劇場公開日 2016年2月27日

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「切れ味抜群!沸点超えの会話劇!」ヘイトフル・エイト showさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0切れ味抜群!沸点超えの会話劇!

2016年3月7日
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鑑賞方法:映画館

高校時代よりこよなく愛しつづける、クエンティン・タランティーノ監督第8作目を六本木ヒルズで鑑賞。

10:15上映回だったのでガラガラかと思いきや、50代以降の映画好きと思われるお一人様たちでいっぱい!
ご夫婦は2組、女性客は2人くらい、カップルは皆無と、タランティーノ層がはっきりわかる客足でした。

本作は、タラちゃん初の密室劇と紹介されてますが、「レザボア・ドッグス」の頃から密室劇の傾向は強く、
ある特定された場所で繰り広げる会話劇がとても上手な監督です。

中でも「イングロリアス・バスターズ」のオープニングの一軒家でのシークエンスは、全て満点の出来で、タランティーノの真骨頂といえる最高のシーンでした。

本作は、「そんな密室シークエンスが168分間観続けられるなんて、こんな大好物な映画はない!」と思って、期待値MAXの状態での鑑賞。

冒頭、そんな期待をよそに、雪山でのロケーションが続いて、「密室劇じゃねーのかよ!」と正直裏切られた気分。
…と思いきや、馬車内での会話劇が大部分で、それはそれで良くできている!
70ミリカメラで撮った映像も、デジタルにはない歪み感があってとっても素敵!
導入部分としてこの雪山シークエンスは、今後の展開をより一層期待させられる出来でした。

第2章目以降、ついにミニーの紳士服店に辿り着いてからは、ヨダレものの密室シークエンスのオンパレード!!!

人間関係や思惑が話す内容以外に、所作やカメラアングル・編集でも見え隠れする独特の演出!
くすり笑いと爆笑がごちゃまぜになった会話の妙!
躊躇のないドッパドバの血の嵐!
そして、ラストの切れ味の良さ!

どっぷりタラちゃんの世界に浸かってしまい、のぼせそうな程です。

正直、いまの映画のテンポに慣れている人には、ちょっと間延びして感じるかもしれません。
逆に演劇などの会話劇を観慣れてる人には、その濃厚な時間を楽しめるかと思います。

R18だし、アクションもラブロマンスもないし、ドバドバだし、売れっ子若手スターも出てないし、客を選ぶ映画かもしれませんが、
タランティーノの映画をリアルタイムで鑑賞できるってだけで幸せな世代に生きているんですから、
観に行かないって選択はないと思います!

show