「奇人・変人揃いの刑事たちが美少女に翻弄されつつ暴くエスタブリッシュメントの犯罪」特捜部Q キジ殺し 徒然草枕さんの映画レビュー(感想・評価)
奇人・変人揃いの刑事たちが美少女に翻弄されつつ暴くエスタブリッシュメントの犯罪
推理モノのシリーズはあまり見ないのだが、この特捜部Qは別物だ。確かに面白い。
その面白さとは、まずは特捜部メンバーのカール、ローセの奇人・変人ぶりと、アサドがその調整役となって苦労する姿が絶妙に嚙み合って、安定したいい雰囲気を醸し出していることから生まれている。
次に、犯罪・推理モノにありがちな非現実的な犯罪動機や異常な人間関係や環境設定が、このシリーズでは控えめで、動機に納得できるものが多く、犯人らに共感しやすい。なおかつ社会背景もきちんと描かれている。
第三に、主役級に必ず北欧の美少女が登場し、男性観客の目を引き付けるw 透き通るように肌の白い、絵の中から抜け出してきたような少女たちが、日常でふと見せる肉感的なシーンは魅力的だ。
以上のような要素が作品の基盤となっているから、ストーリーの内容にかかわらず面白いのだが、中でもキジ殺しは得意の絶頂の学園生活から転落した美少女が、社会の底辺で苦しみつつ、最後には内に秘めた愛憎の塊を曝け出し、実現する点でドラマティックな佳作となっている。
ただ、シリーズの売り物である主役カールの奇人・変人ぶりがもうちょっと甚だしく、警察内の軋轢がもっと激しければ、さらに面白いのになと残念に思う。
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