ドリーム ホーム 99%を操る男たちのレビュー・感想・評価
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やっぱり、のガーフィールドが素敵だ。
アンドリュー・ガーフィールド
「アメイジング・スパイダーマン」が有名だが、映画ファンのなかでは、「ソーシャル・ネットワーク」「わたしを離さないで」の、
「頼りんなんねえなあ」
な男を演じたら、右に出るものはいないうまい役者として知られる。
「ドリーム ホーム 99%を操る男たち」
99%を操る、というフレーズで大体この映画の内容が分かる。
世界の富の4分の1をたった1%の最富裕層が所有しており、残り99%は貧困である」(ジョゼフ・E・スティグリッツ)という説のお話で、金儲けのためなら何でもする、1%の方舟に乗らんとするやり手の不動産屋と、銀行に家を差し押さえられたガーフィールドが、その彼の元、違法に加担し、のし上がっていくお話。
そう、オレらの世代だったら、もうあれ、オリバー・ストーンの「ウォール街」。正直、まんま。
ただし、あちらは「バブル的」「ゲーム的」要素があり、あくまでエンターテイメントとしての作りだったのに対し、こちらは暗い。ひたすら、もうね、ほんと嘘みたいにあちこちで退去命令が行われ、その描き方は手持ちのドキュメンタリー風で、観ているとやはり滅入る。
面子も同様に、マイケル・シャノン演じる不動産屋に、マイケル・ダグラスのゴードン・ゲッコー(この役名、絶対忘れねえな)のような華はないし、ガーフィールドには、チャーリー・シーン演じるバドのような、バブル感、浮かれ感はない。シングルファザー、自分の家の退去、という設定がひたすら重い。
物語の展開も、まあ、違法に手を染めたガーフィールドが、良心の呵責から行動を起こすが、まあ、してやった感もないし、爽快感もない。
ラストのガーフィールドの涙は、やるせない思い、後悔もあろうが、言っちゃ悪いが、
「一つの家庭を救ってやったから、ごめん、許して、オレも被害者なのよ。」
ともとれる、その面構え。故に、ガーフィールド最高。
中盤の、退去させた一家のおやじに詰め寄られ、逆ギレでしらを切るシーンなど最高である。
家とアイデンティティー
夢のマイホームと言うけれど、その夢の為に人は…
度々映画の題材になるくらい、リーマンショックはどれほどアメリカ社会に影響を与えたか。
しかし世界的金融危機と言われても、遠い異国の金融界で、尚且つお金の動きに疎い者にとってはピンと来ない。『マネー・ショート』もちんぷんかんぷんだった。
金融業界やその世界に携わる人たちを描いても分からない。が、我々と同じ一般市民の立場だったら…。
本作で描かれている事はリーマンショック後の波状効果かもしれないが、そもそものリーマンショックの原因が住宅市場の悪化らしいので、あながち間接的でもないかもしれない。
実話に基づく。
リーマンショックによる不況で失職したナッシュ。
母と幼い息子と持ち家で3人暮らし。
懸命に仕事を探すも、当ては無く…。住宅ローンも滞りがち。
それでも猶予があったが、事態は急転。
不動産ブローカーのカーバーにより立ち退きさせられる事に…。
この立ち退きシーンが悲痛。
要は突然ブローカーが警察とやって来て、「出ていけ」。
裁判所の書類を持ち合わせ、完全に法を盾にし、なす術も無い。
必死に抵抗・訴えるも、これはもう決定事項。
住み慣れ、思い出が詰まった我が家が奪われる。
しかも、ほんの数分で必要なものを揃えて即刻立ち去れ。
そんな数分で準備出来るもんじゃない。何という無情さ…。
真っ昼間、近所の人たちが見ている前で…。
家を追い出され、家具も運び出され…。
生き地獄。
いくらローンが滞り、法とは言え、執行した側は人の感情があるのか…?
もし、自分がその身になったら…? いや、なってみろ。
が、一切同情も感情も表さないカーバー。
彼は人間なのか…?
