「ラストカットも怖い。」ミュージアム mg599さんの映画レビュー(感想・評価)
ラストカットも怖い。
これもコミックが原作になっていて、例によってその原作のことは知らずに観た。
猟奇連続殺人事件が発生し、その捜査に沢村(小栗旬)たちが駆り出される。
遺体のグロさとは裏腹に、映画は割りと理知的に進んでいく。
被害者がある事件の裁判員という共通点が出てくるに及んで、沢村が一捜査員ではなくなってしまう。沢村の妻(尾野真千子)か裁判員の一員だったのだ。
裁判員は6人のはずで、裁判官を入れると9人。これは完遂してほしかったところだ。沢村の妻は6番目のターゲット。あとは警察が保護したということか。
映画的には、沢村の妻は最後のターゲットということにはならないのか。
犯人の身元がわかってからは、沢村と犯人の一騎打ちになる。前半の理知的な感じはすっかりなくなり、妻夫木聡の怪演で映画が塗り込められるという様相となる。
大友啓史の演出は丁寧で、映画の世界に入り込めた。原作に力があったのだろうが、それに拮抗する映画化となったのではないか。
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