「女性は当事者として見て欲しい」未来を花束にして ミーノさんの映画レビュー(感想・評価)
女性は当事者として見て欲しい
ニュース映像などで差別されて暴力に訴える人達を見て「でも暴力は、アカンよね~」と思ったことは誰にでもあるのではないかな。しかしこの映画を見て、「暴力はいけない」と言うのは差別が当事者問題として捉えられていないからではないかと思った。自分達だって被差別側だった可能性は、あるのだ。
この映画は、約100年前の労働者階級の女性が主人公。当時の女性にとって女性差別は解決の糸口が見つけられない当事者問題である。女性はあまり暴力的でないと思われているけど、デモ、暴力、破壊等を起こして、映画の原題でもある「サフラジェット」という女性参政権運動の団体を描いている。この団体の存在や活動も、少なくとも日本では知られていないのではないかと思う。映画って、ありがたい。
同時に、キャリー・マリガン演じる主人公が、差別されて底辺の生活で散々苦労しているくせに最初はそれこそ「暴力はいけないわ」とサフラジェットに批判的だったのが、徐々に意志を持ち始めて行動していく様子を描いていて、すっぴんメイクがほんとにきれい。
全く宣伝していないのが信じられない。
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