「どこまで事実かわからないけれど、いい話にしようとしてだいぶ盛っている感じがする。」海賊とよばれた男 Push6700さんの映画レビュー(感想・評価)
どこまで事実かわからないけれど、いい話にしようとしてだいぶ盛っている感じがする。
原作は読んでいません。
面白そうな本だとは思ったけど、本を買ったり読んだりするのは苦手なので読まなかった。
でも映画なら見られると思って見に行きました。
予告編やいろいろな宣伝を見たイメージとしては、戦後に商売を始めて成り上がっていった人物で、日本の国益を守るために貢献した偉人を想像していました。
でもだいぶ違っていた。
映画は終戦直後から始まって、岡田さんがいきなり老人の特殊メイクで出てきたので、偉人ではなく逆に戦犯的な人なのかもしれないというイメージに変わった。
見終わった後もその印象はあまり変わらなくて、いい話にしようとしているけど、これでは海賊と言われるかもしれないと思った。
海賊といってもワンピースのルフィではなく、悪い方の海賊です。
別にそれならそれでいいのだれど、偉人伝を期待していたので、ちょっと期待はずれでした。
個人的印象としては、題名のとおりで、主人公の田岡は腕っぷしが強くて度胸があって、大きな船を襲って宝物をとってしまうような人物のような気がしました。
すべて合法で、なんでも筋を通すりっぱな人のように描かれていたけれど、これだけ周りとケンカしていて軍とも結びついていたわけだから、全く非合法だったり非人道的なことをやってないというのはちょっと無理があるような気がする。
商売は基本的にお金の取り合いだから、現在みたいにそれが巧妙に隠されている時代ではないし、かなり荒っぽいこともやったと思います。
そうやって成功してきたから、石油メジャーとも対立して、一歩も引かず、勝つために裏をかくような苦肉の策で、乗組員の命を危険にさらしてタンカーをイランに行かすようなことをしたとも考えられます。
この映画見ていて一番おかしいと思ったのは、出港してかなりたってから、この船はイランに向かいます、と乗組員に伝えるところ。
命がかってるのにそれはないだろうと思いました。
見る前は、日本のため、イランの人のため、自らの被るすごい危険を顧みず、自社のタンカーをイランに派遣だろうと勝手に思っていたので、かなりがっかりしました。
綾瀬はるかさんのところも盛りすぎのような気がする。書かないけど、かなり無理がある。
他のところも変にいい話にし過ぎていておかしい。
やるなら、題名のとおり善人なのか、悪人なのかわからないような感じにしてほしかった。