「お勧めできない」ミュージアム nobさんの映画レビュー(感想・評価)
お勧めできない
実に良く出来た映画だ。
一回の観賞で尚早な判断だが、プロダクション全てにクオリティが高い。
これまでの同系列映画との決定的な違いは、悪を個人に収斂せず、潜在的本質と捉え、徹底している点である。それゆえ観客は本作と対峙するか、逃げる(無視する)かを選択せざる得ない。つまりは観客も無傷では帰れない。
娯楽で観るには不向きな作品の故である。
ただそれでも、ここまでやらなければ、観るものに訴求できなかったか?
情報過多故の鑑賞力不足は、作品から情緒を奪って久しいが、"ここまで来てしまったのか"という感慨は深い。
森田芳光監督「39」観賞時は「新しい表現」とワクワクしたが、自身の加齢もあっての事と思う。
良くも悪くも、議論の俎上に上がるだけの快作に違いなく、ロードショウ時の低調さが残念でならない。
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