劇場公開日 2016年9月17日

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「号泣しました」映画 聲の形 ▼・ᴥ・▼ Leo★/Rさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5号泣しました

2020年10月5日
PCから投稿
鑑賞方法:TV地上波

泣ける

悲しい

難しい

京アニの映画は初めて観ます。
聴覚障害とイジメを題材にしており・・結構重いテーマ。
作画はさすが京アニ。とても綺麗で魅了されます。

■石田母が耳から血を流すシーン。
映画では説明がないままだったので、あの耳はどういうこと??
母親同士でなにかあった??西宮母にやられたのか??・・という
想像しか出来なかったのですが公式ファンブックによると
作者の大今良時さんは↓の様に語っています。
『ピアスを引きちぎったあとから出血しています。
硝子の母には「硝子の痛みがわかる?落とし前をつけなさい」
・・という思いがあったでしょうし、
石田の母もその気持は理解できたのでしょう。』
・・という説明があったので、石田母が自らピアスを引きちぎり
息子がやったことに対する落とし前を付けたという事になります。

■いじめっ子が、いじめられっ子になるパターンって珍しい。
現実世界において、いじめっ子は、ず~っと・・いじめっ子なんですよね。
いじめの代償にSNSで住所拡散されるとか損害賠償求められるはあっても
いじめられっ子になる・・ってのは、数少ないパターンだと思います。
特に序盤の石田くんが西宮さんにしたイジメというのは、かなり酷いもの。
そんな子がイジメられて、初めてイジメの怖さを知り消極的な子になる。
因果応報とは、まさにこのこと。

■唯一の癒やしは永束くんとマリアちゃん。
重いストーリーの㊥にも、癒やされる登場人物といえば
石田くんの唯一の本当の友達、永束くんと姪っ子マリアちゃん♥
この2人が居て良かった。

■西宮硝子ちゃんは何を考えているのか分かりにくい。
彼女が自殺しようとするシーンがありますが、急になぜ?!・・って最初思いました。
彼女の内面の描写は基本的に描かれていないので真意は分からないけど
彼女の今までの人生を辿れば死にたくなるのは、なんとなく理解できますよね。
自分の聴覚障害のせいでで親は離婚し、学校ではイジメられ、
佐原さんも転校させてしまい、妹は自分に付きっきりで不登校・・
追い打ちは自分のせいで石田くんが友達と喧嘩別れしてしまった。
彼女にも苦悩・葛藤があった。けど幼少からの壮絶な過程で
自分の感情を表現できないんだと思います。
ニコニコ笑顔は自分を守る為の愛想笑い。
本当は悲しいのに明るく振る舞うのもイジメからそうなってしまったのかも。

■いつ好きになった??
いくら改心したからと言っても私なら自分をイジメてた人なんて
好きにならないんですけどね。
やっぱり硝子ちゃんは何を考えてるのは分からないなぁ(;´∀`)
初めて自分と真剣に友達になろうとしてくれる異性が石田くんだったから
好きになったのかなぁ。

■顔✖が取れた時、感動しました。
石田くんの心情がよく出てますよね。
中学3年間いじめられ、人間関係をシャットアウト。
ずっと✖付いてたのが取れたとき・・私も号泣(´;ω;`)

■イジメ問題は永遠のテーマ
いつの時代もイジメって無くならない永遠のテーマですね。
誰もが学生時代にイジメの状況を見てきたはずです。
そのとき、自分はどんな立場にいましたか?
この映画で救われたのはイジメてた側の人間も高校生になり心が成長し
自分のしたことに反省している点。
直接謝る描写はないものの、行動が示していますよね。
イジメは心が未熟な人間がするものなのだと思いました。

最後に。京都アニメーション放火事件でお亡くなりになられた皆様の
ご冥福を心よりお祈りしますとともに、ご遺族の皆様にお悔やみ申し上げます。

Leo★/R