恋妻家宮本のレビュー・感想・評価
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ちゃんと笑えてちゃんと感動した
アマプラで鑑賞したが、
予告でモントリオールの老夫婦が劇場で
にこにこしながら見ていた。
この映画はそういう映画なのだ。
(褒めてます)
自宅でPCの小さい画面で
なんとなく見始めたが、
映画的違和感が満載。
カメラ目線や無駄なカメラワーク、
「はい、ココ笑うところですよ」
というあざとい演出。
どうも私がしっている”映画サイズの演出”
ではない。
しかしどうだ。
コメディ部分はちゃんと面白いし、
人と人との愛情もちゃんと伝わり感動する。
ラストの”カメラ目線歌リレー”という
昭和の演出もじんわり胸をあたたかくさせてくれる。
そうか。
この映画には誰一人として悪い人がいないのだ。
(不倫相手とか別れた婚約者は画面には出てこない)
だからこそ、
演出がどうのとか、カメラワークがどうのとか、
めんどくさいこと言ってないで
PCの小さい画面じゃなく、街の大きな映画館で
夫婦そろって楽しめばいいのよ。
モントリオールの老夫婦のようにね。
何回見ても感動する
豊嶋花がかわいい
今日まで~明日からも…生きていくだろうと
鑑賞後、ちょっと自分を好きになれそうな気がしました。拍手をしたくなりそうな気がしました。
でも、しない(笑)。自分を好きになりそうな気がするっていうのも、すぐに風に飛ばされていきそうです(笑)。
それまではいろいろなことがあって、これからもいろいろなことがあるんだろうけれど、きっとこうして生きていくんだろうというちょっとした勇気を、勇気って言うほど大袈裟ではないけれど、そんなちょっと口角が上がってしまうような気持ちを頂きました。
「力を借りて、しがみついて、嘲笑って、怯えて、裏切られて、手をとりあって」という、拓郎さんの歌詞そのままあてはまるようなエピソードが詰め込まれています。
原作『ファミレス』。原作未読。
ファミレスって、以前は唯一乳幼児も連れて入れる、様々な人が様々な使い方ができるダイナーでしたね。そして、普段着で入れるし、お茶の間のごとく、様々な人生の場面に使われました。
エンディングで、登場人物がその役柄にあったファミレスの利用の仕方をしていて、歌詞をつないでいく。ここだけでも見ものですが、その前の物語をみていないと、阿部さんが、天海さんが、冨司さんが、奥貫さんが、相武さんが、菅野さんが、この歌のあの部分を歌うことの絶妙さがわからないから、本編も合わせてご覧ください。
話は等身大の人々の話です。だから、感情移入しやすいし、身につまされます。不倫までもが映画や小説の中、特別な事情だけの出来事ではなくなったのが悲しいですが。
当事者にとったら笑いごとではないのだけれど、その役を役者がきっちり演じてくれるだけに、ユーモラスです。
笑いも、軽い(笑)、シニカルな(笑)。吹き出しそうな(笑)。自分を振り返って困った(笑)、演出がはずれての失笑。様々な笑いが散りばめられています。
そして涙も…。
演出は、ベタ。
シーンごとにみると、余韻のある素敵な場面もある半面、
狙いはわかるんだけどもたついている場面、
ドンにそういう表現をさせるのは臭すぎる、せっかく繊細な表現ができる役者さんなのに持ち味殺しているよという場面もあり、一定していません。
特に、えみちゃんをもっと動かしてもいいと思うんだけどなあ。勿体ない。
エンディングも、歌を出演者でつないでいくところはとっても良かったと思うのですが、集まっての大合唱はいらなかったと思います。カーテンコールのつもり?座ったままでの大合唱の方がふだん使いのファミレス、日常の中に溶け込んでいると思うのですが?