立ち退いたナッシュと家族はモーテル暮らし。
ショックだが、生活していかなければならない。
立ち退きの時に仕事道具を紛失し、カーバーが雇った業者が盗んだに違いないとカーバーの会社に詰め寄る。
しかし、これがきっかけで…。
カーバーから仕事を与えられる。
誰かが立ち退いた空き家の掃除。中は文字通りのク○まみれ。
思っていた以上の報酬。
母も息子も大喜び。
以来、カーバーの下で働く事に。
この時の心情ってどんなものなのだろう。
雇い主は自分の家を奪った憎い相手。
そんな奴から仕事と金を貰う。
複雑だろう。
が、母と息子、生活には変えられない。
相手には罪滅ぼしと思って貰おう。
無論カーバーは微塵もそう思っておらず、なかなか使える奴と仕事を振る。
ナッシュに目的が出来た。
家を取り戻す。
カーバーの下で働き、カーバーに金を返していく。
そんなカーバーから正式に雇われる。
それはつまり…
貧しい人たちから家を立ち退かす側になる。
皮肉な話だ。ほんの少し前までは立ち退かされる側だったのに、奇妙な成り行きで自分が立ち退かす側に。
立ち退かした人たちは、自分と同じ境遇。
面と向かうのも、勧告をするのも、実際に立ち退かさせるのも、心苦しい。
相手から容赦ない言葉を浴びせられる。人でなし!
自分もそうだったから故に、板挟み。仕事ではあるが、立ち退きを勧告した人たちにかつての自分を重ねる…。
カーバーからは甘いと苦言。
これが自分の望みなのか…?
しかし、報酬は素晴らしい。
世の中って不条理。仕事も金も無くて苦しんでいる人たちもいれば、易々と大金を稼ぐ者もいる。
ずっと前者として生きてきた。なのに、一転して後者へ。
勿論それは真っ当な仕事ではなく。
だが、大金が稼げる。夢でしか見た事のない大金を。
それは自分を麻痺させていく。
元の持ち家どころか、豪邸も買える。
豪邸を買い、母と息子を連れていく。
ところが…
母と息子は拒否。
仕事内容を知って、批判。
私たちを苦しめた仕打ちを、自分で見知らぬ人に課すなんて。
仕事と大金と豪邸と引き換えに失ったものは…。
あまりにも大きく、痛かった。
そんな時カーバーから、完全違法の仕事を任される。
しかも相手は、知人。
それに手を染めてしまう…。
家を奪われた知人は逆上し、事件を起こす。
そうさせたのは、自分。
善悪の狭間で揺れ動き、ナッシュが取った行動は…。
アンドリュー・ガーフィールドの熱演光るが、マイケル・シャノンがやはり巧い。
このクセ者ぶり、狡猾な憎々しさ。どんな役もハマるが、憎まれ役をやったら当代ピカイチ!
社会派題材を見る者にも比較的分かり易く、サスペンスを絡めた演出や脚本が見事。
ミイラ取りがミイラに…ならぬ家を取られた者が家取りに。
ラストのナッシュの行動には救いを感じたが、この闇落ちが実話だという事に驚かされる。
一体、何をどう間違ったのか…?
己の弱さか…?
それとも、
世界的金融危機から始まった不況の煽りか…?
大金を手にした代償はあまりにもデカすぎた!
ニュースの真相。
マネー・ショートの解りやすい版
ラストのもって行き方だけが残念。
リーマンショックの裏で、何がアメリカに起きたのかを切り取った一本。
立場・視点は違えど『マネー・ショート』の兄弟のような立ち位置で、こちらのほうが身近でさらに下衆くてエゲツ無いのが心地よかった。
どんな状況でも「勝つ奴は勝つ」、弱肉強食の絶対的法則。
法を逆手に取った人食い鮫の進撃は、見ていて分かり易い分『マネー・ショート』よりも勉強になるかもしれない。
いつもながらの「顔力大王」マイケル・シャノンに、ヒョロリとした頼りなさが魅力の元スパイディ。
主演の二人の演技も真に迫っており、まさにアテ書きのようで良かった。
のだが。
ラストの運びだけが残念だと思ってしまったのだけが悔しい作品。
暴走トラックが最後だけ赤信号で止まるってのは、やはり粋じゃないよ。
興味深い内容だった。
よかった
制度を逆手にとって裏をかいて金を設けるところは地味だけどハラハラして面白かった。また大工のスキルで不動産業界で出世してくところもよかった。主人公が被害者から泥に手を突っ込む加害者になっていくところに人生のままならしさや悲哀を感じた。
全く退屈せずけっこう面白かったけど、深い感動などはなく期待していたほど心に残らなかった。
悪徳商法版「仁義なき闘い」?
コレ実に秀逸!
最初から最後まで高い緊張感!ガーフィールドの演技は見事!特にラストの描き方がイイ!
あのシーンは「永遠に語られる」...と言っても過言じゃないかと思う。ネタバレになるんだけど、良心を取り戻した主人公に対して、上司が主人公の肩をたたいて褒めたシーン。実に印象的じゃわ。
あぁ恐っ
パーカー
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