ロブスターのレビュー・感想・評価

気まずいコメディです

コリンファレル、セクシー俳優だったのに、久しぶりに見たらお腹の出た気の弱い情けないおっさん

世界観が何ひとつブレてない。
素晴らしい。
集中できる。

そしてなにより、120分ずーーっと怖い。

設定が奇抜で笑って良いのか悪いのか？いい意味で予想を大きく覆されました。レア・セドゥーはいつもどんな役でも最高です

モテない人間は、根が消極的で、何より自分を見捨てた感じがする。
なりたい動物が「ロブスター」って時点で、なんだかモテなそう。

好きでもない相手に必死に合わせて、やっとの思いでパートナーをゲットする。だけど、充実した関係が築けるはずもなく、ついに耐えられず逃走。

逃走した先は「リア充禁止」のカルト集団。
今度の相手とは充実した関係を築けそうなのに、「オマエら、イチャイチャしてんじゃねー！」と、リーダーから残酷な制裁が加えられる。

主人公は、春琴抄のサスケ的行動を迫られる。「似た者同士しか共存できない」という不文律があるこの世界で、他に選択肢はなさそうだ。

それとも、もしかして土壇場で逃げ出した？
やっぱ、サスケになるのは怖いよね。
自分ならどうするかな、と両方を想像した。

豪華なキャストによる、シニカルなブラックコメディ。この監督の独自性、好きでした。

奇妙な世界観（というか設定？）に基づく奇妙なお話を、ホンワカと奇妙な語り口で描いた不思議な映画。
もちろんコメディなんだけど、だんだんと残酷な一面が覗いてくるというとてもブラックな作品でもあり、好き嫌いは分かれるだろうな…
結婚にこだわるのも、結婚にこだわらないことにこだわるのも、どっちも同じくらい残酷だというね…
役者はみんな良かったけど、特にレイチェル・ワイズはただ綺麗なだけの人ではなかったのだなと納得させる素晴らしい芝居でした。

なんか最後まで見てしまう不条理コメディ。あまりにも設定がぶっ飛び過ぎてる。真剣に見ちゃダメなんだろうな。真剣にラストが〜とか語っちゃダメなんだろうなあ。

ボンドガールのLéa Seydoux、Q役のBen Whishaw、そしてボンドの実の妻Rachel Weisz（やっぱり美人。。。）。007関連のキャストが揃っています。
ストーリーとしてはかなりシュールで。「え、ここで笑っていいのかしら？」みたいな感じ（笑）。あまり何も考えずに観るのがいいのかもしれません。

シュールの中でも、やりきったシュール感。わからなくて良いと初っ端から突き放しておきながらも、知りたい知りたいと探究心をくすぐる世界観の作品。派手なシーンが無いながら、ボソボソと笑ってしまうような描写の連続。独り身気をつけよう。

33本目。
なぜ、あのホテルに行くのかが分かればスッキリしたかな？
それとも、寝ちゃてて見逃したか？
ゲラの人いたけどブラックコメディとして笑ってるか？

モラル的に全く許されない映画だと認めつつも、笑ってしまう。動物の描写だけはどうしても許せないけれども、冒頭の射殺シーンなんか素晴らしいと思ってしまうし、「動物かわいい♡」と言いながら毎日のように肉を喰っている人間のどうしようもない性をくすぐる作品かもしれない。
セックス描写よりも卑猥な性描写もあるし、まぁどうしようもない映画です、はっきり言って。でも笑える。なんかそそられる。
ロブスターってそんなに生きるんだーと感心されつつも、決してロブスターにはなりたくないなぁと思ってしまった。そんなの映画とは全く関係ない事だけれども。
まさにヨーロッパの映画っていう感じ。