「終わりから始まる希望」ルーム オカマ声ちゃんさんの映画レビュー(感想・評価)
終わりから始まる希望
公開当時『埼玉少女誘拐事件』と時期が重なって考えさせられた映画。
普通の映画なら監禁に絞って、脱出したらハッピーエンドでエンドロールなのに、その後を描くとそれはもう見ていて苦しくなる。
母親の「同じ歳の少女はたくさんいるのになぜ私が?」と恨みたくないのに同級生を恨む心。
大事な娘が戻ったものの、その隣には憎い犯人の血を引く孫。
同情してる風で厭らしい質問をするマスコミには嘔吐が出た。
それでも無菌室の様な地獄から出た息子は、ドキドキしながら葉っぱは本当にあったんだと、TVと小窓で見ていた物を触れるのと一緒に世界も広がる。
歩幅も増えれば接する人も増える。
楽しいことも危険なことも増えるけど、それは部屋の中では経験できない大事なこと。
これからも親子、家族は好奇の目に晒されるだろう。
そんな中にも幸せはあると信じたい。
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