「ここで習えば運転が楽しくなりそう」森山中教習所 かせさんさんの映画レビュー(感想・評価)
ここで習えば運転が楽しくなりそう
原作は真造圭伍の同名マンガ。
監督は怪談新耳袋の豊島圭介。
【ストーリー】
生きる意欲がなく、何事にも興味のもてない主人公清高(野村周平)は、彼女と別れ話をした帰宅途中、ヤクザの車に轢かれる。
事故の隠ぺいのためにあわや埋められかけた清高。
ドライバーの轟木(賀来賢人)は兄貴分から、
「ちゃんと教習所で(運転)教えてもらった方がいいなお前は」
と言われ、なぜか清高と二人で山間部の非公認教習所へ通うことになった。
廃校を利用した、なんともゆるい空気の自動車学校、一家で切り盛りしているらしきその教習所、実技教官の上原サキに、清高は恋をしてしまう。
思わぬシチュエーションで再開した同級生二人の、大人になるための少しの経験を積む、青春ちょっとだけ成長ストーリー。
現実の社会から隔絶されたある種のユートピアで、ゆるーいアットホームな空気の中、おちゃらけ大学生清高と、インテリ風ヤクザ稼業の憂いを背負った轟木が、お互いの距離をちぢめます。
ヒロインの上原サキ役はあの『時効警察』の麻生久美子。
YOUにつづくお色気のうすい、お顔の筋肉少ない系女優さんです。
原作はいわゆるアート系マンガで、軽いテイストの作風ながら、結構キツめの内容が語られることも。
生も死も幸も不幸も平和も暴力も並べて提示する、ああいう感じです。
自分の自動車教習所時代を思い出して、「あークランク懐いなー、車庫入れぶつけてる子いたなー」なんて思い出しながら、合宿所の空気感を楽しめますよ。
もちろん自動車教習所に通ったことのない人にも、普遍的に楽しめる内容ですからご安心を。
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