「髪は死んだ。 何はともあれ、クイックシルバーの活躍には花丸あげちゃう💮」X-MEN:アポカリプス たなかなかなかさんの映画レビュー(感想・評価)
髪は死んだ。 何はともあれ、クイックシルバーの活躍には花丸あげちゃう💮
アメコミヒーロー映画『X-MEN』シリーズの第9作目にして、若きプロフェッサーXを中心とした新シリーズの第3作。
舞台は1983年。
長き眠りから目覚めた人類初のミュータント”アポカリプス”の脅威にX-メンが立ち向かう。
監督はブライアン・シンガー。
○キャスト
チャールズ・エグゼビア/プロフェッサーX…ジェームズ・マカヴォイ。
エリック・レーンシャー/マグニートー…マイケル・ファスベンダー。
レイヴン・ダークホルム/ミスティーク…ジェニファー・ローレンス。
ハンク・マッコイ/ビースト…ニコラス・ホルト。
モイラ・マクタガート…ローズ・バーン。
ピーター・マキシモフ/クイックシルバー…エヴァン・ピーターズ。
ローガン/ウェポンX…ヒュー・ジャックマン。
新たなキャストとして、人類初のミュータントであるエン・サバ・ヌール/アポカリプスを演じるのは『ドライブ』『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』の、名優オスカー・アイザック。
空を飛ぶ事が出来る有翼のミュータント、エンジェルを演じるのはベン・ハーディ。テレビや舞台で活躍していた彼は、本作で映画デビューを果たした。
製作総指揮はスタン・リー。今回は核ミサイルに怯える老人役でカメオ出演している。
シリーズ第8作『デッドプール』から僅か3ヶ月後に公開された本作。
今回のヴィランであるアポカリプスは、神にも等しい能力を身につけた間違いなく過去最強の敵。全世界を巻き込んだ超絶バトルが幕を開けます。
ド派手なVFXと超豪華キャストが集結した本作。当然製作費も高額で、1億7,800万ドルもの予算が掛けられています。なんとこれは『デッドプール』の3倍以上であり、いかに本作への期待が大きかったのかが見て取れます(というかデップーへの期待値が低すぎっ…)。
んで結果はというと…。『デッドプール』の興行収入を超えられませんでした😅
数字というのは正直。そりゃこんな出来の作品じゃ『デップー』は超えられんよ。
正直言って、今作はダメダメ〜❌マジでシリーズ最低の出来。
あまりにもドラマ性が薄っぺらすぎて、ド派手な映像が上滑りしている。
メインプロットはX-メンvsアポカリプス。シリーズ最強の敵にX-メンがどう立ち向かうのかが見どころとなっています。
…が、どう立ち向かうも何もほとんど無策で特攻を仕掛ける。いやいやちょっと待ってくれよ!?相手は神だぞ。徒手空拳で突っ込んでどうするんだよ!?
相変わらずプロフェッサーXはなんの役にも立たないし、これじゃ絶望的だよ〜…。
…と思いきや。これが勝っちゃうですよね〜。不思議なことに。
ジーン・グレイの能力が覚醒してフェニックス化。アポカリプスはなんかシワシワのホネホネになって死にました👼
…いやちょっと待ってくれよ!そんな「私の中にこんな秘められた力が…!」みたいなジャンプ漫画的展開、ハリウッド大作がやって良いのか!?というか、ジャンプ漫画でもこれよりもっと上手くやるぞ…。
同じような展開でも「ドラゴンボール」のセルvs悟飯の方が100倍ドラマ性があります💦
あまりにもいい加減な決着だが、なんかそうなるような予感はしていた。
だって90分くらいダラダラとどうでも良い展開が続き、全くX-メンとアポカリプスが邂逅しないんだもん。
「このままじゃ尺が無くなっちゃうけど、これ大丈夫なのか?」と思いながら鑑賞していたが、やっぱり大丈夫じゃなかった。
なんというか、本作ってテレビドラマっぽいんですよね。
プロフェッサーXとモイラの再会、マグニートーの平穏と絶望、若きサイクロップスとジーンの交流、クイックシルバーとマグニートーの秘められた血縁など、サブプロットが豊富に仕込まれている。
これが全12話くらいのテレビシリーズなら、全てのイベントを回収しつつアポカリプスとのバトルになだれ込めたのかもしれない。
しかし、2時間半の映画でこれは欲張りすぎ。いろんなことにちょこちょこと手を出した挙句、どれも上手くオチをつける事ができず、結果として全てが中途半端なままでフェードアウトしてしまった。
アポカリプスとの対決に焦点を絞り、勝利までのプロセスを丁寧に描写してくれていれば、評価は大きく変わっただろう。神との戦いという題材は良かっただけに、非常にガッカリしたし勿体無いと感じてしまった…。
そういえば、エンドクレジットを見るまで、アポカリプスを演じたのがオスカー・アイザックであることに気が付かなかった。よくこんなヘンテコリンなキャラクターを引き受けたな。オスカー・アイザックの無駄遣いも甚だしい💦
とまぁボロクソに書いてきたけど、実は良いところもありますこの映画。
一つ目、荒ぶるウルヴァリン。素っ裸で雪の中に消えていくシーンに爆笑!
二つ目、ハゲるプロフェッサーX。ジワジワハゲるんじゃなくて一気にハゲます。そのハゲ方に爆笑!!神は死んだし髪も死んだ!!
三つ目、エッチなコスチュームのサイロック💕アポカリプスはん、あんたええ趣味してまんな〜。四騎士のコスチュームはなんか80年代のヘビメタバンドっぽくて良いよね。
四つ目、アポカリプスの吹き替えを務めた松平健。「めっちゃ良い声の声優だな。あとで名前チェックしよ」と思っていたらまさかのマツケンでビビった。なぜマツケンが…?いやまあとにかくさすが上様、吹き替えも普通に上手いとは恐れ入った。ははぁ〜〜🙇
そして何より、今回も魅せてくれましたクイックシルバー✨ユーリズミックスの「スウィート・ドリームス」にのせて、八面六臂の大活躍!!
彼が活躍するこの3分間のシーンのためだけにこの映画があると言っても過言ではない。
アポカリプスに奇襲を仕掛けるシーンも良かったし、ほんと『X-MEN』シリーズのクイックシルバーは良いキャラしてる。彼の単独映画を作って欲しいくらいです😆
…まぁただこのシーン、大爆発を引き起こしたのはアポカリプスでも四騎士でもなくアレックスなんだよね。
たまたまクイックシルバーが来てくれたから良かったものの、もし彼が来てくれなかったらシリーズ一番の大罪人になってたよね。子供皆殺しはヤバい😥
このチョンボのせいで、彼が爆死したところで「まぁ自業自得やな」としか思えなかった。アレックス、お前が一番力の扱い方を学べ。
振り返ってみると、なんだかんだで結構楽しんだのかも。やっぱハイレグって最高だよねっ!!
…あっ!そういえばこれだけは言っておかないと!!
おいサイクロップス&ジーン!おれは三部作の中では『ジェダイの復讐』が一番好きだぞ!😡