海賊とよばれた男のレビュー・感想・評価
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創業者の声を直接聞ける喜び。
何となく食わず嫌いをしていた山崎貴監督作品。初めて観たこの映画はすごく好きになって、2回観てしまいました。こういう”立ち上がれ日本!”的な話は、否が応でもグッときちゃいますよね。とにかく岡田准一さんの貫禄のある演技がすごい。大河ドラマの黒田官兵衛役においても、松坂桃李くんが息子役でも全く違和感の無い貫禄でしたが、ここでも凄まじい存在感と圧倒的リーダーを体現していました。特殊メイクだけでは、あの凄味は出せなかったと思います。他の俳優さんも一人一人の演技が素晴らしくて…染谷将太さん、吉岡秀隆さん、小林薫さん、野間口徹さん、ピエール瀧さん、鈴木亮平さん、綾瀬はるかさん…名前を挙げきれない(>_<)後半にまさかの堤真一さんも登場して豪華すぎました。”チーム男子”がハンパない!「国岡のもんよ!油もってきたけ!」と声を揃えて言うところや国岡商店社歌の合唱シーンは毎回胸熱!!随所で泣いてしまいました。心を揺さぶる名言が散りばめられているこの映画を観ていて、創業者の声を直に聞けるのって本当に貴重で素晴らしい事なんだな、と改めて思い、今の仕事の環境を大切にしなければ…としみじみ感じました。死ぬ間際での回想シーンでは、そこに居たはずのない店員達やユキさんが下関で油を運ぶ船に乗っている姿には、涙が止まりませんでした。オススメです!
出光
岡田准一さんはすごい。特殊メイクによる老人姿がなんの違和感もなくて、その姿に合わせて声質や喋り方をしっかりと変えていて、かっこいいなと感じました。
原作未読で観たため、少し入りづらい部分がありましたが、岡田准一さんだけでなく一人一人の役者さん達がみんな役にはまりきっていてそれぞれの演技をしていてとても見やすかったです。
激動の時代、困難だらけでとても大変、だけれど楽しそうに働いている姿に感動しました。特にふんどし姿でタンク底に入っていくシーンがとても印象に残っています。私たちも、この時代に日本の基盤を作ってくれた人々に恥じないように生きていかなければならないと思いました。
満足したような気分になるが物足りなさが残る映画
◯よかったところ
岡田くんの演技力がただただすごい。
百田尚樹自身の思想は好きになれないが、作品には拒絶反応は出ず、一人の起業家の壮絶な人生の物語として観られた。「日本人の誇り思い出そうぜ」系の話だが、押し付けられたかんじはしない。仕事にすべてをかけるあの情熱や貪欲さはたしかに今の若い世代の大半は持っていないと思う。仕事をするってああいうことだよな、と気づかせてくれた気がする。
◯いまいちなところ
物語が早送りのように淡々と進む。すべてのエピソードが薄いと感じた。どこで見せ場が来るのかな、とずっと思っていた。
それぞれの登場人物の掘り下げも浅くて、あまり感情移入できない。妻との最後のエピソードはとってつけたよう。
第二次世界大戦の被害も、社員が一人亡くなっただけでほとんどなかったように描かれている。南方に派遣された社員たちにはもっと被害があったのではないのか。どんな苦しいなかを生き延びたのかは触れられていない。戦時中だという現実味もなかった。
石統やメジャーとのたたかい、もしくは戦時中、戦後の苦労などどこかに焦点をしぼって、登場人物それぞれが策略をめぐらせ駆け引きをする様子など、もっと細かい描写をしてほしかった。
企業として戦争をどう生き延びたのか知りたかった。
あと劇中歌といい最後の終わり方といい、「レ・ミゼラブル意識してるのか?」と思ってちょっと冷めた。
鑑賞直後はなんとなくすごいものを見た気持ちになるが、あとになって考えるほど物足りなさが残る映画だった。
モデルとなった出光佐三すら滑稽に見える稚拙な演出。
小説は情景描写のリアルじゃない。
人物のリアルだ。
奥田英朗せんせ
『海賊と呼ばれた男』
2013年本屋大賞を受賞した、百田尚樹著「海賊と呼ばれた男」の映画化ですよ。
この作品って、出光石油創設者である、出光佐三がモデルのようです。主人公:岡田鐵造(岡田准一)は、北九州の門司で石炭の販売店を営んでいるが、石油の将来性を見抜いて商売を始めようとする。
が、国内の大手販売店や、海外のメジャー(大手企業)が立ちふさがる。
でもどんなに困難な状況であっても諦めず、独創的なアイデアでもって、柔軟且つ粘り強く前に進んで行く。
※年末観ました。
原作は未読です。百田せんせの、wikipediaとwikipediaを会話で繋げただけのNeverまとめ的な作品は、"永遠の0"と"モンスター"だけ読んでギブアップでした。
あ、映画"永遠の0"未見です。
でも本作を観たのは、石油の利権争いがメインの、ポリティカルな話だと思ったからです。
いやだなー。新年から、悪くばっかり言ってるなぁ。
ほんと、すみません!
