葛城事件のレビュー・感想・評価
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自分が見てきた史上一重い映画
稔がやったことは最低だけど屑な父親の子供は屑みたいな言葉では簡単に割り切れない、稔や兄や母親(の心)を殺したのはまぎれもなく父親。外でうまくいかないことを家で捌け口にしているのだと思う
最悪な境遇が招いた結果。事件を起こすよりも前の段階であの婚約者に出会っていたら、絶望の中に少しでも光が見えたんじゃないかな。稔の心から笑った顔が見たかった
クズ過ぎる父親を三浦友和さんが見事に演じていたし、若葉竜也さんの内側にため込んでいた黒いものを発散させるような演技も素晴らしい。
映画は終始啞然する、どよーんとした感じ。通夜のシーンの母親の一人しゃべりで壊れていく様は凄かったし。稔が、遺書の件でもめているとき、嘲笑うようにクスッと笑うシーンは芝居が面白かった。
三浦友和というメジャーな俳優がとことんいやな男を演じきった。 見ていて楽しい映画であるわけはないが、 見応えがある映画だった。
動画配信で映画「葛城事件」を見た。
2016年製作/120分/PG12/日本
配給:ファントム・フィルム
劇場公開日:2016年6月18日
三浦友和(葛城清)
南果歩(葛城伸子)
新井浩文(葛城保)
若葉竜也(葛城稔)
田中麗奈(星野順子)
監督
赤堀雅秋
原作
赤堀雅秋
赤堀雅秋監督といえば、個人的には監督というよりも、
「東京プレイボーイクラブ」のヤクザの次男役が印象深い。
葛城清(三浦友和)は親から引き継いだ、客が誰も来ないような金物店を営んでいる。
妻(南果歩)も2人の息子も清には従順だった。
清は自己中心的で、自分の考えに従わない者にはとことん攻撃的だった。
次男(若葉竜也)はアルバイトが長続きしないニートだった。
長男(新井浩文)はリストラされたが、そのことを誰にも言えずに数か月を過ごした。
2人の子供がいた長男は突然命を絶った。
次男は駅での通り魔で8人を死傷させた。
次男は死刑判決を受ける。
星野順子(田中麗奈)は何故だかわからないが、
死刑囚の次男の押し掛け女房になった。
その理由は死刑という制度に不満だったから。
順子は誰にも理解されず、
結果的に自分の家族も失った。
清の家にはやじ馬が押しかけ、
家はやじ馬が書いた落書きだらけだった。
三浦友和というメジャーな俳優がとことんいやな男を演じきった。
見ていて楽しい映画であるわけはないが、
見応えがある映画だった。
満足度は5点満点で5点☆☆☆☆☆です。
全員変人
全員どこか変わっていて、
どこか欠落しているように思う。
だけども他人事に思えないのは、
結局自分も普通の家族だと思っていても他人から見たら
変わっていて、家族のバランスと言うのはどこもギリギリで保っているのではないか?と思えました。
一つ何かが崩れると一気に家族って崩壊する気がします。
お父さんが強烈ではあるけど、
昭和の時代にはこう言う人たくさんいたし、
自分は40代なんで、僕からするとまぁまぁで収まる
けどよくよく考えるとダメな親父で、
何が一番ダメと言うと自分はいつも正しくて、
被害者で間違った事を何一つやってないと思っている
ところ。
全てこの親父さんが悪いでは片付けられないけど、
なかなか見ててきつく息苦しい家族でした。
次男を擁護する事は出来ないけど、
母親との生活があのまま続いていれば、
と思わざるを得ません。
【”そしてもう誰も帰って来ない家、葛城家。”鑑賞中、鑑賞後の嫌な気持ちが尋常でない作品。”ある意味凄いな、赤堀雅秋監督。”と思った作品でもある。】
ー 赤堀雅秋監督作品は、「その夜の侍」を観て、堺雅人さんのそれまで観たことが無い笑顔を封印した演技と、山田孝之の狂気の演技に驚いたモノである。
だが、流石にこの作品は劇場で鑑賞するのを辞めた記憶がある。
しかし、矛盾するがずっと気になっていた映画でもある。-
◆感想<Caution!内容に触れています。>
・今作は、葛城家の長、清を演じた三浦友和氏の狂気性を帯びた、暴力的で、相手を恫喝する、自らの所業を全く反省しない姿が矢張り印象的である。
・そして、妻の伸子(南果歩)が、家庭が崩壊しつつある中で、コンビニ弁当を独りで食べる姿や、引きこもりの二男の稔(若葉竜也)もコンビニで弁当を食べる精気の無い表情が、実に不気味である。
