何者のレビュー・感想・評価
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これは映画なのか…?
大学三年になりたての頃に講堂に集められて見せられる「就活とは」的な動画があるとする。
自己PR、履歴書、OB訪問。。
そんな就活のイロハ的動画の裏の顔、就活の心持ちを映像にした、今までありそうで無かった作品。
心のタフさや意気込みを見ようとする企業側と、傷つきたくない大学生の普遍的かつ大多数の人が通る大人への道。
豪華過ぎるキャストも良いですね。
扱う題材は渋いですが人間模様が色濃く絡み合い結構好きです。
就活を通して描く若者達の心理バトル劇
原作は直木賞を受賞した朝井リョウの同名小説。予告編からは、就職活動を通した大学生の青春群像劇だと想像していた。しかし、実際には、過激な心理バトル劇だった。
大学時代を演劇に打ち込んで過ごしていた主人公である拓人(佐藤健)は、親友の光太郎(菅田将暉)と共に、就活を始めることになるが、そこに、主人公が思いを寄せていた瑞月(有村架純)とその同僚の理香(二階堂ふみ)、恋人の貴良(岡田将生)が加わり、5人は一致団結して就活を行うことになる。最初は、協力し合っていた5人だったが、就職試験の出来に差が出始め、次第に気持ちがすれ違い、ギクシャクした関係になっていく。そして、内定者が出るに至って、今まで抑えていた5人の妬み、嫉みが一気に暴発し、5人の関係は破たんしていく。
芸達者の若手俳優を揃えているので、5人の若者の人物像、価値観の違いは分り易い。さらに、5人の本音の言い合いは、聞いてはいけないものを聞いてしまったようで、ぞっとするような寒気を感じる。特に主人公の一切の虚飾を取り除いた心理描写は圧倒的であり、胸に突き刺さる。夏目漱石、太宰治などの私小説を読んだ時のような衝撃がある。
本作は、5人の男女を密室に閉じ込めて就職活動という心理ゲームを仕掛けたようなストーリーである。状況によって変化していく5人の心理の過程が、前半では、役者の何気ない台詞、表情でマイルドに描かれるが、後半では、5人の独白という形で生々しく一気に描かれる。
同じ戦いをしている同僚の勝利を素直に喜ぶのは難しい。負け続けている自分が自己否定されているような気持になり、勝者への鬱憤が抑えられなくなる。同じ目的を持って一致団結していたはずの5人の絆が、簡単に崩れていくところに、他者を理解し、認めることの難しさが浮き彫りになっている。
決して楽しい作品ではなかったが、ラストで、紆余曲折がありながらも、自分が何者であるかを認識し、再び就職活動に立ち向っていく主人公の姿が凛々しかった。主人公の再生を予感させるラストだった。
尻上がりすぎる映画
前半退屈すぎ。ラスト30分はめちゃくちゃよい。心に刺さってくる感じ。佐藤健と菅田将暉が本人すぎてあんまり。山田孝之はすごいよかった。
ストーリー 93点
配役 88点
音楽・映像 91点
全体 92点
57点
豪華俳優陣が出演している作品。
なんか日本の良くないグレーの部分を抽出したようなテーマで、ある意味胸グソ悪い作品でした。
佐藤健が松坂桃李の下位互換感がすごい、二次元枠も山崎賢人に取られたのでなんか微妙なポジションな気がする。
二階堂ふみはいい女優さんなので良かった、菅田と有村架純はまあ外れないよね程度。
面白かったかって言われたら、、、微妙。
自分をさらけ出せるか
就活と建前・本音がテーマ。
社会人の通過儀礼でもある就職活動を通じて、機敏な感情のブレが描かれている。
自分より先に友達が内定を取ったことへの焦りや妬みはリアルである。
特に、主人公は、冷静で分析家のキャラであるが、実際は演劇に対して強いあこがれを持っていた点は印象的だ。
演劇にはもう興味がないと、周りには公言しつつも、本当は演劇に興味があり、演劇で不器用ながらも生きていこうとしている友人を見下してしまう。
自分の本当の気持ちを出せないため、ギャップで人を裏で見下してしまうのだと思った。
つまり、自分の理想と現実が離れれば、人に攻撃的になりやすくなってしまう。
出来るだけ、自分の気持ちに正直でありたいし、つい人に攻撃的になってしまうときがあれば、自分自身に強いストレスがかかっていることを思い出したい。
レビューを書いている自分は、何者?と問われる作品
就活生達の「内定」や「1分で自分の事を話して下さい」という自己PRだけで自分の価値や存在を評価される矛盾さの中でもがく若者たちをベースに、人を勝手に評価し分かったような顔をする貴方は何者?と、それをステージから傍観する観客のように、冷静な眼差しで捉えた素晴らしい作品だと感じました。
SNSやTwitterのコメントばかりを気にして、それでその人の事を評価し勝手に決めつけて、どこか見下し嘲笑うかのような視点で見ている本人も、裏アカで自分の腹黒い部分を投稿している。それが友達にバレて初めて、自分の事を舞台で演じている演者のように、観客席から客観的に見れるようになっていく。
今はどんな事も呟きも、いとも容易くSNSなどで発信できるようになったネット社会。それに翻弄される若者達。空虚。浅い。
あなたは「何者」になりたいですか?
