劇場公開日 2017年1月27日

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「人それぞれの楽しみ方で見られる映画。自分の場合は「映像美」と「オマージュ」。」ドクター・ストレンジ YuuuuuTAさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0人それぞれの楽しみ方で見られる映画。自分の場合は「映像美」と「オマージュ」。

2019年2月21日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

楽しい

興奮

共通の世界観の中で活躍するアメコミヒーローを描いた
マーベル・スタジオ制作映画(MCUシリーズ)の
14作目となる「ドクター・ストレンジ」を見た。

この映画は主人公の天才神経外科医スティーヴン・ストレンジ
(演・ベネディクト・カンバーバッジ)が
ドクター・ストレンジとなって魔術を操り
無限の王の復活を目論むヴィラン・カエシリウス
(演・マッツ・ミケルセン)と戦うSFアクション。

晩餐会へ向かう途中に車両事故に遭い
両手がマヒしてしまうスティーヴン。
どうにもならない状況の中で
半身不随だったジョナサン・パングボーンが
奇跡的に回復した話を耳にし
治癒をしたネパール・カトマンズの奥地カマー・タージへ向かう。

ここで出会ったのがカマー・タージの指導者の
エンシェント・ワン(演・ティルダ・スウィントン)。
弟子にしてもい魔術の訓練を受け始める。

そんなスティーブンの前に現れたのが
エンシェント・ワンの元弟子にして
闇の魔術に魅了されてしまったカエシリウス。
時間を巻き戻す禁断の魔術を使い
無限の王ドルマムゥ復活を目論む。
魔術を習得しドクター・ストレンジとなったスティーブンは
カエシリウスの目論みを阻止できるのか……
と言うお話。

魔術を覚えたてとあって、戦い方がたどたどしい。
そこに初々しさを感じた。
普通、魔術を題材にした場合
火を放ったり、氷の刃を飛ばしたり、
電撃がほとばしったりすることが多い。
しかし、この映画はカンフーよりだ。
魔法陣を自在に操り、盾や、剣や、扇などへ具現化させ
打撃戦に持ち込む。その戦い方が新鮮でよかった。

魔方陣自体も空間に火の粉をまとった赤い線が
浮かび上がる姿がカッコ良い!
魔法陣のようにVFXを駆使した
映像美を随所で見られるのがこの映画の魅力だと思う。

物語上で重要な価値観となる多元宇宙について説明するシーンでは
宇宙空間や時間の流れなどが見事にビジュアル化されている。
その表現がとても綺麗だった。

それから暗黒世界の色彩も豊かだった。
暗黒と言うくらいなので黒が基調になのだが、
その中にも赤・青・黄・・緑……と
カラフルな色が使われていて
「シックなんだけどキレイ」。そんな印象を受けた。

現実にありえない世界観を
あそこまで見事に描かれた映像を見るだけでも楽しめはず。

もう1つこの映画の魅力を挙げるとすると、
名作映画のオマージュと思われるシーンが
随所に散りばめられていること。
世界の上下左右が入れ替わったり、
街が直角に折れ曲がったりするシーンは
もろインセプションの影響を受けている。

監督のスコット・デリクソンも
インセプションやマトリックスから受けた影響が大きいと
コメントしている(らしい)。

ちなみにマトリックスをオマージュしていると思われるシーンは
スティーブンが兄弟子の
モルド(演・キウェテル・イジョフォー)に
稽古をつけてもらう場面。
ここからネオとモーフィアスのやり取りを
連想するのは容易なことだ。

さらに時間を操るシーンは、
トム・クルーズ主演のオール・ユー・ニード・イズ・キルを
連想させる。ここまでオマージュが出てくると、
他にもあるのかもと思ってしまう。
それを探しながらみるのも面白いかもしれない。

・MCUシリーズの続き物として楽しむ
・マーベルが送る新キャラクターの映画として楽しむ
・VFXを使った映像を楽しむ
・オマージュを楽しむ
色々な楽しみ方ができる映画だ。

Trinity