百田せんせのファンの方、本当にすみません!
本作は戦時中で空爆を受ける東京からーの、戦後の初老の岡田鐵造と、若い頃の駆け出しの頃との記憶がスイッチバックする構成となっています。
岡田准一くんが、1人で20代~90代まで演じています。ええ、頑張ってると思います。ただ、演技が学芸会的で過剰なのは、いつもの山崎貴クオリティです。
"三丁目の夕日"ではギリ許される演出でも、ガチなええ話を目指す本作では、首筋がもぞもぞして堪りませんでした。
ラストの岡田くん、な、なんっすか(恥)!
私、映画を見て、恥ずかしさで顔を覆ったのは初めてです。
どうしようー?もう、突っ込めないシーンって、ほとんどないんですよ(笑)
まず、冒頭の焼夷弾が落ちるシーン。
B29から子爆弾が投下され、雲の間を落ちる過程で分解し、中のいくつもの焼夷弾が東京に降り注ぐ。燃えさかる東京の町!いやー、山崎貴クオリティやなー。
それを岡の上から見つめる、岡田鐵造。ドーン!
この冒頭で、嫌な予感。
山崎監督が「我々の特撮技術はさらに進化し続けています」と仰っていましたが、ほんと技術は進化しているでしょうが、ほんと、どの映画もVFXとかCGの悪いとこが全面に出てます!
あの-、自分の作品にはむしろマイナスだって、気付いて!
山崎監督にお願いしたいのは、情景のリアルさを追求するんじゃなく、人物のリアルさを追求して欲しいんですよ。
「人を描いて欲しいんです」
あとですね。何をテーマにしてるか?
鐵造が地元で新しいことやろうとすると、だいたい昔っからの慣習が邪魔をするんですね。きっちりとした法律がある訳ではないですが、"昔っからそうだから"っていう規制。
だけどその規制を時に舌先三寸で、時に力尽くで、時に正攻法で打破していくんです。
勿論"昔っからそうだったから"ってやってたとこは面白くないですよね?で、敵も多くなる。
規制は良くないっつー、百田せんせって-、TPP容認派なんでしょうね。分かります。
戦後に貿易が自由化されると、海外メジャーが入って来て日本の石油会社はやばくなる。鐵造は海外にも敵がいるから、石油を仕入れることができなくなる。
しかし、そこでめげない!独自の発想で、某国から直に仕入れることを決断するんですね。
それは、イランからです。
モデルとされた出光佐三は、昭和28年に自社船:日章丸で行ってますから凄いですよね。
でもね、このくだりもやばいんです。
乗組員には、出航後しばらく立つまで行き先が告げられません。
なぜなら途中、イギリス軍がうろうろしてる海上を通らなくちゃいけないから。
イランが石油を国有化するとなって、イギリスは利権を失ったんですよ。
なので当時「イランの石油を購入した船を、イギリスは許さないからな!」って苛々してたから。
逃げられない海の上で、告白。
うーん。
戦後、日本軍が隠していた石油は、雨水が流れ込み、妙なガスが発生して酷い状態。で、人足も逃げてしまうんですが、これを使いきらないと米国は石油やらん!っていうんですよね。
で、人足もいないし、どうすんだ!ってなると、鐵造は店員(社員って呼ばない)にやれって言うんですよ。
地下のタンクに降りて、バケツでくみ上げる。最終的には鐵造も、俺もやらせろ!いや、店主(社長って呼ばない)止めてください!やらせろ!ってじゃれにじゃれて、抱擁(笑)
もう、ブラックなルーキーズとしか言いようがないです(笑)
9割がた男しか出てこないし。
あれ?出光佐三って、本当にこんなギャンブル&ブラック臭しかしない人なの?と疑問に思って、木本正次著「小説出光佐三 ~燃える男の肖像~」を読んだんですね。
映画では独創的なアイデアで困難を打破していくギャンブラー鐵造ですが、小説ではかなり緻密な計算があります。
確かに店員に対して大変な仕事を任せますが、それは信頼している証であり、結果失敗しても学習である。
店主は全てを把握してる訳ではないので、何か決定する場合は現場に聞くじゃないか。
だったら、現場に判断させたらええ。早いじゃん!
