マジカル・ガールのレビュー・感想・評価
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あり得ないけど面白かった
主要な登場人物が、外見や話し方はごく普通なのに心が病んでいたり何かしら
波乱を生む要素を持っている。
だからこその、予定調和ではない意外性のある展開と結末。普通の人ならあんな行動に
出ないはず、という事をやってしまう所に面白さの秘訣があると思った。
現実的でない物語であるにも関わらず、観ている間はそれをあまり気にすること無く
ただただ予測できない展開を楽しんだ。
監督「Nippon」で映画を撮ってください
まず、本作で驚かされるのは、ジャパニーズPOPカルチャーが、スペインにまで波及していることです。
白血病で余命いくばくもないアリシア(ルシア・ポシャン)は日本のアニメ「魔法少女ユキコ」に夢中です。
少女にとっては、アニメの世界と現実は結構リンクしていたりします。
自分も「ユキコ」のような、かわいいフリフリの衣装を着てみたい。
少女のささやかな夢を叶えてやりたいと思うのは、彼女の父親ルイスです。
現在失業中。
お金もない。
明日の生活が出来るかも分からない。
しかも愛する娘は白血病。残された時間に、娘アリシアの夢を叶えてやりたい。
そこで父親ルイスは、ある行動を起こすのです……。
この映画、新人監督カルロス・ベルムトさんの、人物の描き方、ストーリー展開がおもしろい。
本作で特徴的なのは、主人公は一体誰なのか?ということ。実に興味深い脚本であることに気づかされます。
まずは「主人公はアリシアだ」と観客に思わせておいて、次に父親ルイスを描き、次にたまたま遭遇した人物に「ストーリーの流れ」そのものを、いわば「放り投げて」任せてみたりします。
一つの映画作品の中で、たったひとつであるはずの「主役の席」を、次々に別の人物が、交代して座ってゆくみたい。
いわば、主役のリレー方式。
主役のバトンを受け取った人物は、作品中で「そのシーンだけ主役」なのですが、次のシーンになると、主役のバトンをポイっと次の人に渡すのです。
これはなかなか面白い演出手法です。
ただその分、観客にとって、いったい本作は誰を描いているのか? 何が描きたいのか? いまいち焦点がぼやけてしまう、という難点があります。
そこをあえて、面白がれるか? というのが、観客の懐の広さを試されているところなのでしょう。
新人監督カルロス・ベルムトさんは1980年生まれ。今年まだ36歳。
日本の「ドラゴンボール」が大好き、とのこと。
日本のポップカルチャーが、遠くスペインの地で、若き映画監督に大きな影響を与えているなんて。
ネットの影響もあり、文化の違いはあるものの、まさに世界は一つにつながっているんですね。
劇中で使われる日本のアイドルソング。演歌歌手になる前の長山洋子さん「春はSA-RA SA-RA」
こんな曲、僕も知らなかったなぁ~。
カルロス・ベルムト監督、一度、日本に来て、是非映画を撮ってください。
いつか、そんな日が来るのが楽しみです。
語り口の妙♪
伝えたい事を実に丁寧に、そして伏せたい事をさらっと見事に自然に流した、恐るべき語り口──。
只今失業中の父の娘は余命わずかな(←白血病)
「魔法少女ユキコ」
が大好きな少女。
その娘さんは
「ユキコの格好して踊りたいっっ」
んだって☆
なので父、奮闘、奔走、、迷走する…。
全て、ただ ヒ タ ス ラ に……。。。
走る先にわ、そう、バルバラが居る。
影やら過去やらがある女性
バルバラ
に偶然出会う。
バルバラが居るからこそ奔走するのか、
それともハタマタ
バルバラが居るからこそ“結果”迷走に着地するのか...。
是非とも御安心下さいませ♪
例えば気ぃ抜いて観てたとしても
じんわりぃとぉ(笑)
その都度ぉ(笑笑)
衝撃がアラマΣ(゜Д゜」コンニチワ♪♪
傑作っっ!!
Magical Girl
directed by Carlos Vermut
何とも言えない、独特の後味
劇中に出て来るパズルの様に、見事に組み上がるストーリー展開と最後まで埋まらないピース。何とも言えない後味が残る作品でした。日経映画評にも有りましたが、監督は大の日本通。抑制の効いた映像表現と、コスプレ少女の意外な組み合わせが妙。エンドロールにはピンクマルティーニの「黒蜥蜴の女」、痺れました。
難解だな
期待一杯で観に行ったのだが・・・・
1本目で疲れていた事もあって、プロローグが静かすぎて・・・
不覚にも寝てしまいました。
中盤もウトウト
しかし、後半は訳も分からないのに面白い!!
機会があればもう一回観たいと思います。
少女の純粋な引き寄せが思わぬ結果を引き寄せるなど納得出来ない!
人生は自己の想い通りにはならず、コントロール出来ないもの?
それとも人生は自分の強い意志に因って改善出来るものだろうか?
それとも、あなたはそのどちらも信じないだろうか?
この作品は、人が基本的に何を信じて人生を何の為に生きるのかと言う価値観でこの映画の観方が大きく変化するのではないだろうか?
病気の少女アリシアは、将来の夢をノートに記す。だがアリシアは夢の実現に関係なく、一人で大好きなアニメと歌に合わせて歌い踊り、自分の境遇に関係なく自分の人生を受け入れて、その中で自分が出来る楽しみを探し出し、日々を生きる。
一方、バルバラを取り巻く全ての大人達は、今の現実に不満が有れば力ずくでも現実を変化させる事や、今の世界を維持する事に躍起になり、現実を受け入れると言う選択をしようとはしない。
ここに、自然と共に存在する日本人観と或いは夢や希望、欲望の為なら、手段を選ばないと言う西洋人観、その両者の基本的な生き方の相違が描かれていた様に思うのだ。
アリシアの父のルイスも娘の夢を叶える為に、悪いとは知りつつも悪に手を染めていく様が描かれているが、果たしてこんな選択をする親がいるのか?
