「我々は魔法使いではないし、魔法を知らない。」美女と野獣 三遊亭大ピンチさんの映画レビュー(感想・評価)
我々は魔法使いではないし、魔法を知らない。
ロマンチックでファンタジーに溢れてる印象です。ただし、話の細部はスカスカなので、子供向けといった感じです。ヒロインとビーストがいつの間にか仲良くなってるのには本当に驚きました。物語の大事な出来事がいくつか出てくると思うんですけど、そこは魔法という言葉で”フワッと”片付けられてる印象です。みなさんはどうか知りませんが、僕は魔法使いではないし、知り合いに魔法使いもいません。だから魔法がどういうものなのかを知らないんですよ。原作を読んでない僕としては、しっかり説明してくれなかったのはかなり辛い。魔法で片付けるんなら説明くらいしてくださいよ。
傲慢クソッタレ野獣王子が、少しずつ心が綺麗になる。エマを見て改心したのかもしれないけど、全く納得できない。てか別に野獣いいヤツじゃないです。あのくらいの行いは普通だと思います。
歌って踊るシーンはつまらなくはないですけど、ストーリーとうまく絡んでないので、その度に話が止まってしまいます。感情が”動く”時にミュージカルシーンを挟むのが一般的だと思いますが、この映画の場合はすごくどうでもいい場面で歌が始まる。あまり覚えてないけど、小屋みたいなとこでガストンをみんなで励ますような歌ね。ガストンがストーリー上で重要じゃないのはみんな分かってるから、取り上げなくてよし。しかも前向きナルシストなガストンは慰める必要なしだと感じます。
声優陣は謎に豪華です。我らがスタンリートゥッチ、イアンマッケラン、ユアンマクレガー、エマトンプソン。エンディングで顔だしてくれたのは嬉しいけど、なんとなくヨーロッパサッカーのスタメン紹介みたいな雰囲気があって笑えます。
総じて、子供向けもしくはピュアなイマドキ女子向けですね。ディズニー実写化、またハズレです。まずディズニーアニメは大体子供向けだと思うんですよ。それをストーリーそのままに実写化したら、スカスカなのは当たり前。ストーリーの重厚さで勝負できない分、衣装・音楽・キャスト等、分かりやすい部分で勝負するしかなくなる。それを踏まえた上で、冷静に見て欲しい。
衣装が綺麗とか全く思わなかった僕の心が淀んでいるのでしょうか…。あと、レビューのタイトルに「パッピーエンド」と書くのはネタバレだと思いますよ。