果し合いのレビュー・感想・評価

藤沢周平の、下級武士を題材にした一連の時代劇の系譜に属する作品。

やはり、『たそがれ清兵衛』程の満足感はありませんが、稀代の名優・仲代達矢あっての企画でしょう。

かつての時代劇全盛の時代であれば、１時間でまとめられた小品ではないかと思います。

それでも、逆に時間をかけて、キャラクターを掘り下げたことで、この時代に生きていた人たちの、「幸福」観が見て取れます。

とても考えさせられた作品でした。

主人公（仲代達矢）は訳あって独身の老人で、甥の家に居候している。
慕ってくれる甥の娘（桜庭みなみ）の相談にのるのだが、これがみんなをかき回すことに。
若い二人のこれからが不安。

仲代達也の目力、剣を使う時の凄ざましい迫力！唯一慕ってくれる孫娘への
愛情を注ぐ眼差し！やっぱり凄い俳優である。

カメラワークが素晴らしい。
適度な間の取り方が効果的で引き込まれました。
仲代達矢さんの演技は圧巻。
姪の表情は輪廻転生を感じさせる深みがある。

久しぶりに映画でなければ描けない作品を観ました。

何度も繰り返し観たい秀作です。

「藤沢周平 新ドラマシリーズ」第1作。

サンテレビの「年末時代劇」での放送を鑑賞。

仲代達矢の演技に引き込まれました。
愛した人たちへの罪滅ぼしのために果し合いに臨み、若者たちに優しく手を差し伸べる姿に感動しました。

迫力の居合いに息を呑みました。命のやり取りが見せる緊迫感がハンパじゃなかったです。気迫が生半可じゃないなと思いました。

仲代さんは、いつもの通り。
ふつうに原田美恵子もいい。
そして、サムライ映画の常。雨がふる。涙はちょっと。
それだけだ。
映画としてはＴＶ程度。