劇場公開日 2016年5月27日

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「考えれば宗教的にアヴァンギャルドなすごい作品。」神様メール 好きこそモノのヘタレなれさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0考えれば宗教的にアヴァンギャルドなすごい作品。

2016年6月1日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

楽しい

知的

オサレムード満開で、実際オサレでエスプリが作品なんだけど、デートに使うのはたぶん厄介、という困った一本。

主演の女児もまあそれはかわいらしく。
映像も音楽もオサレ、エスプリ(って今使う人間がいるのか?)も効いた良品なのは間違いない。

ただ物語の背骨に、日本人の大半が認識していない宗教感である「神」があり。
物語の基本的なガイドラインが「聖書」という点を考慮できるかどうかが問題かと思う。
その「神」をどうしようもないゲス男として描いたのが痛快だったし、「水の上を歩ける?」などといった聖書アイテムで要所要所ツボを突く話運びが面白かった。
まぁその逆説的宗教要素の分、これ以上複雑にしないためにも物語がシンプルになるのはしょうがないことだと思うのだが。
それで「わからない、退屈」と卑下にされるか、分かった顔した「意識高い系」のファッションアイテムにされるかなのが本当にもったいないと思う。

本編自体は「シニカルでカラフルな絵本」のような映画なんだけれどもね。

「へ~」と素直に楽しむか、「そんな話が合ったよな」くらいの聖書知識があれば万全。
あるいは古くは「アメリ」、最近なら「リザとキツネと~」が好みならば観て損はない欧風キッチュな作品。

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