「彼に懐くマント。」ドクター・ストレンジ ハチコさんの映画レビュー(感想・評価)
彼に懐くマント。
2時間弱、笑って興奮しっぱなしの久々に楽しめるマーベル作品だった。
冒頭から視覚効果だらけですっかり「インセプション」の世界に取り込まれ、
スキンヘッドにさせたら夏目雅子かT・スウィントンかというくらい似合う
頭のエンシェントが闘う姿に目を奪われる。主人公カンバーバッチが登場
するやあっという間に崖下へ転落、高飛車な外科医が再起不能となるまで
が、早い早い(爆)下半身不随だった患者が再起した姿に触発されていざ!
カトマンズのカマー・タージに辿り着くのだが…。これといって目新しい
展開はどこにもないのに、そこはかとなく面白いのはひとえにストレンジ
のキャラがカンバーバッチにピッタリなところと、超天才と笑いの側面を
もつアイアンマンに程近いからだろうか。シリアスな場面も確かに多いが
ほぼ笑いに消化されるし、悪役マッツ演じるカエシリウスも全然怖くない。
むしろ何だ?あのメイクは…(^^;恋人役レイチェルも迷惑な元彼を拒めず
せっせと世話を焼くという、どうもどっかで観てきたような展開ばかりだ。
しかし楽しい。その元ネタがアレか?いやアッチか?なんて考えるだけで
楽しめるし、欠陥だらけの人間が力を得て誰かのためにというアメコミの
教訓を絵に描いたような仕上がりなのだ。魔術ということでオリエンタル
色が濃いのもあまり気にならないし、後半戦最後の魔術では彼がドクター
である(再生させたい)ことを強く意識させ、世界破壊ばかりだった最近の
展開と一線を画す仕上がりが嬉しい。マントも可愛いねぇ似合ってるし~♪
(しかし必ず反逆者は現れる。え~なんで?って感じなんですけども(^^;)