「音楽家は楽器、私はオーケストラを演奏する」スティーブ・ジョブズ shimoさんの映画レビュー(感想・評価)
音楽家は楽器、私はオーケストラを演奏する
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映画「スティーブ・ジョブズ」(ダニー・ボイル監督)から。
作品の中で、こんなセリフがある。
「前に小澤征爾にあった。すごい指揮者だ。技巧も表現もね」
さらにジョブズが「指揮者とメトロノームの違い」を訊くと、
小澤は「音楽家は楽器、私はオーケストラを演奏する」と
答えたらしい。
また、ジョブズと一緒に開発をしてきた仲間が、こう呟く。
「君はプログラムも書けない。デザイナーテーでもない。
釘も打てない。基盤は僕が・・Macは他人の業績。
なのに、なぜジョブズは天才だと言われる?」と。
その楽器でいい音を出しているのは、楽器演奏家なのに、
脚光を浴びるのは、いつも指揮者だ、という不満かも・・。
それを受けてか「君は何をした?(What do you do?)」と
問い詰められた時、サラッと言う。
「オーケストラの演奏さ。君は音楽家としては一流だ。」
小澤征爾さんが答えた台詞が気に入っていたのだろう。
だから、自分が全ての楽器を完璧に演奏できなくてもいい、
今、求められている人物は、個々の力を引出して、
全体としていい音を出す指揮者のようなリーダーだ、
そう言いたかったのだと思う。
「スティーブ・ジョブズ」を一言で表現するとすれば、
間違いなく「オーケストラの指揮者」だな。
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