と、突っ込みどころも満載。でも、さすがうまい役者を揃えていて、阿部さんの演技・天海さんの演技・菅野さんの演技・冨司さんの演技だけで笑えます。
主人公宮本。
心では一杯感じて考えるんだけど、それがぐるぐる回って、行動できないで、実際に言葉に、行動に出てくるのは、思っていたことと若干ずれている男。
だからかなあ、妻や習い事仲間・生徒とのやりとりでも「そうじゃなくって!!!」と膝を叩きたくなる場面満載。
そういう場面が続くと普通はイライラするのに、なぜか阿部氏演じる宮本を見ていると、苦笑しながらも赦してしまうから不思議。
天海さんも絶品。このあまり動きのない、ラストまで真意のわからぬ妻が見事。
予告にもあるフェイスマスクは本当に(笑)だけでなく能面のようで効いています。駅での語りはつい動きながら語ってしまって、ここだけ、おう!舞台女優!!!になっていました(笑)。私には違和感なのだけれど、ギャグのつもり?
冨司さんはいつもの安定感。この方が入ると映画に品が出るし、しまります。エンディングの歌、一番うまかったです。
そして、菅野さんてこんなに綺麗でしたっけ?綺麗なのは知っているけど、私鑑賞史上最高に美しい。役もばっちりハマっていました。
相武さんも失礼ながら、こんなに演技うまかったっけ?頂いたフライヤ―に載っている表情だけでも、息を飲みます。
この他の方々は、「頑張れ」ハンコをあげたくなるけど、映画を楽しむ分には遜色なしです(笑)。(何様や?)
人生後悔したくないと、ベストな正解を求めてしまいがちだし、学校でも「ベストを尽くせ」と教わります。その為に努力しなければと。でも、なかなか、何が正解なのかわからずに、迷う日々。自分で決めているようで、流されていて、でもやっぱり自分で選択している(選ばないという選択方法もあり)。多くの人たちは今日までそう生きてみています。
で、失敗を重ねても、時に逃げ出しても、本当に自分が大切なことに半歩踏み出して、周りが変わっても変わらなくても、私も変わったようで変わらないで、でも変わって、明日もこうして生きていくんだろうな、それでいいんだよ、と思わせてくれました。
まずまずのコメディ。途中までは面白さも中途半端で冒頭の柳ゆり菜のウ...
優しくなければ生きている資格がない
主役の阿部寛好きのカミさんの要望で鑑賞したが、コミカル仕立てで面白いだけではなかった。説経臭くなることなく、夫婦関係の在り方を問い掛ける、なかなかの作品だった。
本作はフィクションではあるが、熟年夫婦関係を詳細に観察して作られている。もう子供は独立したのだから、お父さん、お母さんという呼び方はおかしいから、名前で呼び合いましょうという妻(天海祐希)の提案、等々。思わず、そういえば私達も同じようなことが・・・と隣席のカミさんと顔を見合わせて苦笑いをする場面が何度かあった。主人公達夫婦がリアルに感じられ素直に感情移入できたが、プライバシーを覗き見られているような気恥ずかしさもあった。
本作は、お互いの気持ちが離れかけた熟年夫婦の再生物語である。冴えない中学校の国語教師である主人公・宮本陽平(阿部寛)は、一人息子の結婚を機に、妻・美代子(天海祐希)と二人暮らしを始める。ふとした切欠で、妻の書いた離婚届けを見つけた主人公は妻の真意を探ろうとするが判らず混乱していく。そんな主人公が、始めたばかりの料理学校の面々(菅野美紀、相武紗季)、中学校での生徒達との交流を通して、妻と真摯に向き合う大切さに気付き、妻との相互理解、相互信頼を取り戻していくまでがコミカルに描かれている。
冒頭のファミレスシーンが斬新で一気に作品に引き込まれる。主人公の半生がファミレスを巧みに使って綴られていく。ファミレスのメニューが多過ぎて注文がなかなかできない主人公の子供の頃からの優柔不断振り、何事も即断即決する妻・美代子(天海祐希)との出会いから結婚、長男の誕生に至るまでが面白可笑しく描かれている。
