劇場公開日 2016年8月26日

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「影のヒーローは皆のヒーロー」ミュータント・ニンジャ・タートルズ 影(シャドウズ) 近大さんの映画レビュー(感想・評価)

3.0影のヒーローは皆のヒーロー

2017年1月13日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

楽しい

単純

興奮

ベイさんプロデュースでリブートされた、ミュータントでニンジャでティーンエイジャーなタートルたちの第2弾。
ゴリマッチョなタートルズ、リアルなスプリンター先生、アップグレードされたシュレッダーなど昔衛星放送のアニメ版を見ていた者としてはある意味衝撃を受けつつ、エンタメに徹した前作はとても楽しめた。
ビジュアル面の新味は薄れ、前作ほどでは無かったにせよ、今回も無難な娯楽作。

今回、冒頭から早速タートルズが登場。スピーディーに動き回り、掛け合いも絶妙、ノリの良さは前作よりアニメ版に近い。
話は単純。シュレッダーが復活。さらに、新たな敵が異次元世界から。
よって、文字通りスケールアップ…いや、スケール“超”アップ。前作はNY征服規模だったが、今回は地球侵略規模。
アクションもボリューム増し。中盤の飛行機から飛行機へのスカイ・ダイビング、クライマックス戦はツボを抑えた見せ場。

何と言っても今回のお楽しみは、アニメ版でもお馴染みのキャラの登場。
まずは、ビーバップとロックステディの悪党コンビ。
正直今となっちゃアニメ版はうろ覚えだが、サイとイノシシにミュータント化されたら、ああ、思い出した、思い出した、思い出した! 居た、こいつら!
動物パワーだけが取り柄の単細胞だが、何故か憎めないお笑い担当のこのコンビ。
(それにしてもこのコンビ、どうやってブラジルに行ったんだろう…??)
そして、遂にお出まし、クランゲ!
アニメ版でもはっきり覚えてる脳ミソみたいな黒幕キャラ。
あれ、こういう設定だったっけ?…以上に、そのビジュアル! “噛んだガム”とはタートルズ、上手い事を言う(笑)
アニメ版が好きだったら前作よりワクワクする事間違いないが、
お陰でシュレッダー、随分と脇に追いやられ、随分と素顔をさらし…。

ある紫の液体がミュータントを人間に変えられる性質を秘めているという。
人間になるかミュータントのままでいるかで、タートルズが二分化。
また、エイプリル以外の人間たちの前に姿を現し、バケモノ呼ばわりされる葛藤・苦悩。
それらを引っくるめてのラストの共闘は胸のすく展開。

とは言え、もっとドラマ的に深みを持たせる事が出来る筈なのに、お構いなしに忙しく進み、相変わらず話はあって無いようなもの。
実力派ローラ・リニーやホッケー・マスクの新参入を配しても、人間キャラは誰も印象に残らず。冒頭、ヘソ出しセーラー服コスプレでセクシーなサービス・シーンがあるミーガン・フォックスはよろしいが。
シュレッダーだけじゃなく、スプリンター先生の出番も減り、ラスト決戦も意外と呆気ない。

ツッコミ所はキリ無いが、そんなの持ち前のノリの良さで一蹴。
“カワバンガ!”と楽しまなきゃ損!

近大