「天才作家と敏腕編集者」ベストセラー 編集者パーキンズに捧ぐ 勝手な評論家さんの映画レビュー(感想・評価)
天才作家と敏腕編集者
実在の作家トーマス・ウルフと実在の編集者マックス・パーキンズの友情を描いた作品。
作家は名前が出ますが、編集者は名前がでません。でも、作家の名作の裏には、名編集者ありということが良く分かる作品ですが、これ、邦題だと『ベストセラー 編集者パーキンズに捧ぐ』となっていて、マックス・パーキンズを描いた作品のように思えますが、実際には原題の『Genius』の通り、トーマス・ウルフを描いた作品だと思います。完全に、邦題あるあるです。
と言う事で、やっぱりウルフは(原題の通り)天才だったんだと思います。天才であるがゆえに周囲に理解されない。ちょっと判ってくれる人(マックスやアリーン)が出たと思ったら、執着してしまう。それと、才能に恵まれているのに、若くして亡くなってしまう。ウルフに、もう少し常識があって、もう少し社会性があって、もう少し社交性があったのであれば、もっともっと成功していたのでは無いかと思いました。でも、ウルフの亡くなった理由が脳腫瘍と言うことでしたので、彼の衝動的な行動の遠因は、脳腫瘍にあったのかもしれませんね。
加えて言うと、恋人のアリーン・バーンスタインもウルフには合わなかったんじゃないかなぁ。18歳も年上であったということだそうですが、彼女の衝動的な性格は、ウルフに良い影響を与えたとは思えません。もしかしたら、彼女も天才で、天才と天才で惹かれ合ったのかもしれませんが、CHEMISTRYは上手く行かなかった様に見えました。
対する“大人の”マックス・パーキンズ。彼を演じたのはコリン・ファースですが、大人の紳士を非常に上手く演じていますね。抑えた演技は、非常に良かったです。彼で、この作品は締まりましたね。
F・スコット・フィッツジェラルドや、アーネスト・ヘミングウェイなど、後世に名を残している名作家も出ています。このパーキンズと言う編集者は、超一流だったんですね。