・冴えない営業マンである保(新井浩文)は、成績が上がらないために会社を馘首されつつも、それを妻(内田慈)に言い出せずに、毎日”行ってきます。”と家を出ても、公園で一人過ごす姿や、再就職の面接で自分の名前も言えない所などは、清の悪影響を明らかに受けていると思う。
そして、飛び降り自殺した保の葬儀で、酒に酔った伸子が保の妻に言った言葉。”何で気が付かなかったの。貴女が殺したのよ。”
伸子も、この時点で壊れている事が分かるのである。
■一番、気持ち悪かったのは死刑制度反対論者の田中麗奈が演じた星野順子である。
私が死刑制度賛成論者であるからかもしれないが、多数の無実の人を殺傷し、死刑を言い渡された二男の稔と獄中結婚する考えが、全く理解不可能である。
これが、無実の罪を訴えている人であれば別であるが、稔は生きる意味を失っている愚かしき男である。
最近はこのような犯罪は減っているが、世の中に不満があるからと言って、無辜なる人を巻き添えにする輩は、速攻で断頭台の露にすべきと私は思っているからである。
多分、この一連のシーンは赤堀雅秋監督の、実際に起こった事件への強烈な怒りを逆説的に描いているのだと思う。と言うか、思いたい。
<ラストも、又シニカルである。清がマイホームを建てた時に植えたミカンの木で首を吊ろうとするも、綱が切れ、清は又一人で家に戻り飯を食い、稔が処刑された事を伝えに来た星野順子に抱き着く姿は、最早人間ではないであろう。
今作は、ある意味凄いな、赤堀雅秋監督・・、と思った作品である。>
ずっと修羅場のターン
私にしてはかなり珍しく、登場人物になにひとつ共感ができなかった。
毒親、ネグレクト、人々への理不尽な扱いなどたくさんの胸糞映画は存在する。
もちろん実話をモチーフにした犯罪の作品など多くある。
今作では、ただ、涙でも嗚咽でもなく吐き気だけ。
無感情に食べられるコンビニのスパゲティくらいが可哀想に思うくらい。
たんたんと、観続ける。
ただそれだけ。
父親にも母親にも2人の息子にも兄の奥さんにも子供にも近所の噂話をする人にも殺傷された人々にすら何も共感できない。
獄中結婚をする女性にも。
たぶん、感情移入してはならないという、頭の中でアラームが鳴り響いたのかもしれない。
それを思えば本当に素晴らしく気持ち悪く作られた良い作品なんだと思う。
なので、感情的に思うがままの星の数。
ただ吐き気
人生最後に食べたいもの
それは叶わない。
バラは咲いても散るものである。
実話を作品
こんな家族、実際にあるんでしょうね
人格否定されて生きていくのは辛いし、ねじ曲がりながら生きて行くのは仕方ないのかも
何かスッキリしない作品でした
しかし、三浦友和さん南果歩さん、上手いですね〜
心が無になっています
若葉竜也さんの出演作品を順番に観ています。サスペンスなのかと思ったら、実際にあった事件を元にしているとのことで、順子は必要なの?と思ったら実際に獄中結婚している方がいるんですね。
この父親は私の父親とよく似た感じで。殴るける。罵る。怒鳴る。誰にメシ食わせてもらってるとおもってるんだ!が捨て台詞の人で。お前がちゃんとしないからだ!と母にいつも言っていて。意見をしない子供時代を過ごした引きこもりの弟たちもいて。私は唯一父に反発をしていて。だからこその虚無感かもしれません。
「ケーキの切れない非行少年たち」の漫画を読んだ時と同じ気持ちです。こんな家族ばかりでした。
期待したほどではなかった。
評判が良かったが自分には刺さらなかった。エンタメ系じゃないのはわかってたけど。最近見た「市子」の方が、邦画鬱系では良かった。
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ラストは父が無期懲役の苦しみを天から与えられたのかな?って解釈した。
じつは、田中麗奈が一番コワい。
理想を夢見た父親と、その家族の最悪の崩壊。
この一家の一人一人に『なんでそんな事を』という気持ちにさせられるが、しかし彼らの行動は悲惨ではあるが理解できる。
だが、突然現れて自分の思想・理想のために面識のない殺人犯と獄中結婚して『貴方と家族になりたい』『自分が愛すれば改心する』と言い続ける田中麗奈演じるジュンコが一番コワい。