それって、権限をトップに集中させない。現場に権限を与えて、何事も素早く対応させる。現代の、アメリカ軍なんかがやってることなんですよね。
現在はインターネットが普及して、情報拡散の速度が上がって、なかなかそれに企業が追いついてないという状態ですよね。日本企業は、縦割り組織なので。
しかし出光佐三の作り上げた組織っていうのは、寧ろ外資的な小回りがきく合理的な部分と、店員を絶対に解雇しないという、義理人情、古き良き日本企業の部分がマッチした、凄い企業だったんですよね。
だけど本作を見ると、まるでブラック・ワンマン企業のようですよ。
あとね、"小説出光佐三 ~燃える男の肖像~"と同じ心理描写&同じ台詞&シーンが散見されます。モデルなんだから、似てて当然ってレベルじゃないですよ(笑)
こんなこと言うと怒られるかな?
本が売れない時代なので、人気のある作家さんの力が業界で大きくなりすぎなんですよ。何でもかんでも、許しちゃダメだと思いますよ。マジで(怒)
あ、良いとこも書かなきゃ。
いい俳優さん達が、たくさん出てます。
でもやっぱ、吉岡秀隆さんの酔っ払いの演技は、神!
※ただ三丁目感がハンパないですけどね。
時代展開が年配向けの映画だと思う
出光の創業者の実話を基にした作品。
百田さんが書いていることも知ってたし以前から出光一族は有名なので幾つか情報はありました。映画化されると聞いて期待して観に行ったからか少し辛口になってしまうことをお許しください。
先ず、永遠の0に続いて主人公役は岡田くん。
スタートは年配の岡田くんから始まります。
それだからか私、少々時代のスイッチの感覚についていけませんで…
しかも彼の怒鳴り散らす気性の荒さについていけず、主人公の海賊っぷりが最初の方は伝わらなくて、ようやく海の上で油を売り始めるところでピンとくる。ただ、仲間って求めてると集まるんだろうなと思いました。気になったのは綾瀬はるかの存在。あの存在がラストまで引き延ばされるんですが、彼女の存在は必要だったかな…そんだけ主人公は働き者だったってアピールだろう?それとも実をつけない女性は身を引けってこと?退くも勇気ってこと?このご時世に時代錯誤甚だしい。
もぉ一点気になったのは私の事前リサーチが足りなかったのですが国産の油って何だろう?そしてメジャーって何だろうって思いました。
観た後ウィキで調べましたが…石油に関するというか石油市場に関する知識が足りないと、むむっ?とするタイミングが幾つかあるかもしれません。
ただ総じて前向きかつ大胆不敵な主人公には社会人として勉強させられる姿勢は沢山あります。仕事は自ら作れとか、先見の明、人を出し抜くアイデアやら。しかしながら映画では綺麗なことしか描いてないはず。きっと常識から外れた、もっともっと大胆不敵かつ法すれすれのことをガツガツやって世の中を変えていたんでしょうね。話し合いで解決しようって現代の感覚とは世代が違いすぎて歴史を変えた感じが今一つ伝わりにくいことも多いのですが、ひとまず近日中に出光美術館にも行ってみたいと思いました。
中途半端
・良かった点
岡田准一の演技、時代考証
・悪かった点
上記以外
年齢に幅がある為、主役の表現が難しいとおもってたのだけど、いい意味で期待を裏切られた。
それだけに、ストーリー展開等に大変不満が残った。
まず、家族愛を表現したかったのだろうと思うのだが、物語開始時点での妻子がほぼ出番がなく、離縁した妻に焦点を当てすぎて、実は現在の妻子の事なんかどうでもいいのでは?としか思えない。
主人公のパトロンの扱いも軽く、海賊と呼ばれるきっかけとなった下関での販売方法、ラジオ部門設立、海軍タンクの仕事の各エピソードも多少多めに触れられてる程度で、石統解散にいたるまでのやり取り、GHQとの交渉、メジャーとの数々の軋轢、日章丸取得までの経緯、イラン政府との交渉、イラン産石油をめぐる裁判等のエピソードがばっさり切られており、最大の見せ場であるはずの日章丸事件が、「石油に困ったのでイランの石油を輸入しました」程度の軽い出来事に成り下がってる。
