「もう、仲良しこよしじゃいられない。」シビル・ウォー キャプテン・アメリカ ロロ・トマシさんの映画レビュー(感想・評価)
もう、仲良しこよしじゃいられない。
MCUを長年見続けてきた人間にとっちゃあ、ちょいと一口では語れない内容というか。まああ、壮絶ですわな。壮絶。親しんだ、馴染みのキャラクター達が大いなる仲違いをする!てお話ですから。予告からしてそうだったし、実際観てもそうだったし。
自分としては、本当に好きなシリーズ(MCU)世界なので、楽しめたんですけど、でも辛い!という、辛すぎるよ!という相半ばする思いを抱えながらの鑑賞でした。
今作は「アベンジャーズ2.5」という位置づけであってもおかしくなく、実際そういうノリで撮られた作品で、登場ヒーロー総数も破格の12名であります。この数、過去二作の『アベンジャーズ』シリーズでもそこまでゾロゾロしてなかったです(ですよね?)。
『エイジ・オブ・ウルトロン』から引き続き登場のスカーレット・ウィッチとヴィジョン。今回から新ヒーローのブラック・パンサーと、あの、あの!スパイダーマンが参戦!(待ちに待ったスパイディですよ!)。ブラック・ウィドウ&ホーク・アイは勿論、アントマンも登場。ファルコンにウォーマシンも加わります。キーパーソン、ウィンター・ソルジャーことバッキー・バーンズは当然。そして!そのメンバーらの頂点に立ち、お互いの主義主張をぶつけあい、拳と拳をぶつけあい、正義と正義をぶつけあうのがキャプテン・アメリカとアイアンマン!アベンジャーズを牽引してきた二人が大いなる仲違いをする!という。
この映画は『キャプテン・アメリカ』の三作目なんですよね。クロスオーバーは『アベンジャーズ』でのみ実現させる、というMCUの方程式?定石?を初めて打ち砕いた歴史的作品です。観方によってはアイアンマンの続編にも観えてしまう。そうですね、MCUファンからしたらとてつもない大事件が起こっているんですよ(マーベルコミックの話は、横に置いております)。
各々が単独で、ピンでやってきた筈のヒーロー映画に大挙するヒーロー達、この意味するところは、ひとつです。MCUは間違いなく一枚岩だということ。キャプテン・アメリカもバッキー・バーンズもヒドラ党もキャップの盾もトニー・スタークもトニーの両親も、すべてが繋がっていたんです。予期せぬところでも、細かい部分でも、おおっぴらなところでも、関係が脈々と繋がっていた。各個人が各々にプレイして見えても、全てに因果関係があった、ていう。もう参りましたよ。今回、アクションが破格の展開であったり、アイアンマンの新たな変身シーンが面白かったり、アントマンの超変身も、スパイディのアクロバティックさも、勿論ね、楽しいに決まってるんですけど。それ以上に、物語と物語が連なる因果関係が、もう。
新たなステージに向かっていくんだなぁ、MCUは……と、いう予感。不安でもあり、期待でもあり。まああああ、まあ、どえらい映画をぶっこんできましたよな。今後とも、目が離せません。