スポットライト 世紀のスクープのレビュー・感想・評価
全368件中、201~220件目を表示
緊迫感は無かったが
予想外に露骨な取材妨害がなく、拍子抜けはした。地道な取材、これまで培ってきた信頼、信念、生まれ育った街への愛情など、淡々としたドラマだった。
事件を追いかけるよう指示したユダヤ人の新任編集局長、スポットライトの4人、それぞれの立場で関わる弁護士たち、どこにも悪役はおらず正義の味方もいない。
ラスト近く、これまで誰もこの事件に注目して大きく記事として取り上げた記者はおらず、主人公さえもかつて埋め草的記事として扱ったこと、それを主人公が認識した時の表情が印象的であった。
アカデミー賞という宣伝文句
レビューを読んで、今でもアカデミー賞受賞作という言葉で観に行く人がこんなにもいるのか、と驚いています。とはいえ、それにつられてこの作品を観た人がこれだけいるというならば、その価値は大いにあった、というべきでしょう。
この作品は感動作ではないし大人気俳優が出ているわけでもないし派手なアクションも美しい景色も衝撃的な映像もない。ですので、宣伝文句やトレーラーを作るのは大変だったことでしょう。原題の「スポットライト」だけでサブタイトルの「世紀のスクープ」がなければ新聞の話だというのもわかりません。演劇の話かな?と思ってもおかしくない。反対派も最近よくみかけますが、このサブタイトルはそんな中少しでも多くの人が観てくれればという苦労の跡でしょう。
宗教に馴染みがないから、などと興味もないと思っている人でも、しっかり観れば引き込まれる作りになっています。
衝撃的な映像もないので、年齢制限もかかっていません。
少しでも多くの人に観てもらい、一人でも気に入ってもらえたら嬉しい、と思える作品でした。
観に行きましょうよ、アカデミー賞ですよ?(笑)
見せ場なし
知っとくべきこと、映画であること
教会の歴史は何百年?
2016年アカデミー賞作品賞受賞作である。
ボストングローブ紙のスクープにまつわる話である。
トム・マッカーシー監督の演出はドラマチックに見せようというような、いわゆる演出めいたことはせず、淡々と事実を積み上げていくそんな風に見えた。
象徴的だったのは、サーシャ(レイチェル・マクアダムス)が当の神父にぶち当たったときの神父の受け答えである。たいへんなことを告白しているのに、画面はあまり動揺を表さない。サーシャが衝撃を受けているのはわかるが。
被害者の告白などがもっとあるかと思ったが、ほとんどが記者の伝聞という形で我々に伝えられる。心理療法士が神父の6%が小児性愛者というのだが、彼は電話でしか出てこない。
ボストングローブ紙は端緒をつけただけで、最後の字幕で全世界で神父の虐待があったことを示す。
この記事が出たときのボストンの枢機卿は、ローマの最高機関に移ったとも。
最初の記事が出て、信者のデモがあると予想していた記者たちだったが、その反響は。
恐ろしい話である。
難しいが考えさせられる。不屈の精神が暴いた驚愕の真実。
【賛否両論チェック】
賛:強大な権威の下で隠されてきた虐待を、不屈のジャーナリズム精神で暴いていった記者達の根性に、本当の正しさについて考えさせられる。
否:難しい内容の話が多いので、理解出来なかったり興味がなかったりすると、退屈すること必至。性的な単語も結構出てくるので、人によっては好き嫌いが分かれそう。
地元に深く根付き、信仰者も多数を占めるカトリック教会の不祥事とあって、誰もが薄々感づきながらも見て見ぬふりをしてきた事件を、記者生命を賭けて暴いた主人公達の不屈の姿勢が、淡々とした描写の中で、現実感たっぷりに描かれていきます。変に脚色感があまりないところが、かえって事件の不気味さや底知れなさを際立たせているようです。
反面、どうしても法律上の手続きの話が分かりにくかったり、同じような取材のシーンが続いたりするので、興味がない人にとってはかなり退屈で、参ってしまうと思います。
時に逆風にさらされる中でもめげずに、自らが信じる道を進み続けた者達の真実の姿を、是非観てみて下さい。
淡々と
スポットライトのチームは、勇敢に力強く、自らの役割を全うした。 一...
最後まで胸くそ悪さが残ることが素晴らしい
ボストンのカソリック教会の幼児への性的虐待を新聞記者が暴く実話を基にした話。
新聞記者が取材をしたり、資料を漁ったりするばかりで派手なシーンがないのだが、まぁ最後までハラハラさせられる。
細かな取材をしている新聞記者同様に1シーン1シーンを丁寧に仕事により、映画というものはアクションが無くても画面に映っているものが『アクション』であり、全てアクション映画だと言わんばかりの映像作品だった。
登場人物の想いが口より所作に出ており、それを見ているだけでハラハラするし、徐々に幼児性的虐待の真相がここの問題で無く立体的はシステムとしての問題として浮き上がり、息もつかせなかった。
しかし、息もつかせないまま真相が明らかになっても、胸クソが悪い。それは現実がまだ改善されていなかったり、この問題が氷山の一角ということをマザマザと知らされるせいだ。
しかし、その胸くその悪さを告発したことがこの映画の素晴らしさなんだろう。
あってはならない聖職者の性的虐待と勇敢に闘うアメリカの底意地を感じ...
あってはならない聖職者の性的虐待と勇敢に闘うアメリカの底意地を感じる骨太な作品。
あろう事か教会。その腐った事実を、組織ぐるみならではの恥部を、子どもを育てる多くの大人に知らしめるという娯楽を超えた責務を、本作は担った。
天下のマッドマックスを差し置き、獲得したアカデミー作品賞の役割。
「子どもを育てるものは虐待もする」という被害者ならではの肉迫した台詞の重み。
精神医学を見据えた手の込んだ性的虐待の悍ましい現実。
マスコミという汚仕事を刷新。
どんな仕事であれ熱意と確かさを持って、その上で仕事をしてる人間が、アメリカに、そしてどこの業界にもいる。
それぞれの立場というものを抑えつつ、誠実な人間が集まり、仕事のスタンスを過剰演出する事なく表現。
チームワーク、リーダーシップ。誰もが忘れたくないというカテゴリーで忘れられない作品になりそう。
疑問点も
【正義について再び】
神父という職業
美味なれど薄味。
渋さが魅力の俳優たちの演技合戦でお腹いっぱいになれる一本。
最後まで緊張感途切れることなく観られたのは、復活のマイケル・キートンやいつも観る度に「この人スゲェ!」と思わせる(要は地顔の印象が薄い笑)マーク・ラファロ等々の力だと思う。
但し、ショッキングな実話題材を扱いながらも驚くほど展開の起伏を欠き地味。
ドラマチックな要素がかなり薄いので、アカデミー賞(作品&脚本)を期待すると見事に裏切られるので注意。
閉鎖的な環境では、良識も常識も呑み込まれてしまうという恐怖と社会問題的側面は描かれているが、映画的エンタテインメント的要素はほぼ無し。
その点では同じような実話ベースの勧告映画「トガニ」の方を強くお勧めしたい。
渋い役者の熟練の技を堪能する作品。
深い内容でした
上映中セルフ一つも漏らさず集中して鑑賞しました。後半の記事の裏どりも終わりチームでミーティングしてる最中から最後まで涙が止まりませんでした。チームのリーダーの気持ち、そして被害者の気持ちや家族の気持ち映画に出ていたすべての役の方の気持ちなどが私の魂を揺さぶりました。最高の脚本、作品だと思います。
派手さはないが感動しました。
全368件中、201~220件目を表示