その薄さを、オリジナルの社歌をところどころに挿入してでごまかしてるとしか印象をぬぐえなかった。
あんな大将に出会いたかったなぁ
この人の言うことなら信じてついていきたい!と思える大将に、私はまだ出会ったことがないです。先見の明があって、どんなときも部下を見捨てることない親分肌。もちろん、汚いこともたくさんしたんでしょうし、最後のタンカー船の乗組員さんを騙しちゃう辺り、こらこらーと思いますが、船長さんもまた素敵なカリスマ性。こういう大将には、素敵な参謀が集まるんでしょうね^ ^
そして、影で支える女の力もまた凄いです。自分の幸せより、愛する人の幸せ。
素敵な大和魂・大和撫子魂を拝見しました!!
壮大な作品かもしれませんが…
私には合いませんでした。最後まで見れなかったので、クライマックスの感動を想定してプラス1です。「杉原千畝」同様に、"この人はすごい、すごい"すごい人物だという作品は浅く「掘り下げの足りない茶番」に見えてしまうのは私だけでしょうか。
感動された方を決して否定はしません、感動作品だと思います。すみません、私には合いませんでした。
よかった
ダイジェスト的構成で、時間軸が行ったり来していて少し分かりにくかった。石油の貯蔵庫に入って作業しているあたりでウトウトして少し寝てしまった。原作が面白そうなので読んでみたくなった。
日本人としての誇りを大切に
原作未読、「他の映画と続けて観れるから」というだけで鑑賞した結果、感動して涙を流してしまった。
やり方は強引でも、外資の介入を許さず、日本人の誇りを大切にした主人公。
その主人公を想うばかりに自ら身を引いた奥様と、主人公の人柄に惹かれ、会社愛に溢れる社員達。
正直、こんな熱い映画だとは思ってなかったので、観終わって原作を読みたくなったし、ピンチの時にこそ思い切った決断と努力をしないと!と思わされた。
あと、これからはガソリンを入れる会社を選ぼうと思った。
骨太
熱い男の話しだった。
商売人ではあるけれど、「侍」と言えばいいのだろうか…ずっと戦い続けた男の話しだった。
敗戦という決定的な負けを突きつけられた中でも、民族の誇りと男としての誇りを携え、頑なに貫き通した男であった。
「日承丸」という刀をかざし、当時のアメリカでさえも立ち入れなかったイランへの石油航路を何の後ろ盾もなしに、まさに単独で切り込み、切り開いた。
こんな男が居たのかと…同じ日本人である事に嬉しくもあり、恥ずかしくもあった。
それにつけても、主役が見事だった。
60歳から物語は始まる。
その第一声。
少しくぐもった重く低い声に、してやられた。この第一声に全てを込めたと言われても納得してしまう。
この役に注ぎ込んだ情熱が集約されたかのようであった。
仇敵である國村さんと並んで芝居をしてても見劣りしない。
むしろふてぶてしく見えたりもする。
主役を細部に至るまで立てた脇役達の存在があったからではあるが、神輿として担ぎ上げるに足る存在であったのであろう事が作品の中から伝わってくる。
主役を主役たらしめた助演と演出。
チームとしての見事な仕事だった。
今際の際のアップはCGであろうと思うのだが、とても生々しく非常に精密で繊細な仕事だったであろうと感謝したい。
日承丸…あれは作ったのかな?と勘違いする程見事な出来栄えだった。
良い作品を見せてもらえた。
日本映画、渾身の一作であった。
父が知らなかった祖父の時代
なんて博打的な人生だろう、と思いました。永久とはいかないまでも、半永久的に約束されている事など何1つ無い。そのぶつけドコロの無い悔しさは、現代でもちょこっと社会に出た事のある人なら一度は経験した事があると思います。
