なんて綺麗なんだ、なんて尊いんだ。初めて見る世界。何もが新鮮で目をキラキラさせてしまう。海や山などの大自然の接写にもうっとり。
そんな驚愕のアニメーションだけでもお釣りが返ってくるほどなのに、ストーリーだってこれまで体感したことの無いくらい神秘的で、言葉で表すのは至難の技だけど、もうとにかくこの映画の全てに惹かれた。
精霊とか魔法とか、浮世離れした設定は個人的に苦手で、鑑賞前はハマれるかかなり不安だった。のだけど、冒険を通して成長し、成熟していく兄弟愛・家族愛という、普遍的でどストレートだけど、この不思議な設定と見事に噛み合い、謎の説得力で強く心に響いてしまった。
主人公のベン、非常に人間味があってめちゃくちゃいい。強がっているけど、実は臆病。妹と互いに助け合いながら待ち構える苦難に打ち勝っていく。このベタな成長物語が無性に刺さるんだわ...。愛犬・クーも最高にいい。幼少期にこんな完璧な相棒がいれば、親も子も心強いよな〜。
冒頭とラスト。この対比もすごく上手に構成されている。いい人たち、いい精霊たちばかり。一見嫌な人でも心は寂しさで溢れていて、ベンが自身の成長と共に、一緒になって人生の大きな一歩を踏み出す。いやぁ〜、たまらんなぁ〜...。こんなアニメが見たかった。2014年の映画。アカデミー賞ノミネートされたことも、存在自体も全然知らなかったけど、こうやって見ることが、しかも映画館で、本当に良かった。もうすっかりお父さんの気分だよおお、、、。
絵画展
ミロスラフ・サセック風の風景とか背景が素晴らしい。
パンフのアザラシや子供の絵も可愛らしいが、実際は何倍も良い。
灯台から街へ車で移動するシーンとか、とにかく自分の好みだったのでワクワクした。
各シーンがひとつの完成した絵画、つまり絵画展を見ているよう。
幻想的で各シーン素晴らしかった。
妹に辛く当たる優しかったお兄ちゃん。
理由は言わずもがな…かわいそうに。
しかし、お母さんはいずれ別れる運命だった?
お父さんは知っていたの?
何か秘密を知っていたかのようだったけど、あまりその辺の説明はないのが残念。
アイルランド好きならぜひ劇場で観るといいと思う。
素晴らしい文章です。 絵が目の前に出てくるような文章でした。 この...
素晴らしい文章です。
絵が目の前に出てくるような文章でした。
このようなアニメがあるという事を知りませんでした。
精霊、冒険、勇気と成長、愛と歌
アイルランド、ルクセンブルク、
ベルギー、フランスそして
デンマークが製作した
ファンタジー長編アニメーション映画。
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灯台に住むひと家族とワンちゃん。街で暮らすお婆ちゃんと、精霊たちとの物語。
主人公は男の子のベン。
キーパーソンは妹のシアーシャとお母さんのブロナー。
ある晩。臨月を迎えているお母さんは海に消え、
海中にただよう妹シアーシャを引き上げたお父さん。
ベンからすれば、
妖精のお話(うたと絵)もたくさん教えてくれ、
優しかった、大好きなお母さんが消えた。突然に。
お母さんの命日が妹の誕生日なことに苛立ちを隠しきれず、妹に冷たく当たってしまう少年ベン。
妹は自分の誕生日会後の晩。ベンの宝物・お母さんがベンにと手渡してくれた貝の形の綺麗な笛を勝手に持ち出して笛を吹いた。
白い光に誘われ、お父さんが箱に隠していた白くて美しいコートを勝手に羽織り、海に潜ってアザラシに変身して夜の海を泳ぐ。
そのせいでシアーシャは風邪をひいてしまい、前から街に住むのがいいと一点張りのお婆ちゃんに、風邪っぴきの妹だけでなく、ベンもお婆ちゃんのウチに無理やり連行されてしまう。
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ここからがベン(とシアーシャ)の冒険が始まります。
道すがら、シアーシャを狙う謎のフクロウたちや、
フクロウから身を守るように建物に隠れる楽団の精霊たち、
びっくりするほど髪の長い・忘れっぽいが何でも知っている翁の精霊や、恐ろしいと噂の魔女にも出会います。
そこでベンは知ります、
なぜシアーシャが狙われるのか。
なぜフクロウが怖いのか。
そして、なぜあの方は楽団たちやほかの精霊たちを石に変えてしまうのか。
全てを知り、これまで冷たく接してきてしまった妹に対して、初めてちゃんと向き合おうとするベン。
(ベンだけじゃなく、ベンに習うようにか、ほかの皆んなも自分の悲しみや辛い気持ちにしっかり向き合うようになります。)
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ほかのレビュアー様と同じことを書いてしまいますが、絵が本当に素敵です。絵本のよう。
青の色彩も美しいです。
音も歌も素晴らしいです。
