「原作による補完が必要不可欠」映画 聲の形 cocoronoさんの映画レビュー(感想・評価)
原作による補完が必要不可欠
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原作読了済みで観に行きました。
2時間という時間にどれだけ内容を詰め込めるのかを考えると、映画作りのくだりを丸々カットなど大方は予想通りでした。
石田や結弦の掘り下げに関しては充分だったと感じます。
虐めや修羅場の描写も全体的にマイルドになっていて、いい意味で大衆向けな作りになっていたと思います。(原作だとどうしても胸糞悪いと感じてしまう人のいる描写が多いですから…)
締め方もすっきりした良い改変でしたね。
が
やはり尺の都合上メイン以外の登場人物の掘り下げがどうしても足りません。こればかりは仕方のないことかもしれませんが…
川井さんなんかは本当にただの嫌な女になっていたし、島田に至っては出てくる意味があったかどうかも疑問なほどです。
できれば西宮の母親にももう少し出番がほしかった…とても重要な所なので
最大の不満点は、物語を通して西宮が強くなる描写が足りないところです。
飛び降りの際ベランダの柵に登るために使用した子供用の車の玩具を、自ら捨てるシーン。それ以降の決意の籠った顔つきなど、どうしても欲しい描写でした。
病院で石田の母にすがりつき泣きながら何度も謝るシーンも、あれはあれで心にクるものはありましたが。あれでは自殺を図る以前の西宮と何も変わっていません。植野と衝突してしまう一番の原因でもある西宮の弱さそのものです。
2時間で纏めたと考えれば良い出来ですが、映画で分かる聲の形の内容は6割ほどのように思えました。登場人物すべてが個性の強い漫画なので、原作による補完が必要かと思います。
未読の方は是非とも読んでほしいです。
既読組であるからこういった不満だらけになってしまうんですよね…お許しください
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