せっかく休日に、軽い気持ちで観に来たのに、すっかり仕事の事を考えながら見入ってしまいました(笑)木田さんが仰っていた『仕事が無ければ作れば良い』良い御言葉ですね~魔法にかかってしまったみたいに、自分の仕事が恋しくなりました。私も仕事、好きだったんだなぁ。忘れてました(笑)
そうそう、作品について特筆したいのが、岡田さんの第一声!最初は口パクか!?と驚くくらい声色が違っていました。役作りで声色まであからさまに違う方、初めて観ました。それに比べて…っていうと失礼に見えるかもしれませんけど、吉岡さんの変わらないひたむきな役柄に安心感がありました(笑)その性格だから許される、みたいななんとも言えない実直な愛嬌?油で真っ黒に汚れていても可愛さがにじみ出ていました。
私だけじゃなく父も知らなかった、祖父のギラギラしてた時代のお話。ぜひ父にも観に行ってもらいたいなあ、と思いました。そして改めて、祖父を敬愛したい気持ちです。
こんなに勇気づけられた映画は無い
この映画は日本を賞賛し崇める映画ではない。この映画の本質は漢の生き方を学ぶものであると思う。自分はこの映画を見て感動し続け涙が止まらなかった。ドン底でも這い上がろう、立ち向かおうという精神を教えてもらった。また、國岡鐵造を演じた岡田准一さんの演技や國岡商店の店員の方々の演技が素晴らしい。
純粋に作品を楽しめる方、このレビューを見て頂いて興味を持たれた方や日本という国の成り立ちに偏見を持っていない方であるなら是非オススメしたい。
これまで生きてきて劇場で二回目を見たいと思った映画は初めてだ。
全体的に山場でエネルギーをかなり使う作品
山崎監督の作品にはいつも泣かされるし、俳優陣のすごさに圧倒される。
今回の作品には推しの近藤正臣さんも!だがしかし、吉岡秀隆さん堤真一さんがでてくるとなぜか三丁目の夕日を思い出してしまう。どちらも好きな俳優だが自分にはそれがマイナスになっている気がする、
やはり百田尚樹さんの原作を超えられてはいないと思ったが永遠のゼロより終わり方は良かったと思う。百田さんは右翼気味な作品を書くが映画では抑えられている。映像の途中にマークがチラリと映るのだがそれが出光マークにそっくりなことから国岡鐵造が出光佐三ということがわかる。
原作を読んでから見てほしい!
原作を何度も読んでいたので個人的には大満足です。
大前提として、実話を基にした話なので、自分ならこんな判断できる?こんなこと言える?こんなこと考えられる?と、今の自分と照らし合わせてとても考えさせられます。
以下本当に個人的な感想です。
・観る前に知ってほしいこと
1.自分の利益を考えないで行動できる勇気の大きさ。戦前〜戦後という現在では想像もできない時代に、間違ったことを間違っていると言えることは、普通できないこと。
2.物事の判断が「日本の為・社員の為」という軸を持っているということ。今の日本にどれだけの人がそう思っている人がいるだろうか?その覚悟は計り知ることができない。
3.100年以上経った今もモデルの出光興産は日本を代表する石油会社であるという事実。
・観て思ったこと
1.命を懸けて生きるってどういうことなのか?と考えさせられる。自分が今ベストを尽くせてるか?お金の為ではなく、誰かの役に立ってるのか?考えて考えて考えぬく先に道が拓けていくのではないかと思った。
2.日本人として、こういう生き方をして時代を引き継いできた方々がいるという事実を知ることは大切だと思った。
3.予習をしなければ伝わりづらい、145分の映画では表現しきれない人生の分厚さに、より凄さを感じた。
「マリーアントワネット」という映画を見た時、予習しなかったので、「どういう意味だろう?」「あれ?もうこのシーン終わっちゃった?」という感覚があったが、この作品も予習せずに観るとそんな感覚になるなぁと思う。
是非、原作を読んでから観てみてください!私は3〜4回泣きました!
