グランドフィナーレのレビュー・感想・評価
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生きる上での遠近法
若い頃は遠くのものが近くに見える。
年老いてからは近くのものが遠くに見える。
遠近法を多用した画面構成と、作品のテーマの一つが合致していることが興味深かった。
若い頃わからないと思っていたものが実はわかっていて、年老いてわかったと思っていたものが実はさっぱりわかっていなかった。
実はそういうものなんだろうなサミュエル・ウルマンが「青春」で謳った若さ、Stay hungry.Stay foolish.って言ったイノベーションの寵児も、皆同じ気持ちだったのだろう。
何度も何度も観たくなる映画がまた一つ増えた。
それにしても、マラドーナをモデルにした彼のテニスボールリフティングはCGだろうか。マエストロの孤独と凄みを感じさせる印象的なシーンだった。
映像がきれい
映像がきれいだった。
オープニングで歌手が歌うシーンからきれいだったし、
真っ暗な中の建物の明かりとか、
暗さと光が非常にきれいだった。
もちろんアルプスの景色はよかった。
内容は良く分からない。
映像美にあれほどこだわっているのだから、
内容にも相当こだわっていると思われる。
最後に、なんとか監督に捧ぐ、
と記されていることもそれを裏付けている。
なので、エンタメは皆無、観客は無視、
監督の思いを詰め込んだ映画なんだろうな、と。
映画監督としては、最も撮りたい
良くも悪くも自己満足映画だと思う。
だって、「欲望」でしょ?
まあ、この映画をすばらしい、と言っておけば映画通っぽくなりますかね。
まだ若いからか。
2本立てで見てきました。
非常に優雅で綺麗な映画ですごく評価が高く、僕もとても楽しかったのです。
ただ、まだ若いからなのか、正直そこまで感動できなかったです。人が終わりを前にどう思うか、そこまで考えられませんでした。
また年齢を重ねれば見る景色が変わるのではないかと楽しみにしておきます。
考えるより、感じる映画
オープニング、
高級リゾートホテルの庭に設えられた舞台
下方からの光に不気味に照らされた歌手が、
廻りながら歌い続ける。
地下に眠る人々からの光のようにも思える。
引退した音楽家、彼の親友の映画監督、彼の秘書を務める娘、
彼らが泊まっているサナトリウム付きホテルで過ごす
何不自由なく退屈で活気を失ったセレブ達、
瞑想する僧侶、しなやかに舞うマッサージ師の少女、
彫刻のように美しいミスユニバースの肢体、
「曼陀羅」に嵌め込まれた,一幅の絵画のように、
ホテルに集う人々の「今」が、
これまでの苦悩や生き様を仄かに滲ませながら
描かれていく。
画面に度々現れる原題の「YOUTH」
肉体的「若さ」は、
皆一度は手にし、やがて失い
身体機能・容姿の衰えを感じる誰もが渇望し
失くしてしまえば再び手に入れる事は出来ない宝物
だが、心の「若さ」を保ち
自らの衝動「血気」好奇心を抑え込まなければ
たとえ肉体は老いても「青春」は生きている限り続く
この映画は、かけがえのない人々(そして監督自身)へのレクイエムであり、
生涯、心は現役であろうとする人への讃歌、応援歌であると受け取った。
シーズン最後に廻り舞台に登場したパントマイミスト
虹色に輝き、次の瞬間には消え去るシャボン玉
現れては一瞬で消える「あぶく」は、人生に例えられる。
様々なメタファーやオマージュが鏤められているようだが
残念ながら、その極一部しか私には分からない
分からないけれど面白い。
美しい映像と音楽、名優達の至芸に身をゆだね
豊かで素晴らしい、ひとときを楽しんだ。
映画の最後に、一瞬
パオロ・ソレンティーノ監督の微笑む姿が重なって見える気がした。
『僕らは欲望に生かされているんだ』
原題「YOUTH」について、見事な考察を見せた一本。
ホテルを舞台にしたあっさり目の群像劇。
美しい景色の中の、静謐な引き画の美しさ。
そこに監督のセンスが光るシュールなカットと、シーンを彩る音使いの妙。
なによりマイケル・ケインの魅力が加わるという、たまらない贅沢風味。
笑いあり、皮肉あり、老齢アルアルあり、そして裸あり。
一回りして「人間だってアニマル」というところに、決して騒々しくなく着地して見せたのがまた見事。
大人にこそ楽しんで欲しい、毛色の違う「島耕作」のような立ち居地の作品。
眠かった
映像美の映画だと思う。盛り上がりに欠けるので眠い人は行くべきではない。批判はあるが、邦題は悪くは無いと思う。「Youth」だったら、却って分かりづらいんじゃないかな。シンプルソングの良さも分からなかった。最後まで指揮を受けた理由が分からなかった。
「グランドフィナーレ」?、終活かと思ったわ。
やっぱりね、原題はイジっちゃいかんよ。「YOUTH」ってラストに映された大文字が、生きないもの。
「YOUTH」だからこそ、欲望と恐怖の感情の問いが生きるんじゃないかな。
だからこそ、老人やミスユニバースの裸体が意味のあるものになるのに。
てか、あの何人かの裸体がR15指定の理由なの?
何の説明もない街角の裸婦の銅像がよくて、映画を通して感じることができるそのままの裸体がダメっていう感覚がよくわからない。
こっちこそいいでしょ?