家庭に事情があり自虐的になった男子生徒を立ち直らせる過程で、主人公の優柔不断さの理由が解き明かされていく。正義を振り翳す厳格な男子生徒の祖母に対して、優しさ論で応酬する主人公が格好良かった。主人公の優柔不断さは、常に他者のことを想い、どんな事にも真摯に向き合っている結果である。優しくなければ生きている資格がない、という諺を体現していると得心した。
ラストもまたファミレスを巧みに使っている。吉田拓郎のヒット曲に乗せたミュージカル仕立てで洒落ている。フィナーレという言葉が相応しい。主要出演者たちが登場する大団円は舞台劇を観ているようだった。名作『蒲田行進曲』のラストを思い出した。
ハッピーエンドのお手本のようなラストであり、観終わって心が温まる作品である。
夫婦二人きりの世界
阿部寛扮する中学校教師宮本陽平は、子供の頃からメニューに迷いファミリーレストランが苦手だ。
天海祐希扮する妻の美代子とは大学院の時にできちゃった婚で心の準備もなかった。息子は結婚したいと言う女性を連れてあっけなく去って行ったので、50歳で夫婦二人きりになった。
自分としても息子たちが遊びに行って妻から夕食ふたりだよと言われてドキッとした覚えがある。意外に微妙なんだよね。今まで子供の話さえしていれば良かったのにいきなり二人きりで何を話すのかとおののいたのだった。
美代子は、これからはお父さんお母さんじゃなくて名前で呼び合おうと言ったが陽平は本の中から離婚届を見つけてしまった。子供が成長して夫婦二人きりの世界はまた違う展開が待っているんだよね。しみじみほのぼのタッチでなかなか考えさせられたよ。やっぱりよりどころの家庭は幸せじゃないとね。
いい役者さんと原作、そしていい脚本と監督が揃ったいい作品
先週5ヶ月遅れで阿部寛X重松清 作品『とんび』を観ることができたので「感動を再び」じゃないですが5年遅れくらいで劇場で観たかったのにタイミングが合わず観落としていたこの作品を観てみました。
やっぱりいいですね!重松清さん原作に阿部寛さん&天海祐希さん、はずすわけないですよね。子供が巣立ったあとの熟年夫婦のやりとり、明日は我が身?!と身につまされるものがありました。
『とんび』でもそうでしたが今作での違った意味での男としての不器用さ、右に出るものはいないんじゃないかと思います。高倉健さん以外!
ドン役の子役さん、とてもいい味出してましたよね。同級生の女の子も。
この子たちの前で姑さんに言い放った言葉
「正しいことと正しいこととがぶつかり合うと戦争になるけど、優しさと優しさがぶつかってもそうならない」みたいなこと。5年後の今観てみると本当に重い言葉として胸に突き刺さります。
重松清さんの原作は文庫で買って読みましたが映画化され、より深いメッセージを我々に伝えてくれています。色々なシーンで涙してしまいました。高評価と低評価がそれぞれたくさんレビューされていますが、
私にはとても素敵な映画だと思えました。
主役のおふたりがメインで進む物語ですがさすがいい役者さんと原作、そしていい脚本と監督が揃ったいい作品だと私は思いました。お
別方向のドライブ・マイ・カー
夫婦で見ました
妻が離れていく中年男性が、メタファーに(ここでは生徒)より核心に触れていく構図で、最終的には夫婦でハッピーエンドでしたが、ある意味でドライブ・マイ・カーと大筋は似ているのかなと思いました。
こちらは完全にコメディタッチで月9ドラマを見せられている感じを受けましたね。
ただし単なるコメディではなく、端々に魅せる画角の上手さや、回想シーンに新幹線から見た夜景を重ねたシーンなど、監督の技量は凄いと思いました。映画らしさのお手本のようだなと思いました。
エンドロールも印象的でしたね。この曲は本当に素敵です。欲を言えばワンカットで行って欲しかったです。