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少年が冒険を通して成長していくお話。
アイルランド(ほか4ヶ国)の
ファンタジー長編アニメーションをご覧になりたい方。
アイルランド神話、精霊やケルト調の音楽がお好きな方。
海がお好きな方。
オススメです。
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▶︎音楽 : KiLA
▶︎エンディング曲 : Song of the sea/Lisa Hannigan
作画もストーリーも素晴らしい
とてもよくまとまったいい作品でした。
無駄が少ない中にも余白を感じさせる作りなので大人でも十分に楽しめる作品です。
子供も飽きずに見れる時間だと思います。
私が見たのは新百合のアートセンターでした。お子さん連れが非常に多く途中「こわいぃ」という、可愛らしい声が聞こえただけで、皆静かに集中して鑑賞している様でした。
ディズニーやジブリと並ぶずっと見続けられる作品だと思います。
これからに期待できるような作品
前作「ブレンダン」より格段にクオリティが上がっているのが、冒頭から見て取れます。
具体的には、色彩にすごく深みが増していました。
今作もケルティックサウンドに彩られたアニメーション、やはり音が良いですね。
そしてそれは決して悪い意味でなく、やはりジブリの影響が思いっきり感じられます。
それとこの朴訥としたタッチの作画と、CGとの融合が想像以上にマッチしているんですよ。
ただ物語のキーとなる「歌」を繰り返し聞かされるのは少し気になりました。それでも前作より全体の纏まりも良くなっており、これからに期待できるような作品に仕上がっていました。
家族それぞれの役割。特に愛犬クーが大活躍!
灯台守の家族。6歳になったばかりのシアーシャはいまだに喋れない。兄のベンはいら立つことが多く、妹に意地悪してばかりだったが、お祖母ちゃんの家に預けられることになり、そこで大冒険が始まる。といった感じのファンタジー作品。シアーシャもベンも丸顔だけど愛くるしい。シアーシャが特に可愛くて、チコちゃんから怖いイメージを取り去ったと言えるかもしれない。ちなみにチコちゃんより一歳上だ。
吹替版で見たけど、歌があまり上手でないためか最初は感情移入できなかったけど、ベンが徐々に優しくなり、妹を守ることに命を懸けるようになるところが勇ましくてよかった。母親も妖精セルキーで、シアーシャを産んだと同時に海に消えてしまった。母からもらった大事な貝も妹に取られながら文句を言わなくなったのはエラいよ!
アイルランドの神話をベースにしているらしいけど、どことなく昔の東映アニメを見ている気分にさせられた。いろんな動物にみな妖精がついているんだね・・・ちなみに母ブロナもシアーシャもアザラシの妖精。ファンタジックな場面は子供だましだけど、最後はちょっと泣けた。お父さんの気持ちにのめり込んでしまった。
海辺の少年の美しく優しい冒険成長譚
アイルランドに伝わる神話が元のアニメーション映画。
字幕版で鑑賞。
とっても美しい作品でした。
行ったことはありませんが、すぐに北欧や北海の周辺の話なんだろうと想像がつくような独特なアニメーション。
日本の画風に慣れているので、最初は取っ付きにくかったですが、絵本の中のような美しい絵に魅了されました。
音楽も物語に合った神秘的な感じがして、聴いていてとても癒されます。
早くに母親を亡くした主人公の少年が、兄として冒険をする中で成長していく。
最初は物語のキーとなる、訳ありな妹シアーシャに優しくなれないながらも、彼女の秘密を知って共に冒険し、最後には自分の命を危険に晒してまでも妹のために頑張れる兄になるという展開は、普通だけれどとても感動します。
物語の冒頭は現実的な世界観も、妖精に出会ってからは一気に神話的世界観へ。
悪役はいるものの、誰も悪くないところも良かったです。
フクロウ魔女のマカ、彼女も本当は…
湯婆婆的なキャラ設定は、やはりジブリへのオマージュなのでしょうか?
物語終盤のオーロラはブラザーベアというディズニー映画のものに似ている気がします。
クー可愛い!シアーシャも可愛い!
美しすぎる絵の中で、深い親子愛や兄弟姉妹愛を感じることのできる優しいアニメでした。
ブレンたん祭りー
声優として参加してますが、キャラデザは本人に大分寄せた感じ。もはや声だけでブレンたんだとわかるようになったのがいいのか悪いのか。
アザラシ人間ってどうなのと見る前は思っていたが、可愛らしくデフォルメされた絵柄なので 問題なし。「◯マちゃん?!」と思ってしまう。アイルランドの神話伝説が元ネタということだが表面だけをサラッと観ても楽しめた。お兄ちゃん頑張った。
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