駅前の裸婦像こそ、布でも巻いておけ。
と、そんなとこを差し置いても、どうも他の方のレビューほど自分の中で感動がない。老いの進む恐怖より、今自分の中にある欲望を満たすことが、若さの秘訣、的なメッセージはわかるのだが。
・・・と思っていたところに、さっき、ようやくその訳に気が付いた。
だって、庶民は、あんな高級リゾートで何日も過ごせないもの。出てくる人は皆、セレブだもの。少なくとも、若い時からいい暮らししてきた人たちだもの。
映画の枠を超えた芸術体験!
予告を見てアーティスティックなイメージ優先の難しい作品なのかなって思っていたのですが…
俳優、ストーリー、美術、音楽、どれを取っても素晴らしく、個性ある登場人物達の人生感から一時も目が離せませんでした‼︎
スイスの大自然の中の高級リゾートホテルが舞台というのも優雅で見どころの一つ。
その美しい無二の世界にどっぷりと浸かる贅沢な体験は、まさに劇場で観るべき作品で、映画館に入ったつもりが最後はオペラハウスに居ました。
結構クスッと出来るところも、チャーミング♡
原題を変えるべきではない
映画自体は素晴らしいものだったが、「グランドフィナーレ」とう邦題をイメージして観たので、結末に違和感を感じた。
原題「youth」だと日本では受け入れられないと思ったのだろうか?
若さに惹かれるお爺さんをユーモアを織り交ぜて表現している。実際ユーモラスな挙動なのだろう。
映像は非常に美しい。音楽も素晴らしい。期待したイメージとの違いで呆気なさを感じてしまった。
最後のオペラは映像、曲ともに最高でした。
思ってたのと違ってました
不思議な映画です。
老いた人が、こんな風に人生を語るんだろうか。
不思議に見てました。 でも、人と関わって人間って変わるんだと思いました。
最後に肥った彼がマラドーナと気づくのに少し時間を要しました。(笑)
傑作の概念を遥かに越えた大傑作
これぞ映画。これぞ映像。5点満点とか、100点満点に収まらない2016年度の屈指の大傑作だと思う。
美しく、美しく、美しく、美しい。
そして、醜く、醜く、醜く、醜い。
映像が全てを表現することが出来ることを証明する、まさに「映画の勝利」を高々と謳い上げる。
ジェーン・フォンダが、ジェーン・フォンダとして出演していることに驚く。彼女はブレンダと言う役ではなく、まるでそこにジェーン・フォンダがいるように演じる。
マラドーナもスミ・ジョーも彼らのままだ。
映像と音楽と演技と役者と編集とキャメラの全てが噛み合った奇跡的な作品だ。
こういう映画を観ると、映画を見続けて来てよかったとつくづく思う。
そうとう控えめに言って、ヴィスコンティの「家族の肖像」や「イノセント」に匹敵する作品とだけ、最後に言っておこう。
希望
生きる事は希望を持つこと。
幾つになっても、立場がどうなっても、人間は希望があれば生きていける動物なのだ。
気持ちを内へ籠もらせてははいけない。
外へ外へと出て行こう!
スイスは美しい所だけど、あんな所に長く居ては飽きちゃうね(笑)
最後の演奏会のシーン、音楽が素晴らしくて泣かされました。
良い映画でした。
微妙。思ったのと、なんかちょっと違う。
年老いて引退していた作曲家で指揮者の老人が、親友とアルプスの高級リゾートで過ごしていた。そこへ、エリザベス女王の使者から「代表作を披露してほしい」と言う依頼がくるが・・・。
実はこのストーリーは、実際に起きた“著名なイタリア人指揮者が、女王からオーケストラの指揮を依頼されたが、レパートリーについて折り合いがつかずに断った”と言うエピソードにインスピレーションを得ているそうです。指揮者のレパートリーを調べずに依頼するというのもアレですが、女王の依頼を断るというのもアレですね(笑)。どちらも、なんとも・・・。まぁ、指揮者もプロだから断ったんでしょうね。
さて、こちらの作品の話ですが、予告編から予想される内容とはちょっと違いますね。もっとも、最後に依頼された曲を演奏するというのはその通りなんですが、そこに至る過程がね、予想とは異なりました。それと、ネタバレになってしまうので、あんまり書けませんが、フレッドの“シンプル・ソング”の指揮を拒む理由が、「この曲は妻のために書いたが、妻はもう歌うことが出来ない」と言う事なんですが、こう言われるとね、普通はね・・・と思うんですが、これには驚き。「えっ!こう来るの?」と言う感じです。
スイスのリゾートを舞台にした作品なので、色々と有名人に似た人が出てきます。マラドーナ(のそっくりさん)が居たり、あるいは、ポール・ダノの言う“ロボット映画”って、あの車がロボットに変形する映画のこと?だって、なんか見た目が、シャイア・ラブーフに似せてるんだもん。でも物語後段、ポール・ダノが演じているジミーの“役作り”の格好にはびっくりです。ヒトラー?一瞬、誰だかわかりませんでした。
正直って、なんだかちょっと釈然としないまま物語は終わってしまいました。何かもう少し、フレッドの心の動きとかがあるのかと思ったんですが・・・。それと、これだけ焦点になっていた“シンプル・ソング”もイマイチ・・・
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