劇場公開日 2016年6月18日

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「三浦友和の演技が光っています」葛城事件 和哉さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0三浦友和の演技が光っています

2025年1月6日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

家庭というのはとても小さいですが「閉鎖された一つの世界」なので、その中に今作品の父親のような支配的で独善的な存在がいると全てが歪んでいくのは分かる話です。
これは他人事ではなく多かれ少なかれ様々な家庭に存在している歪みだと感じますし、外部の人間から見えないところで今も歪みが増大しているのだろうと思います。

何にせよ、個人的には三浦友和が出ている映画の中で一番インパクトのある役柄だと感じましたし、良くも悪くも心にトゲを残すような作品でした。
一つだけ残念なのは、田中麗奈が演じた役柄はどんな人生でどんな思いを秘めているのかが全く説明されないので、彼女の演技はなかなか良かったもののやはり説明不足感があり、その結果として「不気味な女」としてのイメージが強くなってしまったところです。
最後のほうで父親に対して叫ぶシーンは凄かったですが、彼女の生い立ちのような描写が全くないので、カタルシスが弱まってしまっていたように感じました。

和哉