「ヒーロー対決ジャンルの革命作」シビル・ウォー キャプテン・アメリカ みじんコさんの映画レビュー(感想・評価)
ヒーロー対決ジャンルの革命作
先月観た『バットマンvsスーパーマン』は悪い映画ではなかったけれど、色々と腑に落ちない所も多い映画でした、個人的に『ヒーロー同士が戦う動機が飲み込み辛い』『2人の和解のキッカケがご都合主義』の2つがどーも引っかかって鑑賞後モヤモヤ…
そんな感じで『BMvsSM』の後塵を拝する結果になった『シビルウォー』でしたが、鑑賞後の感想としては
『ヒーローVS作品の最高傑作』
と言って良い作品だったのでは無いでしょうか!!
先に書いた『BMvsSM』の欠点であった『ヒーロー同士が戦う動機』がキャプテンアメリカ側、アイアンマン側、どちらも共感できる理由付けがなされており
『う〜ん、どっちの言い分も正しいし共感できるだけにチームが真っ二つに割れて戦わないといけないのは辛い…辛いんじゃ…』しかし『バトル場面は最高に燃える&楽しい!!』という硬軟のバランス感覚が非常に素晴らしかった!!
そして何より今回のシビルウォーで感心したのは(ここから先はちょっとネタバレ)
『デビルマンvsマジンガーZ』の昔からヒーロー対決作品は『対決』と銘打ちながらも、何らかのスレ違いからヒーロー同士が小競り合いをするものの
結局、強大な共通の敵が出現し、2人が協力して強大な敵を倒してチャンチャン♪ハッピーエンドという『顔見せ興行』的な作品にしかなり得なかったテーマでした。
しかし今作は本当の意味での『ヒーロー 同士のガチバトル』を物語のラストに展開して尚、双方が持つ『ヒーローの資質』を失わなかったストーリーテリングが超絶素晴らしい!!
(こういう部分はルーティンワークでストーリーを作っているとしか思えない日本の特撮作品にも大いに見習って欲しい!)
そして個人的に震えたのはキャプテンアメリカのラストバトル前に『実は知っていた』と語ったカミングアウト… あそこでキャプテンが『知らなかったんだ』と偽りを語る事もできたのに、それを『良し』としない彼の精神性の気高さよ…
そしてその気高さ故に起こってしまった悲劇の痛さ…
『清廉潔白、純情真っ直ぐ君』から『正しく』『気高く』そして『嘘も厭わない』という『アメリカの正義』を体現する彼の複雑なキャラクター性の成長は『キャプテンアメリカ3部作』の作品テーマの深化と完全にシンクロしていると感じました。
そしてもう一方のヒーロー、心身ともに傷つき、何よりも心を通わせた同志を失ったトニー<アイアンマン>スタークの哀れさ、物悲しさ…
彼が今後どう立ち直り、再びヒーローとしての輝きを取り戻すのか… 噂されている新作『スパイダーマン』が新しいスパイダーマンの誕生譚であると同時にトニー・スターク再生の物語になるのでしょうね…
いや、まったくこれからもMCUからは目を離せませんね!!
けして万人に勧められる作品ではありませんが『ヒーロー物好き』なら女房を質に入れてでも見なくてはならない『ヒーロー対決ジャンル』の革命作!
『シビルウォー/キャプテン・アメリカ』
大・大・おすすめです!!!