この葛城家の有り様は決して珍しいものではないが、ジュンコのような理解不能なエネルギーを持った人物が一番異様であり、不気味である。
どのようなモンスターや悪魔、霊や呪いなんかよりもこういう人間が一番恐ろしい。
若葉竜也の作品を片っ端から観てる所です
高圧的で昭和な父親
そんな夫に逆らえない、精神不安定な母親
毒親に育てられた典型的な兄弟
新井浩文さんと若葉竜也さんは他人なのに兄弟って感じがハマってましたね
若葉竜也上手い、あの頃。見た後の振り幅凄すぎ、脱力感半端なくって怖かったし哀しい稔の目が焼き付く
威張り散らす父親がいる家あるある
恐怖は日常のすぐ隣
だいたいどんな時も旦那と一緒に晩御飯を食べながら、やいのやいのと楽しく映画を観ているのだが、「葛城事件」は違った。
画面に映し出される葛城家の不気味な不協和音に、心の底からこみ上げてくる言い様のない不安。
ついさっき食べ終わった今日のご飯。なんてことのない野菜炒め、ご飯、味噌汁、昨日の残りの煮物。そういうありふれた「普通のご飯」はただの一度も登場しなかった。
それだけで、この家庭が「普通なんかじゃ決してないんだ」と雄弁に物語っている。
その一方で、彼ら個人は世間からそこまで逸脱したような人物でもない。よくいる偉そうな親父、よくいる天然ボケなオカン、よくいる気弱な兄貴、よくいる引きこもりの弟。
その「大したことない人々」感が、いつか自分の家族も葛城家のようになるのではないか?と思わせる。
怖すぎて思わず旦那にすり寄りたくなるほどに。
「俺が一体、何をした」というコピーに対して、むしろ親父は「何をしなかったのか」を描いているようだ。
それは「相手を思いやること」だったんじゃないかと思う。いつでも自分のベストを重んじて、嫁が、息子がどう感じるかは二の次。
それは血縁の上に胡座をかいた怠慢であり、甘えなんじゃないだろうか。
彼の罪は彼が精算するしかない。彼が考える、最も厳しい方法で。
とりあえず、葛城家のようにならないように、まずは旦那を思いやろう。
日本のには沢山あるような家庭
日本人には沢山あるような家庭。ひと昔前の日本の親父はこんなのが沢山いた気がする。それが大量の中年引きこもりを産み、家族に良さが見つけられない人を作り、少子化に繋がっていたりするのかなと思ったり。
家族全員おかしいのだが、一番怖いってかキモいのは田中麗奈の演じていた女が一番キモかった。
実際大阪の事件の犯人にも獄中結婚の話があって、それをモデルにしたのだろうが、ああいう人間がもっとも理解できない。
見てて一番気持ち悪かった。
附属池田小事件を描くにはこれが限界
これをこの事件のノンフィクション映画として見始めないと、最後までしっくりこないでしょう。
なにかのパクリか、こういうストーリーあるある映画になり下がる。
とにかく三浦友和さんの好演が際立つ。
こんな家族が世の中にいるんだと怖さや悲しさが心の中を錯綜する。
この事件。
当時私の住んでいた隣の市で起こった。
それだけに同世代の子供を持つ親として震撼した記憶は残っている。
この事件の経緯はネットに散在しているので知りたい方はそれを読めば映画で描ききれなかった理由が分かります。
想像を超えた酷い人物像。
そこまで描くと上映出来なさそうです。
胸糞悪いとか暗いとか厳しいレビューが散見されますが、これ以上の事が実際に起こり、そういう家族がいたと言う事実。
もはや感想を述べると言うものではない気がしました。
被害に遭われた方々及び関係者の方々には心よりお悔やみを申し上げます。
附属池田小事件がモチーフとなっている割には連想できない
何かが元ネタなのだろうなとは思っていたが池田小事件は連想できない。
母親は加害者を生んだ時から嫌っていたはずだし、父が抑圧的という設定は、実際には警官の家系でそういう面もあったという点は似ている。
国内映画でこういうネタを扱う際にはなぜか朝鮮系の俳優がよく見られる。
あまり良い意図は感じない。
濃厚
終始重く、人間の心の内を描いた邦画らしい作品だった。邦画は好きだけれど、これはあまり自分の好みではなかったなぁ。観ている時も、観終わった後もモヤモヤとし、ある意味メリハリがない。それだけ重厚な作品なのだとも感じるが、自分にはもう少し緩急のある作品の方が合っていると感じた。
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