原作は時代背景や世界情勢のことが丁寧に書かれてて分かりやすく、歴史の勉強にもなります!
ダイジェストを見ている気持ち
原作は未読ですが、見終わった後『ダイジェスト』あるいは『ひとりの人間の一生を特集した番組』を見ていた気持ちになりました。
二時間半の時間的な長さを感じないくらいのテンポの良さでしたが詰め込まれ過ぎている感が否めず、必死で追わないと内容を頭でしっかり理解することが出来なくりそうでした。本来ならば二部あるいは三部作構成にしなければならないほどの情報量を無理矢理に一本化した感じなのでしょうか。
特に主人公の妻のエピソードはしっかり掘り下げられることも無く、ただただ感動的なラストに仕上げるために捻じ込んだようにも見えました。感覚的には泣ける場面なのかもしれませんが、どうして泣けるのだろうかと考えてみると一気に興が冷めます。
全体的に、ひとりひとりの登場人物へ感情移入出来るほど心理的な描写が出来ていないように思えました。
ひとりの人間の生き様の表面だけをさらりと追うだけに留まった映画が、それでも単なる駄作にならなかったのはひとえに俳優陣の演技力によるものだと思います。
海賊とよばれた男
先の大戦が欧米白人に対する独立解放戦争であったように、日章丸事件も欧米からの解放(イラン)がベースにあった。武器を持たない田岡(出光佐三)の戦争であった。「この度のイギリスが発した経済制裁に国際法上の正当性は無い。」田岡の勝利に胸が熱くなった。
面白い
面白いです。ただ1つ。岡田君含め全員をずーっと同じ役と同じ人物でやるのはキツイですね。岡田君にかぎっては25?から96?才まで演じてて特殊メイクの技術が日本はまだ無いと思いました。物語じたいは感動的で泣けます。
侍の精神を大事にしている俳優が侍を演じきった
上下巻累計で170万部を目前としたベストセラーとなった百田尚樹の同名原作を山崎貴監督が大ヒット作『永還の0』のスタッフ、キャストを再結集して映画化したものです。 主人公の国岡鐡造は、出光興産創業者の出光佐三がモデルに。国岡鐡造が独立したのちの半生と、出光興産をモデルにした国岡商店が大企業にまで成長する過程が描かれている作品です。
脚本も手掛けた山崎監督は、膨大な原作を凝縮して詰め込み、散漫さを感じさせないところはさすがです。但し、有名な日章丸事件(劇中は日承丸)については、日本人として世界に誇れる見せ場なので、アバダン港周辺だけでなく、イランの国中が日承丸の快挙に沸き返ったところをもっと描いて欲しかったです。
それでも全編を通じて、どんな逆境も「士魂商才」(武士の精神と商人としての抜け目ない才能とを併せもっていること。)の一念で跳ね返していく主人公の気骨のある骨の熱いドラマに圧倒されました。演じている岡田准一の気迫がヒシヒシと伝わってくるのです。
また、国岡と前妻ユキの悲しい別れも、短く断片的だけれど挿入されていて、ラストのワンシーンで涙に誘われました。国岡が仕事に打ち込む余りに、子宝に恵まれなかったことを気にしたユキは、自ら身を退くわけなんですね。この辺も、『ドラえもん』で「ドラ泣き」を誘発させた山崎監督の人間ドラマが巧みでした。
1945年。石油販売業の国岡商店本社は、廃墟と化した銀座で奇跡的に焼け残ったところから物語は始まります。
60歳を向かえていた国岡は、絶体絶命のピンチを向かえていました。石油配給統制会社に、戦前から反抗を繰り返してきた意趣返しで、戦後の輸入再開に向けた指定企業から閉め出されてしまったのです。それどころか、国内に残る石油もについても、意地でも回さないと石油配給統制会社の社長から告げられます。
