「よくできたストーリーでなんとか邦画の悪い所をごまかせた良作」ミュージアム ヒュートクさんの映画レビュー(感想・評価)
よくできたストーリーでなんとか邦画の悪い所をごまかせた良作
まずなんといっても妻夫木聡さんの演じるカエル男が完璧です。あの気持ち悪さを本当に上手く表現していて、普段の妻夫木さんの落ち着いた雰囲気とは大違いで最高でした。またオチも悪くないです。沢村刑事の息子であるしょうた君が紫外線アレルギーを発症するという展開はありがちですがこの映画に限っては良いものだと思っています。それはなぜなのか。
ところで自分は原作を読んでからこの映画を見たのですが、原作との大きな変更点が主に一ヶ所あります。
それは犯人であるカエル男に姉がいる事です。最初は居ても居なくても変わんねーじゃんと思っていたのですが、ある見方をすると姉を登場させた理由が分かります。
それは姉が真犯人説です。劇中でカエル男は芸術家の両親をバラバラに切断されるという悲惨な事件を体験し、それがトラウマとなり心因性の紫外線アレルギーを発症しました。この両親殺害事件はカエル男の犯行と非常に酷似しています。ですが自分の犯行でトラウマになるなどあり得るでしょうか。それはおそらくないです。では誰が犯人だろうか。それは他でもないカエル男の姉自身です。本当はカエル男ではなく姉が異常者で両親の殺害を弟であるカエル男に手伝わせて、一つ目の作品を作りあげました。。だがこんなことをしてるといつかバレるし弟は紫外線アレルギーになってしまった。なら私が医師となり、弟を診察し監視し、ミュージアムの管理は弟に任せよう。そんなこんなしてたら弟は見つかっちゃって入院中だ。このままだと私がミュージアムの創設者であることがバレてしまう。殺さないと!
よしなんとかうまく行って、なんとか病院に戻れた。おやどうやら沢村刑事の息子が弟と同じ紫外線アレルギーになっているようだ。新たなミュージアムの創設者は彼だ!!
とまあこんな感じで姉目線で語ってみたのですがどうでしょうか。このように考えると姉が何故登場したのかという疑問とラストのしょうた君のアレルギー発症の疑問を同時に晴らすことができます。多分考えすぎですがもしかしたら監督は次回作を考えていたのかもしれませんね。
で
最後に、この映画より評価の高い似たジャンルの映画に見えない目撃者というものがありますが、あれは羊たちの沈黙とセブンにコンプレックスのある監督が作ったホームビデオなので見ない方がいいですよ。みんなはミュージアムを見よう。