劇場公開日 2016年6月25日

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「道なき道、反骨の。」日本で一番悪い奴ら yonda?さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0道なき道、反骨の。

2019年7月17日
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怖い

拳銃摘発が目的で、大量の覚醒剤密輸を北海道警察が計画・実行し、逮捕者が一人しかいなかった(他自殺1名)という本当にあった事件。銃器対策課は手段・善悪関係なくてチャカが大量に欲しいだけ。計画の段階での「シャブが出まわるのは関東なら、ま、いっか」のシーンは心底ゾワってなった。130キロ、末端価格40億...数字のことしか言わず他は知ったこっちゃない。
民間企業がより大きな利益を得る為に多少の支出は仕方ないかなみたいな感じで承認を得て密輸を実行する。
正義の味方であると同時に犯罪を知り尽くしていて悪人を操つり放題だし、どのシステムにもアクセス可能な何でもありの金稼ぎ最強集団。その活動費がどこから出ているかというと税金。
上からの命令は絶対服従なのだが、密輸を目の当たりにして流石にビビる新米刑事に「お前何の為にデカになったんだよ?」というシーンがさり気ないけど凄い良かった。遊牧民・屯田兵とか色々細かく入れてるし、すすきののユキを真剣に救おうとしたのも因果とか深い。
モロボシがチャカの仕入れに奮闘して、人格崩壊した流れだったのにラスト自分のことを差し置いて山辺太郎のこと気遣ったところに救いがあって良かった。言い直して家族同然といったのもちょっと泣けたし、何の為にデカになった?と共に凄く残った。

囮捜査など名前のある活動は氷山の一角で、上からの命令であればたとえどんな悪への導きになろうともやるプロ。何でもやる組織である。
国家権力による重大犯罪を映し出した気骨ある作品。尊い。

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