「前作よりもクセが少ない分、見易くなってこれはこれで悪くはない」アリス・イン・ワンダーランド 時間の旅 スペランカーさんの映画レビュー(感想・評価)
前作よりもクセが少ない分、見易くなってこれはこれで悪くはない
アメリカでの酷評も相まってか、日本でもあまり評判はよろしくないようでしたが、見てみたら私はむしろ前作よりも面白かった気がしましたね。
まあ前作よりグンと評価が上がるほど面白かった訳でもないのですが、駄作臭漂う予告編や世間の酷評からもっと酷いことになっていると思ってたので、それ考えれば意外と見易くてこれはこれで悪くなかったなと・・・。
没個性と言われればその通りなんですが、前作もティム・バートンにしてはディズニー仕様で中途半端な個性しか出せていませんでしたから、逆に映像面以外のバートン色を取り払った没個性の今回の方が、むしろスンナリ入れてこれはこれで良かった気がしました。
それと前作で謎だった部分のモヤモヤが全て解消されて、ようやくスッキリとさせられましたね。
赤の女王と白の女王の確執の原因を知ったら、何となく白の女王を全面的には好きになれなかった前作時の感情に、妙に納得、でもアン・ハサウェイが演じているからやっぱり嫌いにはなれないのだけど(笑)
しかしこうなると、赤の女王も愛おしく見えてくる、あの幼少期のエピソードは可哀相としか言いようがない、でもどちらの気持ちも分かるから、ただただ切なかったね・・・。
で、結局そっちのエピソードの方が印象深かったので、今回メインのはずのマッドハッターの話は、少々印象が薄かったかも(苦笑)
まあマッドハッターの過去やお茶会の謎を知れたことや、父との確執の話は、それなりには見応えありましたけどね。
気のせいか前作よりもマッドハッターは見た目が奇抜になった?あとジョニデ太った?
ジョニデの扱いは、やはりバートンじゃないとダメみたいですね、没個性のジョニデでは、ジョニデが演じる意味もないような気がして。
そんな過去が描かれつつ、本質はアリスが未来へ向かって進むための話と言う、いかにもディズニーらしい映画に仕上がった辺りは、単純に映像面から子供も楽しめるし、大人も勇気をもらえる話で、普通にいい映画だったと思いましたよ。
前作もバートンにしては普通と言う感想でしたけど、監督が代わって更に普通色が強まったのがむしろ功を奏したと言うことで。
前作で活躍したゆかいな仲間達の出番が少なかったのはちょっと残念でしたけど。
ただ新キャラのレトロ感漂うタイムマシン的クロノスフィアと、秒の可愛さは妙に印象的でした。