「何が起きても揺るがないキャプテンの信念」シビル・ウォー キャプテン・アメリカ REXさんの映画レビュー(感想・評価)
何が起きても揺るがないキャプテンの信念
一作目は人生の崩壊、二作目は組織の崩壊、 三作目は仲間の崩壊。 キャプテン・アメリカは常に自分を試される危機にあるようだ。
今回のテーマは、アベンジャーズが国際的な政治組織に管理されるべきか、否か。 しかし管理されては手続きに時間がかかるし、組織の上層部が変わるごとに政治利用される恐れもある。戦うたびに犠牲者を出してしまうことがアベンジャーズの問題点だが、大勢を救う為には少数の犠牲が伴うのはしょうがないことだと個人的には思う。
トニーはウルトロンでの失敗(自分の過信と暴走)を反省したのか、意外にも管理される事を選ぶ。 対してキャプテンはそれを拒否する。
前作でも書いたけど彼は決してぶれない。その揺るぎなさにより仲間の信頼を得るのだが、それに対してトニー・スタークは信用が無いなぁ(笑) 体張ってるんだけどね、意外と直情的なのよね。ウォーマシンが墜落してしまったことで謝るファルコンを、何も言わずいきなりぶっ飛ばしちゃうし。
余談だが、単に撮影スケジュールがあわないことやギャラや脚本の問題だと思うのだけど、ペッパーがアベンジャーズや他作品にいっつも登場しないことに対しての辻褄あわせがいつも苦しい(笑)。 「忙しくて」「すれ違いで」「距離を置いている」などとトニーが言い訳するのが少し可哀想(笑)。
話の展開上しょうがないのだが、今回はアイアンマンが出過ぎだね。キャプテンの単発作品シリーズだというイメージが薄れてしまいかねない。しかしキャプテンが組織を離脱する形になっていることから、「アベンジャーズ」の続編とは称しがたいのかな。バッキーとの友情が軸ですしね。
今回はアイアンマンと決裂してしまった形だが、本当にそれはしょうがないといえる。 キャプテンにとっては、バッキーは“リアル”の自分を知る唯一の生き残りで、冷凍中に失ってしまった人生の、唯一残された縁(よすが)である大切な存在。そりゃトニー とは比べ物にならないですよ。
しかしクライマックスはまさかの展開だった。トニーの両親の映像がプレゼンの場で出てきた意味が最後の最後にようやっとわかる。忘れた頃に伏線がつながるので、ワンシーンも見逃してはならないですね。
だが数々の危機を放っておけば地球が征服される危険があったのだし、アベンジャーズはやみくもに大暴れしているわけではないと考えればわかると思うので(ハルク以外w)、今回の敵役、 ジモ大佐の復讐の動機はすこーし弱い気もす る。
「アベンジャーズ」は大味になってしまったが、 仲間との連係プレーが洗練されてアクションの幅が増え、ファンの一つの夢の形を見せてくれた。 今回はヒーロー同士が各々の特殊技能を使い火花を散らしたらどうなるのか?という、ファン垂涎場面がてんこ盛り。
スパイディがアントマンをグルングルンにするスターウォーズのATATシーンはSWファン泣かせやね!!
なんだかんだいって、「素手」「生身」という点で、「人間最強」なのはブラック・ウィドウじゃないのか(笑) そんな彼女と、【アベンジャーズ:エイジ・ オブ・ウルトロン】でシルバークイック、スカーレットに対して渋い男の姿を見せたホークアイがやりあうのが、個人的に何ともいえない気持ちに。
至近距離から矢を撃ったら死んじゃうし(笑)
躊躇する男性陣に、スカーレットやブラック・ウィドウが「手を抜くな」と嗜めるのもいい(笑)
今回、スカーレットに淡い恋心さえみせているヴィジョンが面白い存在。「我々の存在が災いをよんでいる」「それでは君は永遠に理解されない」なーんて、人間ではない者が一番理性的だなんて皮肉すぎる (笑)。彼がどうなるのか、今後楽しみ。