「あまりの酷さに驚き、ツッコミどころが多すぎます」エイリアン コヴェナント れいさんの映画レビュー(感想・評価)
あまりの酷さに驚き、ツッコミどころが多すぎます
ネタバレがありますので、鑑賞した方のみ閲覧してください。
シリーズものですので、私個人としては非常に楽しみに劇場に向かいました。
まず映像ですが、これは素晴らしい、さすが洋画です。
しかし、いきなりそれを台無しにする事件勃発。
フレアの直撃を受け、コールドスリープした船員を起こす際になんと1人焼け死にます、え?なんだこれ…
コールドスリープは今の時代にすら完成していない、下手したら命に関わる精密機器、その精密機器を量産しているのに機械そのものが炎上するような安全性って…そんなことありえますかね
ここで一気に現実に引き戻されてしまいました、その後の船長代理の判断もひどいもので、怪しげな星に勝手に着陸。
移民たちの総意は?なんのために下調べを何年もやってきたの!と言う副船長代理の言葉もごもっとも。
さらにはイオン嵐の中、貴重なクルーを何人も載せて本船ではなく中型の機体で着陸を強行。
これも意味がわかりません、イオン嵐で通信ができないのに先遣隊を派遣って、何かあった時本船はなんの情報も得られないじゃないですか、完全な無駄死にになってしまいますよ?
案の定先遣隊は降りたその日に船員をごっそり失ってしまいます。
そもそも未開の地に降り立つのになんで防護マスクやスーツを装備していないのか?未知の病原菌と遭遇したら一撃壊滅ですよ
それに医療用の施設が船の内部にあるのもありえない、感染症にかかった患者が菌を撒き散らさないよう直通の別口を設けるのが普通です、こんなこと現代の大学病院ですらやってます。
また隔離もザルすぎる、エイリアンの幼体の頭突きで窓が割れるってどういうことですか、あまりに脆弱すぎる。
これじゃ船になんらかの問題が生じて物が飛んだら簡単に隔離が解けてしまいますよ。
可燃性のガスボンベが無造作に設置されているのも大きな疑問です、また発狂していたとしてもそのボンベを撃ち抜くのも…船員として訓練してるのかこいつら?と疑問に思いますね
エイリアンの巣窟に踏み込んだ後もひどいもんで、人間の死体が山ほどある中で「ここは安全」と言われたら完全に信じ切ってしまう頭お花畑っぷり。
よく仲間が何人もエイリアンに殺された後に皆好き勝手単独行動できますよねぇ、この辺りの心理描写の適当さは洋画の悪いところ。
結局単独行動していた船長代理と馬鹿女はあっさり死亡、そらみたことか。
主人公の女もひどい物で、アンドロイドに助けて貰っておいてそのまま2人で脱出しようとする。
いやいや、あのアンドロイド無しで旅できるつもり?結局アンドロイドの入れ替わりを許してしまってるし…
脱出戦にエイリアンが張り付いてきた時も無駄に外で戦いますしね、宇宙に飛び出したら空気もなく死ぬでしょう
中に入ってこれる作りなら宇宙船の設計がもう間違っている、隕石の破片1つ衝突したら航行不能になるレベルの脆弱さでは?
本船に戻ってからのエイリアン誕生も開いた口が塞がらない、原因不明のまま何人もエイリアンを植え付けられたのに、なぜエイリアンと直接接触した自分が大丈夫だと思ったのか…
ハッチの開閉も酷い、遠隔でロックできるなら2人は死なずにすんだでしょ、と。
車に閉じ込めて外に放り出すという案もうーん、普通に戦うんじゃだめなの?それか普通に宇宙への出口まで誘いこんで外壁を開けて気圧差で外へ押し出すとか
なぜリスクの高い方を選択したのかが謎。
最後の入れ替わりもなぁ、わざわざ服装で2人を見分けさせていたことから入れ替わってるんじゃねーかな、と思っていました、さすがにそれじゃマザーが気付くよなぁとも思ってましたが、そんな疑問は一切必要なかったようです。
世代が違うアンドロイドが認証番号を偽ったくらいで指揮系統が乗っ取れてしまうって、セキュリティの低さに驚きます。
ろくに訓練も受けていない使えないクルー、脆弱すぎる船、ザルすぎるAI。
見るべきところが全くありませんでした、展開も全て予想の範疇、それどころか登場人物の行動に不快感が募るばかり。
駄作中の駄作です、ナンバリングタイトルはやはり劣化していくということの証明のような作品でした。
唯一の救いは祝日にも関わらずサービスデイで1100円で観れたことくらいですかね。