「エンタメ映画系統の王道」海賊とよばれた男 とまちゃんさんの映画レビュー(感想・評価)
エンタメ映画系統の王道
永遠の0と同じく百田原作・山崎監督・岡田主演ということでした。
映画としての完成度は相変わらず高く、演技はとても分かりやすく説明が丁寧なので老若男女楽しめるんじゃないかと思います。
原作を読んでいませんが、青年期と老年期を交互に描いたのも上手だと思いました。
永遠の0と同じく順を追って描くこともできたと思いますが、その演出により「史実の記録的映像作品」と一線を画している効果があると感じました。見ている側に「想像する余地」を残してもらえたというか、考えながら能動的に見れました。
私は歴史系映画だと「シンドラーのリスト」が人生観を変えたほど好きです。
史実とはかなり異なるそうです。それでも観た人に、考えさせ、影響を与えていることを考えると、映画としての価値は揺るがないと思っています。
この映画は何を描きたかったかをふと考えてみました。
原作に忠実にしたかったのか、原作のさらにモデルとなった出光さんの史実を残したかったのか、日本人としての本質とは何かを見せたかったか、、、、など。
多分全部の要素があるんだと思いますけど、もし「先輩たちが命懸けで守ってくれた日本」に本質を持って描いていたとしたら、勇気をもって「出光」さんの映画として欲しかったです。そしてその人生の中で、どういった情景を見て、戦って、守ってくれたか、にフォーカスした脚本も見てみたかったです。
百田さんの映画をそのまま描きたかった場合は問題ないのかもしれませんが、その場合、どういう感覚でこの作品を見たらよいかが頭の整理が難しかったです。
そういったもやもやが残ってしまい、感動しきれなかったなぁという感想でした。
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