40点
映画評価:40点
めちゃくちゃ役者が豪華!!!
全員、今をときめく若手役者陣
佐藤健を筆頭に、菅田将暉、有村架純、二階堂ふみ、全員主役級です。
そんな彼らが演じるのは、
我々の様な普通の事で悩む一般の就活生。
SNSを中心とした
令和の就活。
本当の自分がSNS上にいるのか、
目の前にいるのか、
この時代だからこそ、
本当の自分が解らなくなる。
どれが本心で、どれが建前で、
なにが理想で、なにが偶像なのか、
御託を陰口の様に並べても、
どんなに議論を講じようとも、
案外、素直で無垢なやつが勝っていく。
そういう世の中。
本当の自分を探して、
自分が何者なのか追い求める。
誰もが味わったであろう、
あのほろ苦さ。
そんな地味な映画。
でも役者は華やか。
これぞ本音と建前の世界。
【2021.10.16】
この時代の若者の苦悩
私自身は、就職活動に苦労することなくすんなりと仕事が決まったので、現代に生きる若者が、大変な思いをしているんだろうと想像する。裏アカウントを作り、そこには自分が言えないことを書き込む、現代のストレス発散なのか、陰湿な感じは否めない。
肉体的に疲れている状態で観たので、ちょっと眠くなった。
昔『就職戦線異状なし』最近『何者』
映画館では2016年11月13日地元のイオンシネマで鑑賞
それ以来2度目の鑑賞
大学生の就活モノ
これもまた今どきの青春映画
90年代に織田裕二仙道敦子共演の映画『就職戦線異状なし』って作品があったがあれを思い出した
槇原敬之の代表曲『どんなときも』が主題歌だった
当時はSNSなんて無かった
原作既読
文壇の風雲児的存在かもしれないが朝井リョウはあまり好きじゃない
それでも年月が経てば『桐島、部活やめるってよ』は最近面白いと思えるようになったが『何者』はそうでもない
何故かはまらない
眠くはならないが何故か退屈だ
原作は直木賞受賞作品で三浦大輔監督
佐藤健有村架純二階堂ふみ菅田将暉岡田将生山田孝之というオールスターキャストにも関わらず
むかし三船敏郎石原裕次郎浅丘ルリ子勝新太郎中村錦之助という豪華な顔ぶれで『待ち伏せ』という凡作があったがあれはあれでそれなりに楽しめた
おじさんみたいなしょぼくれたヤボテンはターゲットじゃないのかもしれない
就活中の学生さん向きかな
二階堂ふみが1番良かった
リクルートスーツなんか着たことないし就活でこんな会話したことないなあ
意識高い系って奴
見栄張っちゃってさ
イソップ童話に出てきたカラス思い出した
でもあのカラスも嫌いじゃない
意識低い系よりマシ
1番の見せ場ともいえる後味が悪いドンデン返しも好みじゃないのは自分的には致命傷
どんでん返しの名作の数々と比べると弱い
しかしそれで終わることなくラストは綺麗にまとめた
人間の業というかエグいというか空々しい
佐藤健演じる主人公はシャーロック・ホームズばりの見事な観察眼
それを生かした仕事につけば良いだろう
あとキツイ顔した女がキツい事を言うより有村架純のような女がそれをやったら胸にグサッと刺さる
天使のような悪魔の笑顔
『三月のライオン』もそうだった
あと映画は好きだけど演劇ってちょっと苦手かな
閉鎖的な人に観てほしい
〖頭にある内は 傑作〗〖やりもしなのにーーーー〗などなど
自身だけで、考え・解を出し変な方向へ進んでるなと思った
よって この作品をみ
自身の考えを他人に相談(ぶつける)することの必要性を感じた
