「TV版の総集編とはいえ、映画として魅力あり」劇場版 響け!ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部へようこそ 零零2015さんの映画レビュー(感想・評価)
TV版の総集編とはいえ、映画として魅力あり
この映画は、TVシリーズ第1期の総集編ですが、1本の劇場版アニメとして分かりやすく見ごたえがあります。TV版未見のままこの映画を鑑賞しても違和感なく楽しめると思います。
TV版では、楽しい日常をコミカルに描くシーンが多く、そこもまた魅力的なのですが、TVシリーズ全12話を約4話分の尺にカットし編集する事で、コミカルなシーンが削減されています。その事で、ややリアルに寄せた雰囲気になり、少しよそ行きの感じで、劇場版としての特別感を出しています。
また、BGMが劇場版用に落ち着いたトーンで新規作成され、音声もTV版と同じ声優さんが新たに再録音しており、TV版とは異なりやや落ち着いた雰囲気になっているのも劇場版としてはプラスになったと思います。(勿論TV版にはTV版としての良さがありますが)
新規追加場面は少ないですが、次回作TV版2期前半の重要人物となるオーボエのあのお方が、初めて喋る新規シーンは、当時嬉しいサプライズでした。
この劇場版は、主人公達が掲げる目標の、まだ第一関門までの物語ですが、
TV版放送当初、原作小説はここまでを描いた1冊しか刊行されておらず、
ひとつの区切りとして物語はここで完結してもおかしくない内容でした。
幸いなことに、原作者・武田綾乃先生が素晴らしい続編を描いてくれたことで、以降もシリーズ化されていき、北宇治高校吹奏楽部のその後の物語も知ることができています。
今ではこの作品に完全に虜になってしまい、以後のシリーズも欠かさず鑑賞していますが、TV版第1期とこの劇場版第1作目は、このアニメシリーズの原点として今でも強く印象に残っています。
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