近日中には、1000人もの海外拠点の社員が帰国してくるというのに、売るべき商品である「石油」がそもそもないという現実が国岡に襲いかかっていました。「店主、このままでは、国岡商店は潰れます。涙を呑んで人員整理を」という部下からの進言にも、「馘首はならん!」と解雇を断固拒否するのです。国岡は社員を家族のように大切にし、復興を信じて1人も解雇しようしなかったのでした。
終戦から生き残った店員を前に、国岡はこう訓示します。「愚痴をやめよ、愚痴は泣きごとである。亡国の声である」「日本には三千年の歴史がある。戦争に負けたからと言って、大国民の誇りを失ってはならない。すべてを失おうとも、日本人がいるかぎり、この国は必ずや再び立ち上がる日が来る」と熱く語るのでした。
戦後、住処も食糧事情もままならない情勢下で、日本の復興に向かって闘う男たちの物語が始まったのです。
国岡は回想します。思えば27歳の創業時も取引先が見つからず、倒産寸前でした。彼の人生は抵抗勢力との闘いの連続であり、いつも討ち死に覚悟の薄氷の歩む思いで切りぬけてきたのでした。
創業時の危機も、漁船に国内産でだぶついていた軽油を直販する当時としては斬新な手法で突破したのものです。当時の石油販売は、地域ごとの販売店による独占販売が認められていて、漁師たちは高い燃料代を余儀なくされていたのです。しかし海の上ならテリトリーはないだろうとしいうことで、国岡は船を駆り出して燃料を漁師に直接売りつける販売方法を展開したのでした。燃料販売店の顧客を海上で奪っていく国岡商店の神出鬼没さに、業界でつけられたあだ名が“海賊”だったのです。
その後国岡商店は海外進出し、急成長を遂げます。それに伴って海外メジャー石油資本との対立が激化していくのです。なかでも南満州鉄道に車軸油の納入成功までの経緯が描かれますが、そこでメジャーを屈服させたことが戦後の国岡商店に暗雲をもたらすと誰が思ったことでしょうか。
戦後石油配給の販売店指定を受けるまで、ラジオ修理などの副業でなんとか凌ぎきった国岡商店であったが、再び危機を迎えます。1953年。日系石油会社は次々とメジャーの支配下になっていったのかで、日本のエネルギー自給にこだわる国岡は、断固としてメジャーの軍門に降ることを拒否しました。この合併話にくだんの南満州鉄道での因縁が絡んでいたとは、メジャーの怨念悍ましや!
ところで国岡が掲げた信念は、今日の出光にちゃんと残っていました。先般の出光とエッソの合併発表において、創業家が断固反対したのも、本作を見れば頷けることでしょう。
メジャーの妨害に遭い、次々と石油供給元が断たれていくなかで、国岡は切り札として日本最大の大型タンカーの日承丸を建造します。油のあるところならどこでも買い付けに乗り付けて行くスタンスは、“海賊”としての面目躍如たるものがありました。しかし完全に供給を断たれて、国岡商店は再び倒産の危機に陥ります。追い詰められた国岡は、石油を国有化し英国と係争中のイランのアバダンから、石油を仕入れることを決意するのです。英国海軍に見つかれば拿捕されたり、轟沈すらも考えられる命懸けの航海に、部下たちは大反対!
しかし、船長以下日承丸クルーの命懸けのリスクをモノとせず、社歌をを歌い、鼓舞しあう意気軒昂さに感動しました。そこには、創業当時に船で燃料を売りさばいていた頃の、海賊と呼ばれていた国岡スピリッツが完全に伝承されていたのでした。
本作で、「石油のために戦争し。石油のために敗れた」日本の未来を見通していた国岡鐵造の男気と決断力は、きっと真のリーダーにふさわしい魅力を感じさせてくれて、大きな感動に包まれることでしょう。
全39件中、21~39件目を表示