ぼくのおじさんのレビュー・感想・評価
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素朴なやりとりが心温まる。ほんわかドタバタコメディ!!
【賛否両論チェック】
賛:どこか憎めないキャラクターのおじさんが繰り広げる何気ない日常が、不思議と笑えて心温まる。恋をした相手のために奮闘する様子には、えも言われぬカッコよさもあり(笑)。
否:やや小説チックな言い回しが多いのが、気になるところ。特段大事件が起こる訳でもないので、興味がないと眠くなるかも。
何をやってもダメダメなのに、口だけは達者。でもどこか憎めない愛されキャラの“おじさん”と、しっかり者の小学生・雪男が織り成すやりとりが、どこか滑稽で笑ってしまいます。取り立てて事件が起こる訳でもないのに、観ていて心温まるのは、2人のキャラクターだからこそ、なせる技です。
そんなおじさんが、一目惚れした相手のために見せる大健闘は、何故かちょっとカッコよさがあるから不思議です。ラストのシーンとか、ステキです(笑)。
やや独特のセリフ回しが気にはなるかもですが、笑ってほっこり出来るコメディです。
つまらなくて寝てしまった、わぉ。
良かったじわっと来た
う〜ん、残念。
のんびりしながら見ました
真理を追究するひとが嘘をついてはいけない
「ぼくの伯父さん」といえばジャック・タチだが、こちらは「叔父さん」。
お父さんの弟さん。
日本映画で「おじさん」といえば、山田洋次監督『男はつらいよ』シリーズの寅さん。
妹・さくらの息子・満男からみれば、叔父さんだ。
たぶん、この映画、寅さんの線を狙っている(はず)。
小学生のユキオくん(大西利空)は、周りにいる大人について作文を書く宿題が出された。
父母についてはピンとこず、妹にいたっては論外。
グータラでだらしない、哲学者で居候のおじさん(松田龍平)について書くことにした・・・
といったところから始まる物語は、子どもの目を通して観た「大人の世界の映画」かと思いきや、そこまで深くない。
単に、「ヘンな」おじさんの観察日記。
その「ヘン」さで前半は映画は保っているが、おじさんの恋愛騒動になる後半は、もう、ダメダメだめだめ、と駄目の連発。
とにかく、おじさんに対して途中から好感を抱かなくなってしまう。
きっかけは、ひと目惚れした女性(真木よう子)に「ホノルル大学から招聘されている」云々の「嘘」を言ってから。
哲学者=「真理を追究するひと」。
そんなひとが、世間の常識からずれているところから生じる面白さ可笑しさであるべきところが、「嘘」を言ってしまっては救いがたい。
なので、後半、ハワイへ行ってからのバカばなしも、結局は「世間から浮いた、いい歳した大人」の「身勝手な」行動にしか見えない。
「世間から浮いた、いい歳した大人」が、そのひとの価値観で行動するところから笑いを起こさなければならないのに。
この後半は原作にないオリジナルらしいので、映画としてのキャラクター設定が破綻しているとしかいえない。
山下監督、『オーバー・フェンス』もガッカリしたが、この作品でもガッカリしたよ。
続編を作る気満々のエンディングだけれど、まずは、嘘をついたことを反省するおじさんを描かないと、どうしようもないのではありますまいか。
私には合わず、残念。
まったりですが・・・・
おじさん意外とモテるな
おじさん、生活能力ゼロで口先ばっかなんだけど、あんまり鬱屈してないんだよね。だからか、困ったことに(?) 愛嬌があってかわいい。ダメ人間には間違いないが、自分をダメだと思っていなそうなのが良い!
彼は優しいところもあるし愛されるタイプですな。やはり、ダメを生きるには腐らず卑屈にならないことが大事ですねぇ。
エリーさんの物語については、母と子の物語をもう少し深めてほしいな、とも思いましたが、軽い映画なのであれくらいがいい塩梅なのかも、との結論です。
ひっきりなしに流れるおじさんサンデーのメロディーは素敵だし、雪男くんをはじめ子役たちもいい感じだし、笑いっぱなしの楽しい映画でした。
しかし、憎みきれないロクデナシを演じることにかけては、松田龍平の右に出る者はいませんね。
平成版寅さん の印象です
2代目寅さんは彼で観たい
兄夫婦の家に長らく居候中で、哲学部の非常勤講師として週1に大学へ出向く以外は万年床でゴロゴロ過ごすダメな叔父の生活を、小5の甥が宿題の観察日記目線で綴る喜劇。
生半可なインテリゆえに、汗水垂らして日々の糧を得る様な労働意欲が1ミクロンも無い不精者を演じたのは、邦画界の真打・松田龍平。
『舟を編む』の真面目な編集者が印象深いけど、『まほろ駅前』&『探偵はBAR』両シリーズを愛する映キチとしては、やっぱり松田龍平はロクデナシ役が銀幕に見事に映える。
お土産やとムカデの玩具を渡して義姉(寺島しのぶ)の怒りを買ったり、コロッケカレーを奢ると意気揚々と二人で店に行くも無惨に撃沈するetc. etc.
十八番の芸と化したグ~タラぶりに、今作で最年少の相方を務めた甥が、嫌々ツッコミを入れていくコンビ芸はホノボノとテンポ良く進む。
多感でマセた子供と何を考えてんだか解らない大人との微笑ましい距離感やけど、何処かミステリアスな駆け引きに、今は亡き先代の名作『家族ゲーム』を思い出し、感慨深かった。
此の奇妙な関係性は、お見合いで一目惚れしたマドンナ・真木よう子を追い掛け、彼女の故郷・ハワイへコンビで上陸する展開となり、他愛ないお茶の間コントから淡い恋愛ドラマへと趣が様変わりして、最後まで飽きない。
勘違いから生じたマドンナとのラブロマンス、恋敵・戸次重幸との意地の張り合い、そして、切ないけど解りきった定番のオチに至るまでのオッサンの浮わついた行動パターンを、子供が冷めた眼で呆れながら見届けていく世界観は、いつの間にか寅さん&満男のキャッチボールを彷彿とさせ、妙に懐かしさを覚えた。
旅先で明らかに不利やのに、強がってみせる男の性に、笑いよりも先ず哀愁を誘うキャラクターは、車寅次郎その者と云えよう。
よって、『男はつらいよ』が復活したら、2代目寅さんを松田龍平が襲名したら、さぞかしオモロいやろなと空想しつつも、彼にテキ屋は似合うかなと呟き、劇場を後にした。
そんな、けっこう毛だらけな秋の昼下りに、短歌を一首
『ゴロゴロと 旅路綴りて 咲くオハナ 恋は哲学 ハワイへつづく』
by全竜
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