「目の付け所と、それを生かす仕事。」ビューティー・インサイド 好きこそモノのヘタレなれさんの映画レビュー(感想・評価)
目の付け所と、それを生かす仕事。
アイディアと丁寧な仕上げでまだまだ面白い映画は作られる!と改めて強く感じた一本。
123人一役という一見乱暴な点以外は、至って小細工をしていないシンプルさ。
だからこそ着想の面白さが生きているなと感じた。
余計な装飾をせずに、ただ、非常に丁寧に「必要なものだけ」を描いていたことが非常に心地好い。
日本ではただの主人公のオサレ飾りになってしまう「家具職人」という主人公の設定も、ちゃんと必要性をもって物語りに組み入れられていることが一番の例だろうか。
そもそもの原案のアイディアに日本企業がかかわっているのに。
今の邦画界ではなぜこの作品が作られなかったのだろう?
決して技術的に難しいことも、目新しいこともしていないのに、なぜこんなにこの作品が素晴らしいのだろう?
主演のハン・ヒョンジュ氏が抜群にかわいらしい女性を演じていたことだけではないと思う。
(上野樹里氏との格の違いは観ていて切なくなったよ、本当に)
作品が素晴らしい出来の分、かえってモヤモヤが残る作品。
ここにアジア諸国と日本の「映画の質」の格差があるんだよな。
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