「吹き替えで見たい」スティーブ・ジョブズ しっぽさんの映画レビュー(感想・評価)
吹き替えで見たい
しゃべるしゃべる。
映画の8割ぐらいは字幕を読んでた気がする。
おかげで画面全体は見れず、内容に集中できなかった。
できれば吹き替えでもう一度みたいな、と思うけれども吹き替えはやってないのね・・・
私が文字を読むのが遅いというのもあるかもしれないけれども
読むことに必死で「なぜ今言い争いが起きているのか」が不明な部分もちらほら。
最後の発表会直前のスカリーとジョブズの言い争いがそれ。
なぜやめさせられたかーみたいな内容??
とはいえよかった部分もたくさんある。
まず絵の構成。
最初のマッキントッシュの発表会時の映像はフィルムの、まさに当時の映像を彷彿させるかのようなざらざら感。
そして2部はそれがちょっとキレイになりつつもまだ未完成。
3部はざらつきも気にならないほどのキレイさ。とはいえ2016年の映像技術ほどキレイにしていないのがまた良い。
次にジョブズという人間の内側の描かれ方。
自分の信念は変えず、人にも無理を押し通す。
娘は認知せず(実際違ったわけだけれども)自分のことだけ。
そんな印象を最初には与えつつも徐々に人のことも気にかける様子がちりばめられてくる。
それがピークに現れるのは3部の発表会直前の一人で机にうつむいているシーン。
リサに抱きつかれたシーンが1フレームずつまばらに入ってあるのはジョブズの脳裏にちらついている様子が感じられた。
そしてラストの外でリサと対面しているシーン。今まで「コンピューター会社は時間厳守が命」とエンジニアに直す時間を与えなかったジョブズが、リサと話している最中「遅れてもいい」なんていうとは。
終盤だからこそ、変わったなーと印象深い。
で、結局ジョブズの性格とかもろもろはわかった。
この映画は日本語版キャッチコピーの「口先一つで世界を変えた男」というのがずるい。絶妙にずるい。正直このコピーがなかったら見ていなかった。
けど発表会が始まってからはカットだし、iPhoneやiPodとかのアップル社の売れた主力はノータッチで、スティーブジョブズが何を変えたのかはいまいち伝わらない。
実際まくし立てている内容はジョブズのわがままばかりで「何がそんなに大切なのか」はわからない。ジョブズの胸の内。
そして「口先の何がすごいのか」もわからない。
ウォズの「What did you do?」は「それな!!!!」って感じ。
もうちょっとジョブズの背景とか勉強してから見れば違う見方ができたのかな。