「いいですね。」君の名は。 ……さんの映画レビュー(感想・評価)
いいですね。
今更レンタルで見たのですが大変良い映画でした。
新海監督の作品は「ほしのこえ」の頃から見ていましたが、いよいよ大衆映画(売れる映画)をつくれるまでになったのかと感心する次第です。
新たなヒットメーカーの誕生を喜びたいところですが、次作でこけるような予感がしてなりません(笑)それは陰ながら応援するとして。
監督の持ち味である風景描写はもちろんのこと、いつもの悲哀じみたラブストーリーに今回はちゃんと手を差し伸べてくれたのが後味を良いものにし、万人に許容できる切なさで終わってくれたのが素晴らしかったです。
これはこれまでの作風の一つの執着地点とも言えるのではないでしょうか。
物語も伏線やギミックが余すところなく活かされており、感心しました。
監督は「多くの人を感動させるよりも一人の人生を変えるほどの作品をつくりたい」と以前語っておられたのですが、この映画で結婚したくなったというカップルの声があるそうですので、満足の作品になったかと思います。
評価が満点でなかったのはギミックに違和感があったのと、上記では称賛しましたがラストの終わり方が好みではありませんでした(笑)
というのも主人公達がなぜ自分達が入れ変わった年号に気付いていなかったのかという疑問です。映画の1シーンでは教室に「2016年」と書かれたポスターも散見されますし、携帯で日記つけてたら何年何月なんて気付きそうなものでは?となったわけです。
小説ではこのあたりがすっきりなっているのかな?
野暮な見方かもしれませんが私は気になってしまいました。
あとラストについてですがあの後どうなったのかもう少し明示してくれた方が好みです。
あれはあれでタイトルと相まって美しいですし、監督の持ち味である「切なさ」を残すには正解なのかもしれませんが、「切なさ」を「物足りなさ」に感じてしまいましたね。
と言う訳で色々書きましたがなんすかね。恋したい(笑)
名作とされる作品でも説明不足やストーリーの矛盾が指摘されることはありますが、それらは普通に鑑賞している時は全く気にならず、それ以上に素晴らしい点が数多くあるために名作と言われるのです。
この作品のレビューを見ていると、「フィクションだから」「アニメだから」「SFだから」という理由で作品の瑕疵を擁護する方が目立ちますが、鑑賞の邪魔になるノイズになる点がこれほど多いのは、単に作品の質が低いということではないでしょうか?わたしは何かの伏線かと思って一生懸命見ていましたが、中途半端な説明で良しとする態度に腹立たしくなりました。
私も同じように感じました
新海監督の持ち味は残しつつ、爽やかな作品になってましたよね
でも、あの爽やかさはプロデューサーの鶴の一声らしいですよ(笑)
時間の違和感に関してはフィクションってことでいいのではないでしょうか
無理くり考えるならお互い夢中で一生懸命で気付かなかったとかではないでしょうか
それらを含めても一生懸命生きて精一杯人を愛したいと思える作品でしたよね!