一見するとさも有りそうな選択だが、普通の大人はこんな選択をしない。そしてバルバラを取り巻く大人達も現実的にはこのような行動を取る事も先ず、普通は無いだろう。
女や愛する者の為なら、男は手段を選ばず人生を自ら転落させると言うのも極論過ぎて付いて行かれない。
こんな群像劇は理解出来なくて結構だ!
今日では、世界で何があろうとも、メイドインジャパンの物が各国で愛され、受け入れられる背景には、日本人が各国の文化を猿まねし、オリジナリティーに乏しいと揶揄されようとも世界各国の異なる文化や習慣、宗教の全てを受け入れ、評価し共存する姿勢を貫いて生き、さらにそれらをヒントにして異なる文化をより良い物へと昇華して来たからこそ、今日では日本の製品は世界の中で愛されるのだ。
対立せずに取り込んで進化させて行く文化が有るからこそ、日本が世界から愛されるのだろう。
映画的には工夫を凝らした実験的な作品と言えるかも知れない。
それ故、映画祭を始め、評価の高い作品だが、しかしそれだからこそ、こんなマジカルに引っ掛かってはいけないと作者は言っている様にも思える作品だった。
つらつらと考える・・・
あまり映画の余韻には浸らない方でして、その場で鑑賞、その場で満足っていうのが私のスタイルなような気もするのですが、この映画に関しては、見終わった後も、なーんとなく思い返しては、あれはこういうことかぁとか、こういう気持ちかぁ、なんて考えたりしちゃっている自分がいますですね・・・ これがやっぱりバルバラの魔力なんでしょうかね・・・
正直言って、そこまで良くできた作品とも思わなかったですし、有無を言わせぬ鑑賞体験というわけでもなかったので、見終わった後はどうかなぁ、なんて思っていたのですが、やっぱりきちんとバルバラの魔力にかかってしまっていたようです・・・ うーん、危険です・・・
びっくらこいた!
白血病の少女アリシアは、日本のアニメ「魔法少女ユキコ」が大好きで、彼女の願いはユキコのコスチュームを着て魔法を使えるようになること。
娘の願いをかなえるため、失業中の父は、そのコスチュームをネットで検索…これがバカ高い!
しかし、その高額なコスチュームを何とか買おうとする。
それをきっかけに運命が狂っていく…
ブラックコメディを織り交ぜながら、群像劇として巻き込まれていく登場人物たち。ある瞬間から繋がっていく。
心を病んでいるバルバラという女性は、いつも上までキッチリとボタンを閉めたブラウス。それが人生とボタンの掛け違えを象徴してるかの様。
またパズルが好きな老人、たった1ピース足りない為にパズルが仕上がらない。これも人生が狂っていくような象徴でお見事!
終盤、口が大きく開いた程の驚き!
想像を遥かに超えましたよ!
この監督、侮れません!!
マジカル・ミステリー・ムービー
スペイン語を勉強中なので、せっかくだから観てみようかな?的な感じで行きました。
が、期待以上に面白かった!所々に小細工が効いているというか、
「うーんなるほど~」と思わせる感じが。
効いているといえば、なんといっても「春はSA-RA SA-RA」、これでしょう。この曲をチョイスした監督のセンスが凄い。日本人だって知らない人が多いのでは?
シリアスでダークなストーリーになりうるこの作品を、イイ感じに外しています。
「春はSA-RA SA-RA~♪」、しばらく頭の中をヘビロテしてしまいそうです(笑)。
65点
宮台先生のレビューを補助線に、「白夜行」に類似する一方的贈与(個人的には一番好きな愛の形。海外の映画見て思うのが、日本て鎖国~いきなり近代戦争に突き進んだ結果、世界との意外にも近い距離感に気付いてないような
俺の解釈
正直エンドロール見ながら「なんじゃこら」って思ってました。
がしかし、家路に近づくにつれじわじわ襲ってくる、すげえ映画見ちゃった感。
あー、これってエヴァの最終回なんだ。
理解不能な様で理解力を見てる側に委ねてるんだ、ヒントはまどかマギカと江戸川乱歩とセーラームーンとフィルムノワールなんだ。
つまりこの映画は魔法少女であるアリシアと、魔女になってしまったバルバラとの間接的魔法バトルなんだと思う。
魔法は願いであり、呪いであり壮大な力で周囲をも巻き込んでしまったのだろう。
魔法少女は愛する家族に願いを求め、魔女は殺し屋を惑わす、対価として自分の命をBETする。
魔女はパズルのピースを、魔法少女はラジオに魔法をかける。
互いの使者としての父親と、殺し屋の個性付け。
魔法少女は文系の男を使い、魔女は理系の男を使う、文系と理系どっちが強いのだろう?
ラスト近くの悲劇的なシーンがとてもとても印象深い。
意外とスッキリ
意味がわからないシーンも後で必ず回収してくれる。それでいて、抽象的な表現で想像を掻き立てる。そのバランスが良い。「何だかよくわからないけど、このおっさん相当な変態なんだろうな」みたいな。ハマる人にはハマる違和感だと思います。
モヤモヤがあって当たり前
どうしてこうなるの!?って疑問がたくさん出てきて、そのモヤモヤが溜まりに溜まったにもかかわらず、一つも解決されない映画。
無駄に間の長い演出と、長回しカットがその不気味さを増長させる。
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