ただ全体的に85点な映画でした。
主人公夫婦と、生徒の家庭問題が半々で同時進行で進みましたが、どちらかに思い切り振っても良かったかもしれません。
特に私の妻は、生徒側の話しを深くやって欲しかったようです。私もそう思いました。
あるいは料理関係を一切カットしても良かったかもしれません。
演技は、阿部寛スゴしです。少し禿げ始めた国語の先生として見えるから不思議です。モデル出身でしたよね。。。
二人暮らしに戻った夫婦
阿部寛と天海祐希
デキ婚、いいじゃないか、ご縁と思えば。「偽善」と「優しさ」の違い。
遊川脚本のドラマ、大好きです。深いテーマを深刻じゃなく、面白く。いつも凄いなあと見ていました。
上っ面のドラマでなく人間の芯をテーマに据える。映画はどうなのか、期待しながら観ました。
有り体で言えば「デキ婚」で結婚した熟年夫婦27年目の危機。子が独立した後の「空の巣」での距離感。
二人は凄く気が合うとか、大恋愛の末「愛してます!」と結婚したわけではない。
男は、やっぱり責任上というか。
女も、堕ろさなきゃだろうなと思いつつ、結婚してもらえることになり、ホッとした。正直就職も不安だったから(その後専業主婦に)。だからお互い何となく、相手にも自分にも少し腰の引けた感じはある。だから気を遣う。踏み込まない。相手を醒めた目で見つつ、人として優しくあることは自分に課してきた。
あえて描かれることが少ないテーマですが、誰しも身近な、それでいて向き合えない暗部というか、身につまされる、曖昧なまま触れたくないところを、そっと開いてそっと閉じるような作品。
ここを捉えるなんて、さすが。
ただ。
あれ〜?なぜ映画にみえないの?
絵が、映画じゃなくテレビドラマなのか?
映画にこんなこと感じたのは初めてです。
でもじゃあ映画とテレビドラマの違いって、何?
カット割り?編集のせい?
遊川さんの脚本大好きなのですが、今回初めて、映像と編集の大事さに気付かされました。
何というか、拡がりがないのです。
映画とテレビドラマって、撮り方が違うの?と初めて素人ながら疑問に思い、調べたら(『教えて!goo』の「邦画のカメラワークがつまらないのは何故?」(2012/05/09)という質問へのベストアンサー、isoiso0423さんの回答をぜひ)
そうか、カメラもたくさん必要になるし、となると予算もいるのか。
でも、必ずしもお金じゃない。
カットが多ければいいわけじゃないし、
セリフや演技次第でもない。
俳優さんの力量だけで、全てテーマを語ろうとすると、
こぢんまり感が出てしまう。
「間」。
マ、もいるのではないか。
心情を代弁する間。なにも語らない間。
言葉はいらない。
そのために映像がある。
テレビドラマは「ながら」で見るので、無声の映像だけを延々とは流せない。でも映画なら。
そうするのが必要なら、映像だけでいい。
必要とされる生きがい、を妻にセリフで説明的に語らせるより、福島の風景や光、海風、地元の人やボランティアや、瞬間の表情とかがあれば...
教師宮本と生徒、その家族の関わりも。
おどける少年は正し過ぎる祖母に対し、偽悪的にピエロ役を演じながら、必死で母を援護し家族の崩壊を食い止めんとしています。
言葉じゃなく。何か別の映像で。
それこそ、正しさでなく、何かが伝わったかも。
語り尽くさない。余韻。残響。
今回はわたし自身が、自分が映画の何に魅かれていたのか、何を映画らしさと思っているのか、思いがけず知ることができました。
でも遊川さんにはまた頑張ってほしい!次回作品、引き続き応援したいと思います。
離婚届は保険です
阿部寛の独白スタイルがピタッとハマった
主演お二人がお似合いだ
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