劇場公開日 2016年12月10日

「最大公約数的映画」海賊とよばれた男 しんさくさんの映画レビュー(感想・評価)

1.0最大公約数的映画

2016年12月12日
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鑑賞方法:映画館

今年ワーストか!山崎貴節炸裂!まずは冒頭の空襲シーン。お得意のVFXを使ってさぞやスペクタルなオープニングを演出したかったんだろうが、CGはちゃちいは物語のテーマともそぐわないはで意味不明。予算の無駄遣い。おかげで開始10分で寝落ちしてしまったではないか!
その後も「困難な時代を熱い信念で乗り切った男達」を描きたいんだろうが、その演出がなんとも軽薄で説得力がない。問題に直面しても、次のシーンではあっさり解決してしまう。テーマは重厚な史実ものだけに、少しはシリアストーンで描けばいいのに。緊迫感のかけらもない。
名だたるスター俳優勢揃いだが、みんな個性を押しつぶされ、画一的なキャラになっている。綾瀬はるかにいたっては、出ただけ損。「綾瀬はるか出しときました」的存在。染谷君もいい役者なのに可哀想。岡田くんも変な監督に気に入られたもんだ。國村隼はいつも通り^_^
あとは、ことあるごとに後ろにうっすらと流れるストリングスが、途中から鼻について仕方がない。奥深く深層をつくべきシーンではあっさり終り、どうでもいいシーンでは湿っぽくダラダラながい。だから上映時間は160分。午前中に接骨院で腰もんでもらったのが無駄になった!
石油メジャーに屈することなく立ち向かった男達を描くのならば、日本メジャー映画特有のナンチャラ委員会が欲する「最大公約数」的要素に屈せず、彼らの真の姿を描いて欲しかった。シン・ゴジラはそれができたうえに興行的にも成功してるよ。山崎貴、もうそんな時代じゃないよ!
「何回も歌われる船乗りの唄?のような劇中歌が、暑苦しく時代錯誤で辟易としていたのだが、なんとエンドロールで山崎貴作詞ということが判明し驚愕!もう勘弁してくれ!

しんさく