「固い絆で繋がる友情」シビル・ウォー キャプテン・アメリカ 森泉涼一さんの映画レビュー(感想・評価)
固い絆で繋がる友情
キャプテン・アメリカを主役にもってきた第3弾「シビル・ウォー」だが、こんなにもマーベルヒーローがオールスターで現れるとシリーズ3弾というのも忘れてかけてしまう。だが、ウィーンでのテロ事件が起こり、その犯人として名が挙がるのがウィンター・ソルジャーである。ここにきてようやくシリーズ第2弾の「ウィンター・ソルジャー」を思い出してくるとこの先の展開が楽しみになってくる。本筋はウィンター・ソルジャー自身の謎とその背後に隠れた大きな組織の解明という面がありながらも、ではアイアンマン等、アベンジャーズチームはどこに絡んでくるのか。そして、新たに登場するキャラクターはどのような活躍を見せるのか。
世界の平和を守る組織として立ち上がったアベンジャーズがいつの間にか世界平和を脅かす存在になると疑念の声があがっていた最中のテロ事件。「エイジ・オブ・ウルトロン」に引き続き、本作のテーマとなっているのは友情の絆という面だ。そもそも亀裂がはいりそうになっている状態でキャプテン・アメリカのかつての親友が犯人扱いにされてはこの亀裂が裂けるのも時間の問題である。
「エイジ~」でもそうだったが、近年のマーベルシリーズの素晴らしいところは、どれだけオールスターキャストで規模を大きくしてもその圧倒的な存在に頼ることなく芯のテーマをぶれることなく伝える面にある。今作は特にキャプテン・アメリカの物語がある中でそこをしっかり軸とし、他のキャラクターもうまく絡ませている。そこが顕著に表れているのがアクションシーンであり、構想に数か月を要したとも言われる予告でも注目された空港でのアクションはただ暴れているだけでなく、誰かが誰かを庇いあいながら戦っているのが目立つ。これは本筋のテーマである絆という部分を強く示しているのと同時にアクションシーンという一番の目玉であの圧倒的なスケールの長回しを映像化されてはこちらもお手上げ状態。マーベルファンのみならず一見も虜にしている理由は明らかである。