「魔法にかかった人、鑑賞注意。かつて魔法をかけていた人も鑑賞注意。」マジカル・ガール しんざんさんの映画レビュー(感想・評価)
魔法にかかった人、鑑賞注意。かつて魔法をかけていた人も鑑賞注意。
めちゃめちゃ全力でネタバレ、いくよ。
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ある男はかつて少女の魔法にかかった。
一方もう一人の男は少女への無償の愛ゆえ、すでに魔法にかかっているのだが、少女が余命幾ばくもないことを知り、暴走を始める。
男を魔法にかけた少女は、魔法にかからない「術師=精神医」に従われ、力を失いつつある魔女(こじれたオンナ)となっていたが、別の魔法少女の使者からの攻撃を受ける。
かつての少女に魔法をかかられた男は、彼女からの助けの声に応じ、反撃に出て、敵側の魔女に対峙したが、その魔力に囚われそうになり・・・
ネタバレ厳禁の本作だが、それを知ってたほうが楽しめるし、そういう風に見ると、各エピソードが興味深く浮き上がる。
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つまるところ、アリシアはバルバラのかつての姿。バルバラはアリシアののちの姿。
ダミアンに【魔法をかけようとする】アリシア。ドレスにステッキ、そしてそのまなざし。フル装備である。
かつての少女に魔法にかかってしまっているダミアンは果たして。
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要するに、
魔法少女誕生と、かつて魔法少女だった女の、その行く末、そしてそれにかかわった哀れな従者のお話。
と書けば、それっぽいのが好きな人は、面白そう、と思うかもしれないが、残念ながら「そんな絵」はない。
面白いのは間違いないが、かつて魔法にかかった大きなお友達は鑑賞要注意。この映画を観て気が重い、と言っている人はアリシアのことではなくて、「自分」を観たからだろう。
追記
こじれた魔女の、すさんだ金策が怖く面白い。魔法少女のなれのはて、自称魔法少女も鑑賞要注意、ではある。
結果的に「魔法グッズ」のために奔走しているし、金策への飛び込み方が逆にリアル。
追記2
ドレスよりも魔法のステッキのほうが3倍も値が張るのは、その象徴だからだろうか。
追記3
ラストの携帯電話のくだりは、要らないような気もする。あれは男が魔法にかかった瞬間なのだから。