就活の思い出に共感所は多い
そう言えば就活って人間性が出た、というか、考えさせられる時間になってたなと思い出した。
今までの人生の肯定されてきたことや、経験が否定されるような時間を過ごした記憶があるので、上手くいかない組のたくと、りか、ようすけの方が自己投影して印象深く感じた。
たくとのような、全部わかってる感で結局自分のことがわかってないというのは、案外あるあるで、見終わったあと自分も就活時そうだったのかなと思い返さされた。
上手くいかない組は、相対的な評価に翻弄されカッコつけている状況のまま。本当の自分らしくない、薄っぺらい程度のことに終始してしまうのだろうし、これは就活に限らず全ての物事であるなと思った。
ラストへ向けての展開はエンタテイメントされていて、面白く印象深いできだったが、たくとが自分の劇を恋焦がれる瑞生に肯定されるシーンと、それによって劣等感から他人に対して斜に構える性格からの解放で素直に向き合う感じは唐突でついて行ききれなかった感じも。
どんでん返し?
どんでん返し的仕掛とテーマが一致しない。
感情移入を仕向けたはずの某キャラで客を肩すかしという驚愕の不誠実。
若者漂流たる就活は撮るべき切実な事柄だが、これを書き撮る作者の動機の弱さが見える。
非支持。
2度見推奨
2度見て色々みえてきた。
「10点でも20点でもいいから自分の中から出してみなよ!」
自分が何者になれるかすら掴めていない若者。自分につける得点は底抜けに高いが、社会からの評価は残酷なほど低いものだ。それをある程度悟りはじめているからこそ、目の当たりにするのが怖い。
Twitterという匿名の舞台で自らを発信し続けたタクトは烏丸が発信するカッコ悪い舞台と同じだった。
若者は気づいていないかもしれないが、100点に向かって努力する過程を大人はカッコ悪いとは思わない。それで生まれた結果が10点であったとしても、その姿勢を続けていさえすればいずれは何かを生み出すことを社会は知っている。
自分が何者になれるか。それを決定するのは果たして自分自身なのか社会なのか。自分が何者なのか。それを見ているのは自分自身なのか社会なのか。ネットで情報過多の今、若者は生きやすくなったのか生きにくくなったのか。
原作も読んでみたくなった。
自分は何者か
こういう類の話って、今を生きてる人には刺さるよね。
自分はどの立ち位置だろうみたいな。
今、彼らと同じ様に就活で苦しんでいる若者は余計に刺さるんではなかろうか。
この話は就活をテーマにしているけど、人生においても自分らしさってのは良くも悪くもあって、
自分のことを客観視できるようになるまでには
私も時間がかかったなぁと。
しかし、客観視するだけではどうにもならないことがあるから人は悩み苦しむんだけど…
どうしたって、自分が見てる景色を他人に見せることはできない筈だから、
誰かの景色を見たフリせず、
誰かが辛いと言ったら寄り添う気持ちを大切にしてほしいです。
原作ファンも満足
原作のイメージ通り、新進気鋭の人気俳優たちが演じていました。特に二階堂ふみの演技は抜群に良かったです。
学生が社会人になるために、自分とは何かを考える就職する人達の心の機微には、胸をえぐられました。
朝井リョウさんの作品は、恨み嫉みなどの忸怩たる思いがたっぷりつまっているので面白いですね。
全444件中、21~40件目を表示