劇場公開日 2016年1月23日

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「喜活劇・西班牙式親子鷹諜報員の面白さ」SPY TIME スパイ・タイム りゃんひささんの映画レビュー(感想・評価)

3.5喜活劇・西班牙式親子鷹諜報員の面白さ

2016年1月23日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

笑える

ベテラン・スパイのアナクレト(イマノル・アリアス)は、永年の敵バスケス(カルロス・アレセス)を砂漠の刑務所から都市部の刑務所への移送中に逃してしまう。
逃亡したバスケスはアナクレトのみならず、彼の息子アドルフォ(キム・グティエレス)ともども抹殺してやると付け狙うのであった・・・というハナシで、息子が自動車免許もなく、争いごとといえば真っ先に逃げ出す頼りない奴という設定。

そんな頼りなさから、彼女のカティア(アレクサンドラ・ヒメネス)に逃げられそうになってしまう。
でもでも、息子は意外や意外、スパイの子はスパイといわんばかりに超絶力を発揮したりして・・・というアクションコメディ。

テイストとしては『キングスマン』に近い。
年長スパイと駆け出し青二才のコンビ(本作では親子)が活躍するし、少々グロい残虐描写もサラリと笑いに転じるあたりも似ている。

さらに、最近のスパイもののお約束ともいえる組織存続の危機もあるが、こちらは緊縮財政のため規模縮小、本部は郵便局に間借りというのが笑わせる。
少々泥臭い笑いが満載なのだけれど、90分に満たない尺でサーヴィス精神旺盛なのは好感が持てます。

かつてならば「名画座の2本立てでタイトルも知らずに観たら、これが結構面白かった」というような作品といえば、通には通じるかしらん。

なお、主役のイマノル・アリアスは『私の秘密の花』のひと、バスケス役のカルロス・アレセスは『アイム・ソー・エキサイテッド!』のひと、さらにカティアの母親役は『神経衰弱ぎりぎりの女たち』『抱擁のかけら』などのあの顔の長いロッシ・デ・パルマとペドロ・アルモドバル監督作品に出演の役者たちが顔を揃えているのも興味深いです。

りゃんひさ