映画 聲の形のレビュー・感想・評価
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大切な作品に出会えました
友人に薦められ半年ぶりくらいに映画館に行って見てきました。原作は未読でしたが、公式サイトをのぞくとポップで可愛らしい造形のキャラクターが出てきて、ほんわりした内容なのかな、というのが第一印象でした。薦めてくれた友人から、聴覚障害やいじめを取り扱った内容だとは聞いていたのですが、絵の明るさから、割りと気楽な気持ちで見に行きました。
この映画は、そんな印象とは全く裏腹に、今まで見た映画のどれよりも強く心を揺さぶりました。扱う題材ゆえ印象的なシーンは数多くありましたが、むしろ登場人物の何気ない一挙手一投足全てに感情が込められているように感じ、ひとつひとつのカットが心に積もっていきました。そして、終わり近くの橋の場面ではもはや感情を抑えることができませんでした。
見終わった後すぐに原作を買いに走り、一晩で読みきってしまいました。映画では尺の都合で省略されていた登場人物の行動を知り、それらにまた心を揺さぶられました。佐原さん、植野さん、真柴くん。そして川井さんや島田くん、あの小学校の先生までも。(永束くんは映画でもわりとたっぷり出番があったみたいです笑)尺のために多くのシーンが省略・簡略化されていた一方で、原作で少し説明不足であったかもしれないシーンを丁寧に補足していたことに気づきました。既に完成された原作を映画の時間に押し込んだのではなく、原作者が最も伝えたかったであろうメッセージを、映画の決められた時間・映画という表現の中に再構成した作品だと感じます。
各シーンに対する気持ちの整理はまだ全くできていないのですが、もっとも強く感じたことは、なんとかまとまってきました:様々な要因で日々諍い傷つけ合っている私達も、この映画のように、いつか分かり合えるかもしれない。もちろん、私達自身が嫌になるくらい知っているように、分かり合えないことの方がずっとずっと多いだろう。でも、分かり合えるかもしれないということ、分かり合いたいと思うこと、そして分かり合うために挑み続けることが、どれだけ輝かしく素晴らしいことなのか。それを思い出させ、心の隅っこに刻みつけてくれたと感じます。
たぶん、日々の作業に追われるうちに、誰かとつまらないことで諍い合ううちに、この気持ちはすぐ薄れていくでしょう。でも、人として生きることの素晴らしさを教えてくれる道標をまた1つ見つけることができたのは、私の人生の中で大きな出会いでした。もう何回か見に行きます。
一本の映画として成り立っていない。
タイトル通り、原作を知らない人がこの映画を見たら、一体何が行われているのかを正しく理解できないと思います。
原作に気を使ったのか、叩かれるのが嫌だったのか、序盤・中盤「原作を読んだ人間にしか伝わらないよねこれ?」といったような酷いダイジェスト版みたいなものを延々見せられます。
特に、原作では1巻まるまる消費して描いた、物語の核となる大事な少年時代をさらっと流したのは酷すぎます。
そのせいで、その後の重みが全く失くなってしまいました。
硝子が想いを伝えるシーンなんか、「何でそうなったの???」と思わざるを得ません(全てのシーンにおいてそうですが)。
全体的にシナリオ構成が雑になりすぎていて、この話の素晴らしい点であるキャラ一人ひとりの心情が全く伝わってこない。何もかもが軽すぎます。
ただ、後半、本当に少しだけオリジナルのストーリーに入った場所の展開は良かったです。
原作には無かった硝子と植野が絡むワンシーン、それだけでも見た価値はあったなとは思いました。
最初から原作オリジナルと割り切って作っていてくれていたら、と悔しくなります。
原作を読んだ人間に媚びる作りにしてはいけない作品だったと思います。
内容にとても意味があり、どんな人間が見ても絶賛するであろう作品だっただけに、一本の映画として完結する映像作品にするべきでした。
長い原作を2時間弱の映画に収めるのは無理なのですから、ストーリー、演出を大胆に変更することになっても、作品の伝えたかったことを、「聲の形・映画版」として大事に描いて欲しかったです。
それが、原作付きの作品を映画化する、最低限の責任なのではないでしょうか。
もし映画だけしか見ていない、という方が居ましたら、AmazonのKindleで、スマホからでも無料で1巻をまるまる読むことが出来るので、1巻だけでもぜひ読んでいただきたいです。
もしくは、1巻だけ読んでから映画を見に行ってほしいです。
少年時代のあのストーリーが分かるだけでも、登場人物達の気持ちの理解度が全く違うと思いますので。
映像と音楽については、流石京都アニメーション。文句なしの満点だと思います。
声優さんの声色・演技も全く違和感なく、「そうそうこの声!」と感心してしまいました。
シナリオ以外でここまで原作に敬意を表することができるのに、何故シナリオだけ……(笑)。
伝えたい事
うーん
とても繊細に、じっくり描いた作品
どこに焦点が当たっているのか
これはなかなか、、
悪い意味で予想外
アニメの多義的な表情
意外だったが、原作者も監督も若い女性だ。だから登場する子供たちの気持ちが豊かに表現されているのは当然としても、大人たちの感情も繊細に描かれているのは見事である。
アニメの表情は柔らかくて主張しすぎず、観客はそれぞれの経験をもとに子供たちの気持ちを理解する。実写ではなくアニメの多義的な表情だからこそ、観客の想像力を喚起するのだ。そして次のように理解する。子供たちは喜怒哀楽だけではなく、自尊心や虚栄心、不安や恐怖といった複雑な感情を抱えて生きている。いじめる子供もいじめられる子供もそれぞれに心の闇を抱えているのだ。
この世界観は公平で客観的であり、故に狭い価値観の隘路に迷い込むことなく、登場人物の行動に自由を与えている。自由に行動する中で、子供たちは自らの心を解きほぐしていく。
アニメとしては出色の、とてもよくできた傑作である。
残念な作品
好き嫌いが別れる。でもそれがいいところ
今話題のアニメーション映画『君の名は』と『聲の形』どっちを観ようか悩んでいる方多いと思います。
聲の形はPVなどからも分かる通り、耳が聴こえない少女とその子を小学校時代にいじめていて、その後いじめられる気持ちを知った主人公が取り返しのつかない罪の重さや聴覚障害者の人が背負っている自己嫌悪、障害者を取り巻く偽善と偏見で固められたコミュニティなどの一般的に「タブー」とされている事に真正面からぶつかっていく物語となっています。
そういった話の特性上、小さなお子さんや何も考えずに映画を観たい方にはおすすめ出来ない映画です。
しかし、この映画は今まで深く考えることの無かった障害のある人に対する接し方について考える良いきっかけとなる映画だと思います。
重いアニメだが
予想はできたが。。
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